あきらめません!

著者 :
  • 講談社
3.96
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065277683

作品紹介・あらすじ

「一人では何もできないが、一人でも始めなければいけない」
定年を迎え、悠々自適なセカンドライフを送るつもりだった郁子は、突如、夫の実家に戻ることになった……。
気持ちを切り替え、田舎暮らしを楽しもうとしていた矢先、なぜか市議会議員に立候補することに!
年齢も性別の地方も越えて、日本のリアルを描く痛快エンタメ小説誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 優越感なんて劣等感の裏返しで、その瞬間だけ発生する幻なのに、どうして無くならないのだろう。

    人口の半分は女性なのだから、女性が男性と同じ評価を得られれば、世の中はもっと優秀な人が増えて発展するんじゃないのだろうか?と常々思っている。
    むしろ、普段接する人達に関して言えば女性の方が真面目で優秀な人が多い気がする。

    女性が増えると男性の私は仕事を失うかも知れないが、優秀な人が増えて社会が発展すればセイフティネットも拡充されて暮らしていけるはず、と思っている。

  • 夫婦ともに定年退職を迎え半年、夫の幹夫が独り暮らしの義母の住む山陰地方の栗里市に移らないかと提案し、霧島郁子61歳は夫の実家の隣の家を買いとり、イングリッシュガーデンを作り野菜を育て、油絵を描く日々を思い描き、夫と共に都会から転居します。

    しかし、郁子はイングリッシュガーデンは自分で作ることができず夫にやってもらい、毎日退屈になり図書館に通うようになります。
    そこで、市議会を見学していると、二人だけの女性議員のうちの一人梨々花がパワハラやセクハラにあっているのを目撃します。
    郁子は梨々花に「言い返しなさいよ」とつい口出しをしてしまいます。
    もう一人の女性議員で高齢の市川ミサオが、それを見ていて「あんた、最高じゃわ」ということになり、ミサオが引退するので市議に立候補するようにいわれますが…。
    郁子は逡巡しますが、選挙に出馬することになります。



    以下、ネタバレですので、これから読まれる方はお気をつけください。



    郁子は一度目は落選するものの、二度目で当選、そして市長へと階段を昇っていきます。
    郁子の周りの女性たちは議員の4割を女性にするクオーター制をアジアでは初めて導入します。
    そして、郁子はミサオに県議、県知事を目指すように言われます。


    でも、これは架空のお話しですよね。
    クオーター制なんて導入している地域はないのでしょうね。
    ただし、女性知事は存在しますね。
    東京都知事はもちろん有名ですが。
    私の住む県の知事さんも女性です。
    私は今の知事さんが大好きです。
    真実は小説より奇なりです。
    私は今の知事さんのあたたかく誠実な人柄がとても好きなのでこのまま、県政のために頑張って欲しいと応援しています。

  • タスキを掛けて走ってる人の表紙に駅伝の話かと思って借りてきたんですがよくよく見るとジャケット着て走ってるし、ちょっと違ってました。
    セカンドライフを満喫しようと主人の実家のある町に越してきた郁子。50万値引きしてもらった売主に恩義も感じず残置物の撤去を要求するところなんかクールでドライ。
    そんな噂が町中に拡散する速さはSNSよりも早い村社会。
    初めてあった年配女性議員にまで知られているとか。
    選挙戦が揚げ足の取り合いとかなんだかねぇ。
    あれよあれよという間に市会議員になって、旧態依然とした男中心の議会に新風を入れてゆくお話でした。
    郁子も議員辞めると支持者の前で言う場面もあったりでバックでサポートする人たちに担ぎ上げられて思い直すとことか根の浅さを感じたりもするんですけど。
    議案を通すには最大派閥じゃないと多数決で否決されちゃうし、そのため4割は女性議員にする法案とか女性専用席みたいな枠組みで、陣取りゲームみたいで政治って難しそう。
    お話自体はスッキリ爽快なんですけど、なんかしっくりきませんでした。

