男と女の理不尽な愉しみ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087210095

作品紹介・あらすじ

甘美で魅力的なはずの男女関係はなぜ、今や絶望的なまでに我々を追い詰めているのか? 古典的男女観ともフェミニズムとも異なる視点の二人が、とかく男女の問題に世知辛い昨今の日本社会を喝破する!

感想・レビュー・書評

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  • 壇蜜さん、とてもきれいだけれど
    不思議な人だなぁくらいにしか思っていなかったのだが、、、彼女只者じゃないわ。
    肝の座り方が半端じゃないし、
    金持ちの男を捕まえて、人の人生の尻馬に乗ろうだなんてセコイこと
    微塵も考えてないのだわね。。。
    その辺りが、TVで愛想を振りまくだけの可愛いお姉さんたちとちょっと違う雰囲気を醸し出している要因かもしれない。
    過去には死体から臓器を取り出すバイトまでしていたという彼女に
    太刀打ちできる男なんているんだろうか、、、
    対談集だけれど、壇蜜さんの話のインパクトが強すぎて
    林さんのお話が全く記憶に残らぬという事態が発生しました(笑)
    面白かった♪

  • #読了 2022.4.20

    2017年出版。林真理子さんと壇蜜さんの対談。
    LGBT、皇族、不倫、夫婦、死生観あたりの話が個人的には面白かった。犯罪犯さない限りなんでもありじゃん?って価値観のおふたりの会話は面白かった。特に不倫の話ってさ、叩く派と旦那と奥さんの問題なんだから外野がとやかく言う必要ない派に分かれると思うんだけど、もちろんおふたりは後者で。私も後者。でも後者ってそれ以上は公には言及しないじゃない?言及しだしたら方向性は違うにせよマインドが叩く派と同じになっちゃうってかんじで。それを今回はだいぶ言及していて、なかなかそっち派の人の意見って聞けないから面白かった。

    全体的に考え方は私もおふたりと同じだけど、私以上にもっと女としてのたくさんの経験や、私の知らない男女の在り方が当たり前にある環境いたおふたりだから通じ合ってる会話とかがあって、「ここの会話は言語としては理解できてるけど、私は本当の意味を分かってないだろうな」ってのがところどころあった。私もそれなりに経験はしたけど、華々しい世界にいるおふたりはやっぱり一般人では経験しえないこともたくさんあるんだろうなと思った。

    林真理子先生の旦那の話は、自分の旦那や自分の両親と重なるところがあり、めちゃくちゃ共感してしまったw
    林真理子先生…えらいなぁ。。

    壇蜜さんがこの対談の2年後に結婚されたので、その後に出されたエッセイも読んでみたいなと思った。

    ◆内容(BOOK データベースより)
    「ゲス不倫」叩きから、「熟年離婚」まで…。世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今や絶望的なまでに我々を追い詰めているのか?男女の機微を知り尽くした作家とタレントが、出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男と女を巡るあらゆる問題を徹底討論。しなやかでありながら、したたかでもある男女の「愉しみ方」を提言する。古典的男女観ともフェミニズムとも異なる視点の二人が、とかく男女に世知辛い日本社会を喝破する!

  • この本で、壇蜜姉さんがエンバーミングの仕事をしながら銀座ホステスをやっていたことを知りました。(出勤前に吉祥寺のマンガ喫茶でシャワーを浴びていたらしい)

    LGBTの話題では、姉さんはこんな発言をしています。

    「いろいろあると認めた先に自分はノーマルみたいな意識を持たざるを得ない時代になってしまいましたよね。その多様性を受け入れて寛容な態度をとることは誰にでもできるけど、じゃあ同性に迫られたときにどうするの、という話。そこで差別的にならずに振舞うのは、そう簡単なことではないと思います」(P97)

    同性に迫られて、NOと拒否することがLGBTの否定にとられるかもと心配させられるのも、なんかおかしな事態です。

    また、あとがきでは、この本のタイトルに絡めて、

    「この世には男と女しかいない、一昔前まではごく普通に用いられた言葉だった。ところが今はどうだろう。もし私がそんな言葉を発しようものなら、たちまちネットニュースで「アイツ、こんなことを言った」と報道され、コメント欄では「心と体の性が不一致の人だっているんですよ」とか「セクシャルマイノリティを差別する発言だ」とか言われ、取り消しと謝罪を求められるだろう。(中略)これからもひとりが抱える問題は深く多くなり、不寛容なムードは濃厚になり、一時の過ちを暴かれれば挽回できなくなり、社会的に抹殺されるような世間になるだろう。規制と監視に震えながら、ミスした他人の傷口をよってたかって広げる世界・・」(P186)

    芸能人であるがゆえに、仲間たちの失言や不倫に対する社会からの様々な仕打ちを目の当たりに見て、明日は我が身と身構えている様が伝わります。

    本書で、林先生は基本的に対談のトピックス選定と聞き役に徹しているのですが、レストランでまずい料理を出されたときとか素性を誤魔化しているとわかっている占い師と対面するときなどに、「これは自分に与えられた課題だ」と自分の内なる声に鼓舞されて果敢にチャレンジするという話(P104)は面白かった。

