- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061498426
感想・レビュー・書評
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彼女が買ってきた本。
著者は新右翼とされている人だが、アホみたいな何も考えていないネット右翼やその他の右翼はこの本を読めばいいと思う。
ちなみにこれは不思議に思ったのだが、「国体を愛す」ということは、そのときの政権をも愛していることになり、政権が変わった日本で「かつての政権を愛していた人」は、果たして今も「愛国者」と言えるのだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛国者について知りたくて読書。
類似するテーマとして『ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義』(香山 リカ)を少し前に読ませてもらったが、本書のほうが腑に落ちる。
夏以降の韓国の常軌を逸した行動や中国のほぼテロリストな反日デモを見て、改めて愛国者とは、ナショナリズムとは何なのかを考える機会に増えた。
そこで上記の香山さんの本も思い出すのであるが、過度なナショナリズムは危険だという点は一致している。思考停止に陥り、すぐに反日だ、売国奴だと一方的に叩く風潮は危険だ。まさに韓国と同じである。日本人はもっと謙虚で冷静な成熟社会だと思う。
本当に国に誇りを持ち、好きな人間は愛国者なんて言葉を口にしないのではないかと著者は述べている。
世界を見てみるとナショナリズムを全面的に押し出す国は国自体がまとまりがなく、共通目的として利用するための作られたナショナリズムであることが多い。
確かにも日本も近年、ネットウヨ、ぷちナショナリズム症候群など右化傾向があるように感じる。日本の場合は、戦後、長い時間、健全な国家意識が排除されたことへの反動もあるように思う。しかし、長期間の不況やデフレ経済、社会への不満、将来への不満なども影響しているように思う。
確かに著者が指摘する通り、国旗や国歌を強制するのはおかしいのかもしれない。日本はそんなことをしなくても、まとまった安定した国だから。”国歌は二十歳から”には失礼ながら笑わせてもらった。
日本の教育の問題は、公教育で日教組などが偏った思想を児童へすりこむことにあると思う。ある程度、バランスよく、日本人として健全な教育を受けて成長するのであれば、二十歳で選択してもいいと思う。
愛国心は国民一人一人が、心の中に持っていればいい。口に出して言ったら嘘になる。また他人を批判するときの道具になるし、凶器になりやすい。だから、胸の中に秘めておくか、どうしても言う必要がある時は、小声でそっと言ったらいい。(p192)
今の韓国、中国そのままな表現だ。日本は隣国の醜態を見て反面教師にする好機なのかもしれない。主張することはしっかりと主張した上で。
本書はロサンゼルスのブックオフで購入しています。
読書時間:約1時間 -
別の本で内田樹が「そういう話を人前でするのは止めましょう」と書いていた。本書の最後も同じような言葉で締め括られている。「愛国心」ってそういうものなのだろう。
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このタイトルで筆者は右ってのがまず面白い。
三島由紀夫、その他色々な人の「愛国」に関する言葉・エピソードは興味深かった。
ネットなんかやってると「左翼=売国奴」というイメージが強くなるけど、「左翼の愛国者」ってのも普通にいるんだよね。当たり前なんだけど。今じゃ右翼の代名詞ですが……
三島由紀夫の憲法草案
「日本国民は祖国防衛の権利を有する。」
国防は義務でなく権利。うむむ……。
玄洋社と頭山満の話は、夢野久作「犬神博士」でも読んでたか。
杉山茂丸の話が出てこなかったのはちょい残念。
全体通して、なかなか面白く読めた。この問題を本気で考えるには、もっと勉強しないと駄目だろうけど……
「俺の恋人、誰かと思う。神のつくりし日本国」
綺麗な言葉だなあ。 -
右派の論客として理論構成が明解であり、また右左翼を問わず議論を尽くす著者が語る真の「愛国心」とは。
格好だけのエセ右翼などとは違う。我が国の場合、右派の知識人が少なく左派の愛国者もまた少ない。この人は筋金入りの右翼であるが、暴力、革命を遠ざけており、充分に論議を出来る貴重な人物である。国旗を中心に、何を尊び何を排撃の対象とするのか。その主張の一端を垣間見ることが出来た。 -
異色の新右翼が「愛国心」を語るという触れ込み。三島の「愛国心といふ言葉は好きじやない」という一節は興味深い。やはり彼は思索の人。あの挙にしても、天皇の神聖性固守と英雄的行為への憧れ(中村光夫との対談で再三口にしていたオリンピック選手への憧れ)が大きいのだろうが、その裏で冷静に自らを客観視する三島がいる。
『天皇とプロレタリア』『国体への疑問」を書いた里見岸雄のことも知れて為になる。 -
今の日本は歴史に誇りを持てといわれるがもっと謙虚さを身に付けるべきだ。
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安保とかあの頃の左翼、右翼、三島由紀夫のこと、時代の空気、維新からの流れなど今までよくわからなかったけれど、分かりやすかったです。
書いたのは新右翼の鈴木 邦男氏。
しかし、主張一辺倒と思いきや、すごく理性的でわかりやすい。天皇や日の丸に対して盲目的かと思ったらそうではない。
女帝も反対していない。
愛国を振りかざして利用するのは権力、体制であって
本来の愛国心は強制されたり監視されたり評価されたりするものではない、内におのずから持つものである、
愛国心を持て、と強制するより国民がおのずと恋せる国を造れ、と。
愛国でなければ非国民となじられる、糾弾される、
最近の風潮に危惧する、という内容でした。
こぼれ話でも「へえ!」と思うことがいくつも。
やんごとなきお方と三島とのデートとか、明治天皇のお座布団とか。。 -
愛国心は自己愛に収斂するのではないか、と考えている私にとって、この本の結論はとっつきやすいものでした。著者は「新右翼」の人ですが、右翼にもいろいろいるんだな、と思いました。