  • 郁子60歳、定年後に夫の実家でのんびり釣り、畑仕事をして暮らしたいと聞かされ、実家の隣家が売りに出されたこと(別居可能)、現東京のマンションの査定が激安だったことから移住する羽目に。田舎の面倒な人付き合い、男尊女卑的考え。そこで市議会議員のミサオと出会い、退廃した市議会議員を立て直すべく議員に立候補を決意。田舎の議員が現実的にここまでひどくないと思うが、女性軽視、ヒトにあらず的な感じがムカムカのMAX!に。市議会議員-->市長に当選。男女格差の是正なんて当たり前のこと。相当遅れをとる日本ってアホくさい。⑤

    • 湖永さん
      ポプラ並木さん コメントありがとうございます。
      こちらから失礼致します。

      確かに日本てまだまだ古いって感じることが多いですよね。
      なぜ、変...
      ポプラ並木さん コメントありがとうございます。
      こちらから失礼致します。

      確かに日本てまだまだ古いって感じることが多いですよね。
      なぜ、変わろうとしないのか?
      変わりたくないのか?
      変わることを恐れているのか?
      自分が一番に変わることを良しとせず、周りを伺っている…という状況ですよね。
      人と違うことが駄目なように…情けないことですが。

      スカッとするような勇気あるこのような物語に出会うとヨシッてなりますよ。
      思わずガッツポーズしたくなりましたね。
      2023/04/23
    • ポプラ並木さん
      湖永さん、コメントありがとう!
      凝り固まった風習なので、なかなか変われないのと、多分、日本以外の文化を理解できていないんだと思います。
      ...
      湖永さん、コメントありがとう!
      凝り固まった風習なので、なかなか変われないのと、多分、日本以外の文化を理解できていないんだと思います。
      日本人はどんどん海外に行って、戻ってきて良い習慣を日本に入れていくべきなんだと思います。
      自分もその役割があるんだろうと思います。
      なので、垣谷さんの作品を読んで共感すること、それも重要なことなんだろうと思います!!
      2023/04/23
  • 面白かったです(^^)


    垣谷さんの作品は
    ほんとに読みやすいですねー!

    あっという間に読めました



    他の作品だと
    割とモヤモヤする時間が長いものもある中
    この作品はスカッとする場面も多く
    気持ちよく読めました(^^)



    読みながら自分も知らぬ間に
    男とは、女とはと
    考えが固まってしまってるところも
    あるかも…と思いました


    逆にまだこんなこと言ってる人いるの?!
    って感じるところもあったり。

    怒ったり、同感したりしながら
    楽しませてもらいました


    こんなふうに町が蘇っていくと
    気持ちがいいですよね(^^)

    私もああして欲しい、こうして欲しいと思っても
    じゃあどうしたらいいかまで考えてませんでした
    暮らしを変えるということが
    身近にないんですよね…


    このままだと日本は終わってしまうっていう
    メッセージを感じました

  • アラ還の霧島郁子の気持ちがとてもよくわかる。
    共感できる。
    都会暮らしを捨てて、夫の故郷で暮らすということも凄い決心だなぁと思うが、そこから後の動きが半端じゃない。
    とても真似できないが、気持ちだけはわかる。
    この60歳という年齢が、古くて固い父親に育てられたかどうかでも微妙に違ってくるのだが、世間ではとか、社会では、とかでいいようのない男女差別を少なからず知っている世代である。
    そして、自分も田舎を離れたのには、やはり男社会であり、結婚しても同居している同級生を見ていたからかもしれない。
    けっして、同居がどうの…というわけではなく自分には無理だと感じたからだが。
    ただ、この中でよくぞ言ってくれました‼︎というスカッとする場面もあり、思わずニンマリしたのも事実。

    • ポプラ並木さん
      湖永さん、おおーまたまた共読でした!!
      日本の悪しき習慣、いつまで続くんだろうね。
      本当に酷い。。。
      北欧に2年間留学していたけど、女...
      湖永さん、おおーまたまた共読でした!!
      日本の悪しき習慣、いつまで続くんだろうね。
      本当に酷い。。。
      北欧に2年間留学していたけど、女性の方が元気がありました。
      税負担制度が根本的に違うので、北欧のようにはなれないけど、精神的にはなれるはず。
      日本の古い方々には考えを根底から変えてほしいです。
      2023/04/23
  • この本は読んでいて先が気になる!
    家事をやらなくてはいけないのに、夢中になり夕飯が遅れた。罪な本だ。

