だいじょうぶ3組

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162999

感想・レビュー・書評

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  • 【だいじょうぶ3組】人と本気で向き合うこと

    著書「五体不満足」で有名になった乙武洋匡さんが、小学校を舞台にして書いた小説。
    ただし、登場人物の主人公・赤尾先生は乙武さん自身がモデル。実体験をもとにして書かれた小説だと思います。

    小学生5年生くらいからでも読めるように漢字にルビが振られていますが、大人に、特に子育てをしているお父さん、お母さんに読んでほしい本です。

    「普通」とはどういうことか?
    「ナンバーワン」と「オンリーワン」をどうとらえるか?
    他人との「違い」をどう受けとめるか?

    こうした問いを考え、自分の考えをもっておくことは、とても大事だと思うからです。

    私が好きなエピソードは、電動車椅子で移動している赤尾先生と、5年3組の生徒たちが、学校行事になっている高尾山の登山の遠足をどうするか?という話。

    赤尾先生は、学級で起こるさまざま出来事について、常に答えを持っているわけではありません。
    時々、失敗したり、悩んだりします。
    でも、一生懸命、全力で、生徒たちと向き合う姿があり、それに胸が熱くなります。
    こんなふうに正直に、本気で人に向き合うと、気持ちが相手に届くのだろうなと感じさせる何かがあります。

    この本とはまったく関係ない出来事から、私は、最近、人と向き合うことについて考えたことがありました。

    相手に分かってもらえない。
    相手に心を開いてもらえない。
    そう感じたとき、それは、相手に問題があるのではなく、
    自分が、相手のことを分かっていなかったり、
    自分も、相手に心を開いていないということなのかもしれない。

    そう考えて、自分の未熟さを実感しました。

    でも、まあ、仕方ない。
    自分が未熟だということを発見したのは、収穫だったね。
    と、思います。

    大人の人間関係は、小学校のクラスの人間関係とは異なるところもありますが、「だいじょうぶ3組」の赤尾先生のような姿勢で人と向き合うことを続けていたら、相手と理解しあえることがあるのかもしれない…。

    そういう希望を感じさせられる本でした。

  • 手足のない担任、赤尾先生と、介助者の白石先生と、5年3組の28人の子どもたちの物語。
    ひとつひとつのエピソードが、とてもおもしろかったです。
    普段はあまりしないのですが、この本では自然と行間を想像してしまい、物語を膨らませて読みました。

    特に印象的だったのは、「オンリーワン」と「ナンバーワン」についてのお話でした。
    私は、ナンバーワンは目指して欲しい派です。
    やってみたいことを精一杯、がんばってみてほしい。
    一番を目指してがんばっている息子の姿をみていると、やっぱり、「がんばるのはかっこいい」と思うのです。
    精一杯がんばったけれど一番になれなかった時の、悔しがる姿も、私はかっこいいと思うのです。
    悔しくて涙が出るくらいがんばれるって、本当にかっこいい。
    そして、結果につながった時の喜び。
    がんばった後のいい結果は、本当に嬉しい。

    子どもをみてると、そう思います。
    大人ももっとがんばらなきゃな。
    少なくとも私はここ数年、本気度が全然足りてません。
    ぼちぼち、大人の本気も見せなきゃね!

    そんなことを考えたりして、大人も楽しめる一冊でした。
    現役の小学生はどんな感想を持つのだろう。
    機会があれば、聞いてみたいなと思いました。

  • 泣ける

  • ホリエモンチャンネルで紹介されており、手に取った一冊。

    「なにがフツーなのか」
    「ナンバーワンとオンリーワン」
    「みんなちがってみんないい」

    分かっているつもりでも意外とできていない。そんな事を感じた本でした。
    これを機会に少し意識して見ます。

    マジョリティがフツー、ダイバースとユニバース
    オンリーワンを目指した先が結果ナンバーワン

  • 現実的な教育問題は「5年3組 リョウタ組」の方がよく書けていると思ってしまった。
    車いすに乗った両手両足がない担任の姿はよく書けているけれど、いかんせん授業や普段の生徒の様子に現実味がない。どれもこれもうまくいきすぎている。
    同じ3組なら石田衣良の方が好感持てる。

  • 初めに映画を見てたので、だいたいの話は分かっていましたが、実写化されていない部分もありました。赤尾先生の悩み、失敗、素敵な授業、さらには子どもたちの姿(悩んだり、ぶつかったり)にも胸にぐっときました。子どもたちが先生をはじめクラスのみんなが大好きな気持ちなどが伝わってきます。個性が輝くあるクラスの姿にうるってきました。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=244046

  • 甥っ子のために買った本。ご本人読まずで持って帰ってくる。
    子供相手って誤魔化しが効かないから自分の弱さとか足りないところを直球で受け止めることになるんだな。目をそらさずに一つ一つ解決していこうとする先生に見習わないとと思わされる。
    乙武くんの経験がかなりベースになっていると思うけど、彼も彼を取り巻く環境もすごいエネルギーを持っていると思う。

    いつか本人に会いたいわ。

  • 主人公が高圧的で好きになれない。
    著者の体験談がベースなんですよね?介助員の方の昔から主人公を尊敬していたという心理描写があったり、自分を美化しすぎで、理解に苦しむ。
    バレンタインのエピソードとか、いつでも自分がしていることが絶対正しいという思い込み姿勢が感じられる。人間人の意見も取り入れながら生きていかないと…。特に教師なんだから。いろんな生徒、家庭と関わる職業なんだから、自分に合わない考えは即切り捨て、という姿勢はどうなのか。
    自分が親ならこういう教師が担任だったら絶対嫌です。

    五体不満足は凄く面白かったです。
    あれから著者は世間の荒波に揉まれて、すっかり意固地になってしまったのでしょうか。

  • いろいろ感じ入るところがあったみたい。

  • 乙武さんの本を読んだのは『五体不満足』以来、10年以上ぶり。その後、学校の先生を経験されていたとは驚きました。
    この本の主人公、赤尾先生。体当たりで生徒と向き合う姿、話し方、そして、いろいろ悩み失敗し怒られながら奮闘する様子がとてもリアルに感じられました。ひとつのエピソードに、ひとつはうるっときてしまうところがあって、この子達と一緒に一年過ごしたような、時間の経過を感じました。子どもの発言や行動の元にある考え方は純粋で、大人を困らせることもあるけれど、きちんと向き合うってこういうことなんだなとわかりました。やはりひとりの人として向き合うこと誠実さが信頼関係にはつながる。これは、映像でも見なくては!

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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