孤舟

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713534

感想・レビュー・書評

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  • 仕事という生き方から自分の生き方に直面する苦しさ。

    想像やあこがれへの自分勝手さに気づけない、いや、これまでの仕事という限定された条件や関わりの上での生き方の頼りない生命力を思い知る。

    会社という枠組の中の平等を稼ぎという対価で受け入れている社会とは、ヒトひとりという個性に対しては全体にフラットで不平等である。
    つまり、同じではなく、個人は不平等であって公正なのである。

    自分らしさというあり方に由るチカラ、言い換えると、ともに生きる他人とそれぞれの自由を尊重しあうことができるか?

    退職というときをどういう自分で迎えるのか?

    それは、通過点であるが宿命であり、
    宿命であるからしょうがないというのではやばい!

    その先の人生が続くのであり、
    その先の人生に自分というヒトが何なのか?
    それが今ここでも実在していなければならないのである。

    死という宿命とは違う、生きる宿命の切実さを知る一冊。

  • 誰かのレビューにありましたが、藤原和博さんの『坂の上の坂』の中に紹介されていたので、読みました。テーマの割には読みやすく、久しぶりに一気に読みました。

    定年後の悲哀を感じている男の毎日が書かれています。内容的にはまあまあかな?

    自分に置き換えて、じゃあ、どうするかを考えるなら、『坂の上の坂』を読んだ方がいいです。単なる読み物として、まあまあ楽しめました。

  • 暗くなるので途中でやめ。
    執筆にあたっては、定年退職した方々の実情を確認したと聞いていたので、とても暗くなってしまいました。

  • 人生を考える。離職したら余生をどう過ごすか

  • 私の父が定年退職した頃によく似ていた。とてもリアルで笑えた。

  • 定年退職後の夫婦(家族)とはこんなものか・・・

  • あっという間によんだ。こういう男の人って多いのかなぁ。なんかかなしいけど、日本っぽい気もした。

  • 退職後の男の描写が秀逸

  • 父が読んだと言って本を受け取って読み始めたが、家庭をおきざりにして仕事一本で走ってきたリタイアした男の人生の物語。内容もだが、文章の表現、表される言葉使いなどもなじめず、全て読みきれなかった。

  • なぜか読みたい本のリストに入れててやっと読みました。
    失楽園を書いた人がなぜこのテーマ?と思ったけど、そっか年をとり自然な流れ?
    途中まではあまりに日常的で主人公の身勝手さ、そして日本の家族の姿を想像しながら重ね、すいすい読めましたが、途中からちょっと思ってもみない展開になりすっかり読む気が萎えてしまいました。
    読み終えた感想はきっと日本の家族の姿というか、外国のカップルだったらありえないなぁと。
    結婚という法的な関係でも、これほど心の通い合えない”間柄”を本当の大人のカップルといえるのかなと残念でした。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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