ハヅキさんのこと

著者 :
  • 講談社
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感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136280

感想・レビュー・書評

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  • 僕の好きな女性作家の筆頭が川上弘美さんである。

    高校時代に文藝春秋で芥川賞受賞作品『蛇を踏む』を読んで以来、すっかり虜になってしまった。というか高校生のときから、文藝春秋を読んでいたんだよな、儂。ガキんちょのくせになんとも老成た奴だ、我がことながら。

    川上弘美さんの文章はとにかく「ゆるい」と思う。恋愛を描くにしても、不思議な出来事を描くにしても、文章がほわわんとしているのだ。日常の何気ない一側面を、誇張もなく衒いもなく、柔らかに表現する。好きな作家、というよりも、う~む、一度ハマるとクセになる作家、というべきか。

    この『ハヅキさんのこと』には20余りの短編小説が収められていて、あっという間に読み終えることができるのだが、そうするのは勿体ないように思う。ひとつひとつの短いお話のそれぞれに、登場人物のそれぞれの人生がとても奥行き深く描かれていて、この短い文章でよくぞここまで表現できるなあと驚く。じっくりと味わいたい川上作品の短編が勢揃いした、いわばオールスターの趣がある。大満足の1冊。

  • 不条理なのに面白く、非日常なのにすっとなじむ。
    ずっと家に置いてたまに寝る前に読みたい一冊。
    川上弘美の短編はいくらでも読めるし、飽きないです。

  • 「誤解」どきどきした

  • 短編小説よりも短い掌小説集。
    川上さんの切り口が鮮やかで惚れ惚れと読んでしまう。
    後半から「もしかして私小説っぽい?」と思ったら、
    あとがきでも、自分でも境目がはっきりしない、というようなことが書かれていた。
    川上さんの力まないけれどしなやかな、独特の感性が味わえる作品たちでした。

  • 情景が思い浮かびやすかった。表現が綺麗

  • 作品全体を包むふしーぎな浮揚感。つかもうとするとふわりと逃げていくような各短編での終わり方。これぞ川上さんという感じがする。

  • とても短い、エッセイのような短編のような作品の重なり。
    微妙な空気感は、さらっと読むには良し。

  • もっと時間があるときに、一枚一枚ゆっくりめくって
    かみしめるように読みたかった。

    もう一度、読みとおす!
    絶対!

  • 2010/05/08 ひといきで読める掌編集。文章が心地よい。

  • 川上弘美さんの短編集です。当時雑誌に掲載されていたお話があり、ああ!となりました。ずっと探していた、心の奥底でうずうずしていた小説をようやく見つけだすことが出来て本当にうれしい。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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