天帝妖狐 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473421

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  • 異形のものである「夜木」と、孤独感を抱える少女「杏子」の、切なくて哀しい物語。己の禍々しさゆえに人との関わりを避けて暮らしていた夜木であったが、杏子の純朴な優しさに触れ、少しずつ心を開いていく。イギリス・アメリカ合作映画『エレファント・マン』のケンドロール夫人とジョゼフ・メリック青年を思い出す。

  • 2019.05.02 読了。

    天才作家、乙一先生の二作目。

    『A MASKED BALL』、トイレの落書きから始まるホラー。
    途中までは面白いんだけど、展開が貴志祐介的な感じになったのは微妙かも。良くも悪くもまぁエンタメだなって感じ。

    表題作『天帝妖狐』はとにかくすごい。
    どうやったらこんな話を思いつけるのか。どうすればこんなに惹きつける話が書けるのか。天才。

  • 厨二のころこのかっこいい4文字のタイトルでジャケ買いして世界観にどハマりして、その後の夜木さんのこと思うと苦しくてもんもんとして、やり場のない気持ちから乙一さんの本あるだけ片っ端から読みまくりました。

  • 同タイトルの『天帝妖狐』と『A MASKED BALL』の2本の短編集。
    『A MASKED BALL』。トイレの壁を使った掲示板のやり取り。発想は面白いんだが『他人とニアミスくらいはないのか?』とか小さなことが気になってしまう。この著者にありがちな設定の強引さが感じられる。車を破壊したら先ずその行為中に誰か気付くだろう。著者だけが目を閉じることで『誰も気付かない盲点』を作り出そうとしているようで・・・なんだかなぁ。
    『天帝妖狐』。これは意図して読者に委ねたのか最後まではっきりとした正体が見えなかったことが良い。乙一作品は著者が最後まで種明かしするものも、読者に委ねるものも両方ともに中途半端感がある。この作品は後者だと思うが、これまでのものより中途半端感が薄らいだような気がする。いや、やはり足りないのだが、足りない部品を省くことで意外と良い形になった。偶然の産物??

  • 子供の頃流行った遊び別名でキューピット様。
    実際に怖い思いをしてやめました。
    今でも思い込みに依るものか、別世界の事なのか?
    不思議な思いが残っています。

  • A MASKED BALLも好きな感じのミステリー?ホラー?だったけど(トイレの落書きの連続から始まるお話、そしてラストのスッキリするどころかゾッとする感じがとてもよかった)
    いや、いや〜〜〜〜
    天帝妖狐、読み終わった今大号泣し過ぎてまだ立ち直れてないからね?ほんとに、フルバのキョンくんの封印が解けてしまった姿と一瞬だけ重なったけど、夜木の醜い姿も隠された凶暴さも孤独も不安も悲しみも、そしてその救われなさ、比べ物にならないな??比べるのがおかしいんだけども
    ただの純朴な少年であったろうに、私は早苗に恨み言しか持てない、早苗も寂しかった?だから夜木を引きずり込んだの?でもそれって酷すぎるよ〜〜〜、これから何百年何千年も、誰にも何にも愛される事のない姿をひた隠しながらひとりぼっちで生きてくの?かわいそうすぎない??
    と、そんな風に私の心も涙腺もブンブン揺さぶって行きました。

    久々に読んだ乙一さん、完璧です。

  • ★2009年1月12日 3冊目読了『天帝妖狐』乙一著 評価B+
    久しぶりの乙一作品。これは俗に言う黒乙一に属する作品。如何にも乙一らしい独特の世界を展開しつつ、ちょっと鳥肌の立つようなおどろおどろしい場面も、人の心の暗黒の一面を表現しているそんな気がする作品。
    A MASKED BALL:学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖 犯人は意外な人物
    天帝妖狐:幼年時にこっくりさんに我が身を引き渡して、永遠の命を手に入れてしまった男のつかの間の幸せとそのすぐ後に訪れる悲劇と更に続く地獄。彼を支えるただ一つの輝かしい思い出。

  • 乙一さん2冊目。夏と花火と私の死体を読んだときも感じたけど、あとがきの人が豪華よね?(その人の本読んだことなくて詳しくないけど)
    まだまだ乙一さんを読み進める予定ですが、長編はあまり書かない方なのかな?これから読む本も楽しみです。

  • マスクドボールがものすごく好き
    天帝妖狐の評価じゃなくてすまん。

    トイレの落書きから始まるミステリー

    日常に絡めたミステリーと
    トイレのタイルを掲示板がわりにつかう感じが好き。
    学校という狭い中で繰り広げるキサラギ感がなお良い。

  • 旅の途中で知人に紹介されて一気にハマった乙一。今回は表題プラス1の短編集。携帯全盛期のこの時代にトイレの落書きを主にしたサスペンスとコックリさんで人ならざるものへと変貌を遂げることになってしまった主人公の話。一気に読みたくなる一冊です。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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