怪物 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 556
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450774

感想・レビュー・書評

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  • 最初は、定年を間近にした刑事の最後の事件、かと思っていたら。
    全然違った。ちょうど真ん中くらいのページで急展開が起き、ストーリーが180度変わってしまった。あのとき明らかに選択を間違った主人公に、でもどうしようもなく切ない哀愁の主人公に、がんばれ、と思ってしまう。残りのページが少なくなっても着地点が見えなくてハラハラドキドキした。あんなに慕ってくれる後輩に打ち明けたら良かったのに。結局怪物の仲間になって、初めて理解してもらえた匂い。やるせない。でも、憎めない3人が並んで歩く背中を思う。余韻がすごい、、。

  •  『怪物』原作は「読売テレビ開局55周年記念ドラマ」2013年6月27日に放送された。ドラマは観ていないけど、香西武雄役の佐藤浩市と真崎亮役の向井理はあってる気がする。こちらはドラマの方が面白いかもしれない。原作では真崎の恐ろしさが伝わらない。行為は恐ろしいんだけど、全体に迫力不足、怪物になる過程にもう少しページをさいてほしかった。

  • 水で何でも溶かしてしまうゴミ処理機。それに携わる若い技術者。心残りの事件を抱えた定年前の刑事。
     科学技術のことが詳しく書かれていて、堅めの作品かな…と思ったけど、私の感想はかなりのファンタジーです。真崎という完全なる悪、隙のない悪に、平凡な人々が引きずり込まれるファンタジーという印象。でも後味はあんまり悪く感じないし、純粋にストーリーを楽しめた。

  • 普通の刑事ものかと思いきや・・・

    予想外の展開。

    人を溶かして存在を消してしまう装置。
    本当にあったら恐ろしいことになるだろう。

    どんどんダークサイドに嵌っていく主人公が痛々しい。でもそれは彼の正義の心に基づいている.

    正義と悪の境界線が歪む感覚が味わえる。

  • ドラマは見れなかったけど、向井理はイメージに合う気がする。
    色々事件のつながりを想像しながら読み進めたけど、短絡思考の私は全然的外れだった^^;
    採るべき選択を間違えたのが・・・
    間違えなければ香西も理沙も、と思うとやるせない。。

  • 人間の『心』が死ぬと【怪物】になる。
    人間のまま生き、死にたいものです。

  • 死の匂いが嗅げる主人公、冒頭はハードボイルド。
    次第に定年を迎えた哀愁漂う刑事に変貌してしまう。
    当初のコンセプトが次第に崩れていってしまった感じ。
    しかし冒頭よりも中盤からが読みやすい。死の匂いが嗅げるという特殊能力とハードボイルド路線に無理があったか。
    とはいうものの、終盤もグタグタ感が…
    全体的なストーリ展開は意外性があり面白かったので、残念でした。

  • まいった。ストーリーの予測が全くつかなかった。読んでいて、話がどこに進んでいくのか、どきどきだった。終わってみると、なるほどという感じであるが、兎に角、どこに進んでいくのかわからず、不安さえ感じた。面白い話ではある。

  • 2.2

  • 定年を間近に控えた刑事、香西には“死”の匂いを嗅ぎとる不思議な能力があった。その力を手掛かりに不審な失踪事件を調べるうち、彼はゴミ処理施設で働く青年、真崎に辿り着く。「処理場で人間の身体くらい溶かせる」とこともなげに言う真崎。端正な顔立ちのこの男が事件の犯人なのか。二人の息詰まる攻防戦が幕を開ける―。正義と悪の概念が根底から覆される!著者渾身の長編ミステリー。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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