    次回あたりは、壇蜜姉さんとマツコとの辛口対談集を読んでみたいものです。

  • 林真理子さん壇蜜さんの男と女にまつわる対談集。作家としての林さんに目をつけられたらお終いだと思うのだが(作家の目で冷徹に観察された上本の材料とされる)受けて立ったのが壇蜜さんなのか。何に対してもそうだけど、人は引き出す人によってその印象は変わるもの。壇蜜さんをただのグラビアの人とみるか、その奥に潜んでいるものをみるか。壇蜜さんの場合はその奥に何かがあるとみる同性のファンも多そう。そして流石に林さんというか壇蜜さんの考え方から今までの生き方からを引き出している。彼女自身が書いたエッセイよりも彼女の考え方が分かった気がする。林さんの対談なので芸能界で起こる男女の事件が出てくるのはわかっていたけれど壇蜜さんもそのほとんどを知っていたのは意外だった(文中でサンジャポに出演とあったのでそれが理由のよう)各事件をとても冷静に庶民目線で理解されてた。事件に関して同じ芸能界にいる人にはなぜ分からないのか不思議だったけど友達関係やらそういったしがらみのある人には庶民のような意見は言えないだけなんだなと感じた。壇蜜さんは芸能界に友達がいないと発言されてたので言える事も多いのだろう。そして時として目を疑うようなグラビアを披露する裏には遺体を保全するエンバーミングに携わっていた過去があるようだ。人間なんて肉の塊。実際に内臓から何から何まで見てきた人間には薄皮を被った外側なんてという気持ちになるかもしれない。
    ふと発する言葉も魅力的なものがあった。例えば、女子校、男子校を「理不尽な箱庭」とか。長々と纏まりはない感想になったけれどとても面白くこの対談を読めた。

  • 壇蜜さんは元々好きだけれど改めて好きです。色気は知性というのを体現してると思う。
    林真理子さんもさらりとかわされていた……村山由佳さんのエピソードは知っていても、改めて見せつけられるとすごいな。村山先生の本は戀愛の心理描写面白いのあるし、あんなに穏やかな声で笑顔も素敵で、猫も可愛いのに、確かに「夜叉」飼われている。
    女の人は自分の中に夜叉を飼っている。いつも出しっぱなしだと嫌われてしまうし、引っ込めてばかりいると夜叉は死んでしまう。「ここぞ」という時に出した夜叉がすごい夜叉だと、同性からの支持率が高くなる……同性からの支持率は、パンピーには身の回りだけでいいけど、これはなんかうん、わかる、となりました。同性が男に依存してるの、芸能人でも身近な人でも「あ〜そうなんだ〜」みたいにちょっと残念な気持ちになるので。
    壇蜜さんのあとがき、世間はほんとにこれなのでびっくり。
    「流行りは流行りだけど、自分は…」と立ち止まって自分を見つめ、「明日は我が身」「自分がおかしくならないとは限らない」という言葉を時々取り出してやっていこうと思いました。

  • 林さんはなかなか、好きにはなれないけど
    壇蜜は面白かった

    お金持ちより中国語で数字を数える人が魅力的なのはすごくわかる
    死と向き合った人である壇蜜が魅力的に思える本だった

    この二人には関係はないけれど、本の中で秋元康が年に一回嫌いな人と会う機会を設けてなぜ自分がその人のことを嫌いなのか認識し、自分との共通点を探すという話があって、何かの参考になりそうだと思った

  • ◯降りかかる火の粉を払えば手を火傷するのと同じで、賢く返してもちょっと痛い思いはするんですけど、その火傷が癒えるまで待てばいいんじゃないかと。(102p)

    ◯日頃一人で過ごしていることの寂しさとか、自分は将来どうなるんだろうとか、そういうことを考えなくていい。その相手と会っている時だけは。(139p)

    ◯腐敗したご遺体と向き合っていても、作業をしているうちにおなかが空いてくると「よかった、今日も大丈夫だ」と思えました。(174p)

    ★壇蜜さんの知性や懐の深さがよく出てる。エンバーミングのお仕事の話は興味深かった。

    ★あとがきも秀逸。

  • あとがきの壇蜜の言葉がまた…。鋭く"今"を突いている。
    ところどころ同調できない部分もあるにせよ、面白く読めた。

  • 「女の人は、自分の中に「夜叉」を飼ってる。すごい合理主義の女性にも、それがある。・・・男の人には分からないかもしれないけど。野心みたいな単純なものでなく、ある目的のためには男なんかポイッと捨てちゃう。」というやり取りには薄らと思うところがあり、ヒヤリとした。また、合理主義ばかり追求するのではなく、1年に1度はハイリスク・ノーリターンのことをして、自分の器を大きくするという観点を得た。

  • 林真理子さんと壇蜜さんの対談集です。
    おふたりとも自分の芯をお持ちというか、考えがしっかりしていて読んでいて非常にためになりました。学ぶことが多かったです。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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