    主人公の郁子は、夫婦共に定年を迎え、
    さぁこれからは仕事なんてしなくていいんだ、自由に生きていこう、と思って
    いた。ところが、夫が田舎へ実家のひとり暮らしの母の元へ、帰りたいと言いだした。運が良かったのか悪かったのか、実家の隣家が売りに出されていた。結局買うことになるのだが、その売り主が
    ひと癖もふた癖もある奴で、それは、
    郁子のこれからの活躍に大きな影響をもたらす。


    郁子が移住した町は、封建的な田舎町。
    ある日、郁子は図書館の帰りに女性議員に出会う。「私はもう議員を辞めるから、貴女のような人に議員になってほしい」と言われ、驚いて断った。
    だが町はカーブミラーひとつ設置してもらえず、町の予算はとんでもない使われ方をしていた。郁子は怒った!
    そして・・・・・

    クオータ制、という制度を恥ずかしながら私は初めて知った。
    まだ日本にはない。ノルウェーは進んでいるなぁと思う。
    4割を女性議員に、やはり難しいなぁ。

    この本は読んで良かったと思う。
    勉強になった。
    少し非現実的ではあるけれど、
    希望に溢れていて、勢いがある。
    郁子はあきらめなかった!

    2022、8、6 読了

    • アールグレイさん
      プライバシー、当てちゃって(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^)
      プライバシー、当てちゃって(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^)
      2022/08/09
    • まことさん
      アールグレイさん♪

      いえいえ、とんでもありません(^^♪
      アールグレイさん♪

      いえいえ、とんでもありません(^^♪
      2022/08/09
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、共読ですね(^^♪
      男尊女卑の不条理、なんなんだ、日本は!って思いました。
      ノルウェーが例に出ていましたが、先進国は男...
      アールグレイさん、共読ですね(^^♪
      男尊女卑の不条理、なんなんだ、日本は!って思いました。
      ノルウェーが例に出ていましたが、先進国は男女平等は当たりまえ。
      日本のへんてこりんな名残?どうしようもないね。
      郁子はあきらめなかったけど、これからが本当の勝負だね。
      男性を精神的に思いっきりぶん殴ってほしいです!
      2023/04/23
  • 最初はどうなることかと、はらはらしながら時にものすごいセクハラの数々に、気分を害したり腹をたてたりしながら読み進んだ。
    自分で変えようと思って努力しないとかわらない。大勢の女性が専業主婦だった頃の置き土産か、男性のセクハラ。家事や育児だって大切な仕事なのに、それに対して正しい評価と対価がなかったもん。
    だから、今なんじゃないだろうか。
    今はだいぶ男女平等だけど、育休とる男性って少ないし、あんまりうまく男性の育休が定着してないように思う。
    そして年々、お一人様率は増加しているけど、高収入な人ばかりでもないと思う。このお一人様対策ってないよな。コロナ禍の交付金も子供のいる家とか高齢者とかだけど、困っているのはみんな一緒。
    等しく公平に分配したらいいのにと思う。
    郁子さんは仲間を増やし、自分の成し遂げたいことを実現している。
    県議や県知事になった郁子さんやその仲間達に会いたい。
    続編が楽しみです

  • 読了後、清々しい気分でいっぱいになる。自分も頑張ろう!って気持ちが湧いてきました。元気にしてくれる作品。

  • 還暦を通過して長かった仕事も勤めあげ、さあこれから人生を楽しもうと心弾む東京暮らしの夫婦だけど、夫の故郷である山陰の小さな町に移住する決断をしてからの急展開が面白い♪
    なんと!妻の霧島郁子がひょんな経緯で市会議員に打って出ることに。
    男尊女卑の旧弊顕著な地方都市を舞台に旧い世代とイマい世代を上手く対比させながら、孤軍奮闘する郁子の様子が如何にもありそうな設定で笑える展開ですね。
    でもちゃんと投げた石は波紋を広げて行き徐々に市政が変わりゆくのが微笑ましいです。
    深刻にならずに楽しみながら読了できました。
    そう言えば我が市長も2期目の女性市長です♪

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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