青の時代 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1893
感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050201

感想・レビュー・書評

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  • ハッとする表現や言い回しはいつものことで感心する。主人公をシニックに描写しているが警句が多く説教臭く感じて白けてしまった。薄いから読み通せたが分厚かったら挫折していたと思う。

  •  誠が自分から事業を始めてしまったあたりは、倫理観のせいかなかなか集中して読めなかった。最初から悪役な作品であれば気にせず読めるのに、普通の人がこうして変化する瞬間を見るのはこうもしんどくなるものなのか、と思った。
     それでいて、易の取り立て辺りは大変楽しく読んでしまい、私には誠さんをにらみつけたお母様の気持ちがとてもよくわかる気がします。くやしい。

     読み終えて思い返したときに入り組んだ全体が見えてくる、三島由紀夫の小説だなと感じた。誠と愛宕の対比など、好きです。

  • 三島らしい表現が所々に見られるものの、話の内容は大して面白くもなく、深くもない作品。
    話がどこへ向うのが漠然としたまま、進んでゆき、結局終ってしまった…という読後感でした。

  • 主人公に対する辛辣な皮肉が、
    全編にちりばめられています。
    読みやすくて、
    飽きの来ない方です。

    途中で話が変わる云々に加え、
    ラストがどうも、いやな感じで、
    読後感は非常に悪かったです。

    娯楽として楽しんで読むのは良いですが、
    ラストで、「これまでの話は何だったんだ!?」
    と、いやな思いをする羽目になるかもしれません。

    とまれ、ストーリーに、三島らしからず、
    腑に落ちない点があります。
    それが、実在の主人公の人生そのものなのかもしれませんが・・・

  • (1981.10.08読了)(1981.09.06購入)
    内容紹介
    地方の名家に生れた川崎誠は、父への反感を胸に徹底した合理主義者として一高、東大へと進むが、ある日大金を詐欺で失った事から今度は自分で金融会社を設立する。それはうまく行くかに思われたが……。戦後世間を賑わした光クラブ社長の自殺に至る波瀾にみちた短い生涯を素材にして、激しい自己反省癖と自意識過剰の異様で孤独な青春を描いて作者独自のシニシズムに溢れる長編。

    ☆三島由紀夫さんの本(既読)
    「仮面の告白」三島由紀夫著、新潮文庫、1950.06.25
    「愛の渇き」三島由紀夫著、新潮文庫、1952.03.31
    「潮騒」三島由紀夫著、新潮文庫、1955.12.25
    「金閣寺」三島由紀夫著、新潮文庫、1960.09.15
    「癩王のテラス」三島由紀夫著、中公文庫、1975.08.10

  • 「光クラブ事件」を題材にした作品。
    主人公の屈折はしているが、ある意味では純粋な人物像がいかにも三島由紀夫作品の主人公らしく、様々な思考の流れが魅力的な物語だった。実際の事件では社長は自殺しているが、物語の中では主人公は自殺せず、自殺を匂わすだけで終わっていて、この終わり方は好きだった。ただ、全体的に物語を見ると、少し魅力に欠ける部分あり。三島由紀夫本人も失敗作と言っているらしい。

  • 独善的で他人を信じないエリート主人公、川崎誠。
    なんともヘンテコな物語でした。

  • トピックス追った小説にも関わらず、主人公の財産を失うときの描写が格好いい。

  • 誠のことはよくわかったけど最後おたぎやてることああなる直前の気持ちがよくわからなかった。

  • 実際にあった事件を題材にしているらしい。時代背景が今とは全く違うので、モノクロ映画を見ているような感覚。東大出のエリートが今でいうところの起業をし、金もうけに走る。事業の急拡大から破綻にむかう。社会を軽蔑し自らも軽蔑し自己破壊していく。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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