日暮らし(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 136
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762052

感想・レビュー・書評

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  • 苦手な時代物も、宮部みゆきさんの書いたものならすんなり読める。この作品を何度読んだかわからないけど、これがそう思えた原点だとやはり感じる。
    幼い子供、青年、中年、とさまざまな年代の人たちが関わりあうから幅広い年齢層で共感しやすいだろうし。
    ただ優しいだけではなく、醜い感情も惜しみなくあらわれていて、だからこそチラリと挟まれる優しさのあったかさ。
    いい作品。

  • レビューは上巻にて

  • うーん、ちょっと最後のまとめ方に不満あり。
    湊屋がもっとヌエ的存在として描かれるのかと思いきや、ある意味放り出された形。
    弓之助など愛すべきキャラクター達は躍動しているのだが、期待が大きかっただけにその反動も大きい。

  • 「ぼんくら」の続編。
    登場人物がみんな相変わらず生き生きしてて素敵だ。
    そしてみんな可愛らしい。
    弓之助大活躍。小憎らしいほどだ。
    その代わり今回はおでこさんの出番があまりなかった。
    残念。
    佐伯殿の本性はわからんが、大人の役人のようだ。
    さっぱりわからんのが湊屋総右衛門だ。
    こいつがすべての原因だろ。
    いつか天罰がおりるぞ。

    ああ面白かった。
    でもちょっと長いね。
    こんなに長くなくてもよくない?

  • 救済の物語、そんな印象が残りました。前作で出来たキズ、時が経て新たに出来たキズ。そのキズを如何に癒すのか。キズによっては自業自得のものもある。それならばそれ相応の癒され方もある。
    宮部みゆきの作品は端役一人一人にまで目が届き、心情を汲み取ります。それが故に人がもつ厭な面も目をそらさず描き切っているので読んでいて辛いことも多々あります。でも今作は同じく辛い面も見せながら、温かみもしっかり感じられるのです。そこが救済の物語だと感じた所以ですね。また現代劇でなく時代物がもつ力なのかも知れません。

  • 港屋の家の事情をあれこれ知ってしまったことになんだか微妙な気分になった。そういう主人公の気持ちに同調して、なんか人は難しいなぁと不思議な人間模様にひたるでもなく支配されるでもなく、面白いけれどはまるわけでもない、私にとって宮部みゆきという作家の位置はなんだかいまだ宙ぶらりんだ。

  • 考えていた以上にすぐに読み終えてしまいました。ちょっぴり淋しい。

    解決編、ですね、所謂。

    書き方が下手だと「なんでこいつそんなに機転が利くんだよ、勘が鋭いんだよ?」ってツッコミたくなると思うんですが、推理する人物に違和感を覚えず、「なるほどなあ!」と思えるのが凄いな、と。

    少年が活躍するのですが、物凄く特異な存在のはずなのに、どうしてか嘘っぽく無いと言いますか。やはり違和感が無い。子どもっぽさもちゃんと与えられている。その不思議なバランス。

    やはり無駄が無いので、さわりだけ触れて詳細は描かれなかった部分もあって。読み終わった後、その部分をまた外伝、みたいな感じで読みたいな、と思わせます。

    タイトルも全編通して活きてます。

    締めも個人的に好きなタイプ。気持ち良く読了いたしました。平四郎好きです。

    あ?
    でも弓之助はおとよちゃんに惚れてるのかと思った。そこだけ残念(笑)

  • 『ねぇ叔父上、ここはひとつ、白紙に戻してみてはいかがでしょう』
    元鉄瓶長屋差配人の久兵衛からもたらされた築地の大店
    湊屋が長い間抱えてきた「ある事情」葵を殺した本当の下手人は誰なのか
    過去の嘘や隠し事のめくらましの中で、弓之助の推理が冴える。


    お世話した人された人…
    色々な事件で知り合った人々が何らかの形で事件の真相へと繋がっていく!!

    この同心、井筒平四郎 は自分の事を昼行灯で面倒くさがりの無精者だと思ってるけど 周りの評価はとても高い!
    自分じゃ気が付いてないだけ!(b^ー°)
    で、平四郎の甥、商人の5番目の子、弓之助(13歳)はこの世のモノとは思えない美形 (頭の回転もすこぶるヨロシイ!(b^ー°) )
    子供のいない平四郎の奥方様はこの美形、
    商人のままなら道を外してしまうかと!! (笑)
    ぜひぜひ養子にと考えいて平四郎もそのつもり+.(´∀`*).+

  • 今回も湊屋絡みの事件(結局は違ったけど)

    湊屋のゴタゴタには読んでいて、うんざりしてきたけれど、
    最後はきれいに収まってスッキリしました。

    ただ真犯人の動機がいまいちかなぁ

    シリーズでもっと続いて欲しいと思いつつも、
    弓之助とおでこちゃんには、子供のままでいて欲しいとも
    思ってしまう。

  • 江戸モノ「あかんべぇ」の続編。宮部さんの本は図書館でも常に貸し出し中になってて、人気なのがよくわかります。
    上巻の「子盗り鬼」はストーカーに悩まされる女の人の話で、展開にめっちゃハラハラしました。
    シリーズで映画化しても面白そうな作品。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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