英国マザーグース物語 裏切りの貴公子 (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)
- 集英社 (2013年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086017022
感想・レビュー・書評
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雛鳥のように口をあけ幸せが運ばれくるを待つのでなく
自ら獲得してこそ物語の主人公
それはともかく「結婚詐欺師」はよい言葉詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少年の装いで新聞記者として働いている令嬢、セシルとその相棒の実は……な挿絵画家ジュリアンの周りに起きる事件とは?おおー!展開展開!ここからセシルがどうふんばるか、見どころです!
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ガイ・フォークス・デイが間近に迫り、ロンドン中が賑わう11月。
セシルは隻眼の青年・クリストファーと再会するが、思わせぶりな彼の言葉に戦慄を覚える―それが全ての始まりだった。
伝説の黒妖犬、行方不明の彫版師、失踪したジュリアンの兄を知るという美しい歌姫……すべてのピースが揃ったとき、セシルとジュリアンの関係を激変させる出来事が―
本編2話に番外編1話の3話収録。
第1話 My Dream of You
第2話 裏切りの貴公子
番外編 幽霊屋敷にはお気をつけて
ガイ・フォークス・デイ!
昔、英国舞台のミステリーで出てきたわ-
今、現代だとハロウィンに追われ影が薄くなったイベントな印象だけど…報道で見ないだけで盛大に続いてるのかな-
ヘルハウンドって湿地帯を疾走してるイメージ。
逃げ場がさらになさそうな都会で集団と出会ったらさぞ恐ろしいだろうな…
エリザベスの言うとおり、何故に気づかないのか不思議-だったけど、双方にバレちゃったね-
ダニエルにはジュリアンの良心に付け込んでWスパイにする、政府の意向行動をこちらに流させる、位の気概が欲しい-普通に貴族社会でやってけてるのか気になる人となりだなぁ…
そして!緊迫したイイところで番外編、だもんな-ヤキモキする-
番外編は緊迫した本編の少し前、まだ正体を知らずパートナーとして取材へ行く話。
女性が財産を継ぐのが難しかった時代に、死後、ごうつくばりの甥相手に世論で載せて上手くいくかなぁ…あんまり上手くいく、いっても存続する未来は見えない- -
まさかの。まさかのです。
これでエリザや編集長もどこかの組織でとかいいだされたら、もう人間ふしんで立ち直れなくなりそうです。 -
前作の感想で、セシルやクリストファーよりもジュリアンの方がよっぽど怪しいと書いたのですがwwwまさかの超展開wwwまさかの007www
真面目な話、セシルが可哀想で仕方ない。
これはトラウマで人間不信になるレベル。次が早く読みたい。 -
“「きみたちふたりのつきあいが、もともとどんなふうに始まったにしろ、いまのきみはあの子に対して真剣なようにわたしには思えるよ。だからこそきみは、慎重になっているんじゃないのかい?」
ジュリアンは無言で視線を伏せた。幾度かためらってから、告白する。
「本当に大切なことは、いつまでも伝えられないんです」
わずかに目許をゆがめ、つぶやく。
「簡単に口にしては、言葉が汚れてしまう気がして」
「それはまた、新聞社で働いている人間の台詞とは思えないね」
レスターが呆れたように笑う。
ジュリアンは肩をすくめてみせる。
「ですね」
「このままでは、仕事にさしつかえそうだ」
「仕事なら、大いにさしつかえていますよ」
そして目を閉ざし、ため息のようにささやいた。
「近ごろのぼくは、とりつくろうだけで精一杯なんですから」”[P.132]
4巻目。
副題で指している人物を捉え違えていた。
最後にがつんときて次が楽しみ。
“「聞いたか?セシルはきみをこんなに信頼している。さぞ満足だろうな」
「ダニエル、セシルのまえだ」
低く、ジュリアンが指摘する。その冷静さが、ダニエルの感情をふりきらせたようだった。
ジュリアンを見すえるダニエルのまなざしが、にわかに鋭さを増す。
「それをきみが気にするというのか?結婚など最初からする気もないのに、散々この子の心をもてあそんだきみが?」
「ダニエル!」
叱責するように、ジュリアンが叫んだ。そして頭をうつむけ、乱れかかった髪に乱暴に手をさしいれると、懇願するようにささやいた。
「やめてくれ、頼むから」
そんなふたりの様子を、セシルは呆然と見つめていた。ただただ悪い予感のようなものが全身に広がり、その場に立っているのがやっとだった。
「……結婚ってなに?」
セシルがつぶやくと、ふたりが弾かれたように顔を上げた。
「……もてあそぶってなに?意味が、わからないの。なんの話なのか、ちゃんと説明してくれないと、わけがわからない」”[P.221]