- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473421
感想・レビュー・書評
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触るのも憚られる、むしろ見ただけで悪寒が走る、そんな奇妙な男を、恐怖を堪えながら拾った少女と、その男が、共に過ごした時間の話(表題作)。あと他の短編も入ってる。
表題作くっそ泣いた。乙一作品の中で、に限らず、これまで読んだ本の中で今のところこれがダントツ首位。だってこれ表題作のラスト数行を思い出すだけでこみ上げて来るものがある。場合によってはそこだけで泣ける。設定とかマジ好みどストライクですし。読み終わってもう何年も経つけど好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
乙一作品を一通り読んでからここに戻ってくると、「荒さ」が目につく。
文章の一つ一つの言い回しであったり、伏線の貼り方のような技巧の部分であったり、キャラクター作りであったり、いろんな部分が荒削りな印象。
だって、これを書いた当時の乙一は、18歳くらいだもんなあ。
ここで物書きとして完璧に仕上がってたら困るよなあ。
なんて、変に納得したり安心したりしてしまった。
でも、目の付け所や切り口は光っていて、この頃の乙一はやっぱり「神童」であり「天才」だったと思う。どうやったら「トイレの落書き」からそんな話を思いつけるの。 -
最近の乙一作品ばかり読んでいたため、逆に新鮮。
表題作品よりも、他に収録されていた落書きの話が個人的には好き。 -
乙一さんの中ではあまりかな。でも残酷な部分は健在。小学校のときに読んだ虎になっちゃう話に近い気がした。
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「A MASKED BALL」と表題作を収録した、乙一さんの第二作品集。
前作『夏と花火と私の死体』のような、斬新さやインパクトがない為か、総じて評価は低いようですが、淡々とした語り口で綴られる不思議な世界観は、この作品集にも受け継がれていると思います。
特に表題作は文庫化の際に、構成や登場人物などかなり変更されていて、別作品と言っても過言ではないような、そんな印象を受けました。
乙一さんが好きな方なら、読み比べてみるのも面白いのではないでしょうか。 -
ブックリストに入れたら、再読したくなって図書館ではなく、ちゃんと購入して読み返した。やっぱり乙一は良い。やっぱりA MASKED BALL、キモこわかった。やっぱり乙一の本は図書館ではなく買うことにした。シリアスな場面や恐怖の場面でちょっと間抜け感、一歩引いた感がクスっとなると同時にゾッとする…どっちやねん…説明するのが難しいけど、そこが乙一作品の面白いところ。
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中学の頃学校の図書館で天帝妖狐の中に入っているA MASKED BALLを読んだ。その頃は何も思わなかったが、4年経っても心の片隅に残っておりまた読みたいと思い勢いで購入した。
元々ホラーは苦手だが乙一さんは他とは何か違うホラーを描かれるのでついページを捲ってしまう。
どこか冷たさを覚え、余韻が残る話だった。
何よりも“乙一”を感じさせる一冊である。
過去にも後にも私の中でこれを超えるものはないだろう。 -
問題なし
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1 A MASKED BALL-及びトイレのタバコさんの出現と消失-
2 天帝妖狐
数年ぶりに天帝妖狐を読みたくなり。
すごく長い物語のように思ってたけど、よく見てみたらページ数そんなになかった。そう思うぐらい果てしなく暗い、孤独の闇。
永遠に独りで生きていかなければならないことの残酷さが苦しいほど伝わってくる。そんな絶望的な状況でもやっぱり救ってくれる人がいると教えてくれる物語。
2022/09/24