イノセント・デイズ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 11061
感想 : 1050
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206912

作品紹介・あらすじ

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪により、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人など彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がるマスコミ報道の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士は再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公にとって、ハッピーエンドだったのかな?

  • 文章は読みやすく、内容や構成も分かりやすいもので、さくさく読めて読み疲れにくいものでした。
    評価では内容は個人的に可も不可もなく、鬱系の表現はただ胸糞悪い感じで、最後の結末も幼なじみが弁護士になった時に、予想できてしまってたので、感動系での鬱もなく読み終えてしまいました。そして、作品の所々に書き込みが足りてないと思い、星2の評価にしました。

  • 古美門弁護士間に合わず!悔やまれるぜ

  • カプセルコーポレーションが作った宇宙船の重力装置の中かと錯覚しそうになる。

    一年前に読んだはずだけど、ブクログに残してなかった事とある事情があって再読したんだけど、これは再読して本当に良かったしまた号泣した。

    所詮当人の因果なんてものを他人が見るときには一部だけ切り取って演繹的に判断するんだからそこに乖離は生まれるし、それを本人がもっと私に興味持って私の事を調べて!とか…おこがましく言えた所で他人がその人にそこまで興味持たないからその乖離はずっと埋まることがない。
    けどそれを「しょうがない」と一刀両断することでモヤモヤがまた生まれるみたいな悪循環。
    よく「ずるい言葉」として挙げられる、親が子に、上司が部下に「お前のためを思って言ってるんだ」って言われた時みたいな、どうしようもないし、どう表現したら、どう反論したら良いのか分からないモヤっとした感情を終始漂わせてる物語でした。

    物語自体はわかりやすく感情移入しやすい文体です。

  • 何を考えているのかよくわからない悪人が多数出現し、人間味も感じられず、ただ用意された嫌な展開をなぞっているような印象だった。
    本人に生きる気力がないならそうなるしかないだろうという妥当なラストだと感じた。
    彼女は読者目線では決して幸せではなかったが、関わった人の人生を直接的にも間接的にも救ったと思う。彼女は様々な人にとって必要な存在だったけど、当の本人はそれを知らずに死んでいってやるせない。実在しない聖母という感じ。

  • 何気なく読んだ本でしたが、世界観に一気に引き込まれてしまいました。死を望んでいた幸乃にとって、死刑は救済だったのでしょうか…多くの人が語る彼女の過去を見ると、誰に見捨てられても見捨てられても生にしがみつく、そういった生き方はかなり痛みを伴うものだったのだと感じます。誰にでも無垢で気優しかった彼女の人生は、翔や慎一の存在によって最期は救われ生涯に幕を下ろした、そういう結末を願いたいです。

  • 1章読み終えるごとに章のタイトルになっている判決文を見返し、頭に入れながらもう一度読み直したくなる

  • いじめとかの描写が多くて重い。生まれて初めて生きようとする、死ぬために生きようとする姿、が深すぎ

  • 同じ作者の「八月の母」がよかったので、読んでみた。
    後半はちょっと「ダルさ」があったかな。最後の方は、幸乃が助かるのかどうかが気になり、一気に読むことができたが。

    悪い作品ではないが、「八月の母」ほどのインパクトはない。
    良い本を読むと人に薦めたくなるが、この本はそういう気にならない。
    星3つに近い4つ。

  • 面白かったと書いていいのかよくわからない。
    でも、この作者のほかの本もぜひ読んでみたいと思った。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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