つめたいよるに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 1166
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339139

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    友人から推薦されて読んでみました。江國香織さんの小説は初めてでした。シュールな内容の短編小説がずらり。
    最も気に入ったのは、「デューク」です。現実にはありえない形で、人間と犬の愛が示されてるのも、小説ならではのこと。

  • つめたいよるに:
    デューク *** / 夏の少し前 * / 僕はジャングルに住みたい * / 桃子 * / 草之丞の話 *** / 鬼ばばあ / 夜の子どもたち / いつか、ずっと昔 ** / スイート・ラバーズ ***

    温かなお皿:
    朱塗りの三段重 / ラプンツェルたち / 子供たちの晩餐 / 晴れた空の下で ** / さくらんぼパイ * / 藤島さんの来る日 / 緑色のギンガムクロス / 南ケ原団地A号棟 ** / ねぎを刻む *** / コスモスの咲く庭 / 冬の日、防衛庁にて ** / とくべつな早朝 **

  • 前から読みたいと思っていた、江國香織のショートショート21編。
    小さい男の子が主人公の話も多く、いつも読んでいる江國香織とは違った感じで新鮮だった。
    大人の男性が主人公の話を読んだ事もあるけど、男子大学生目線の話もあったし。
    書き方とか今の感じと違う部分もあり、初期っぽかった。

  • 21の短編集。ひとつひとつ映画を見ているような感覚で余韻に浸りたくなる作品。そのせいか読み終わるのに時間がかかってしまった。
    この短さで読者をこんなにも惹きつけられるのはすごいと思う。

  • 2016/02/22

  • 2016/1/21

  • 2011/3

  • 寝る前に少しずつ読むのがおすすめ◎

  • 「夏の少し前」
    「夜の子供たち」
    「草之氶の話」
    「鬼ばばあ」
    「いつか、ずっと昔」
    「スイート・ラバーズ」
    「子供たちの晩餐」
    「さくらんぼパイ」
    「南ヶ原団地A号棟」
    「コスモスの咲く庭」
    「とくべつな早朝」
    が、印象に残った

  • なんどもなんども読んでるけど、ふいに読みたくなって、また読む。

  • 今読んでる途中。
    後少しで読み終わるけど、どれだけ読み進めても驚くほど何とも思えない。
    おもしろいとか、つまらないとか、良い!好き!嫌い…どの感情も当てはまらない。
    久しぶりにこんなに無感情になる本に出会った。
    この作家さんとはあんまり波長が合わないのかなぁ…

  • 1作1作が本当に短めの短編集。
    江國香織さんはエッセイに続き2冊目でしたが、ガラスケースの中の世界を見ているようというか、こちらがケースの内側なのか。この世界のはずなのにどこか世界が違うような印象を受けます。
    本を貸してくれた人にそれを言ったら「そう、セルロイド。人間じゃないみたい」という感想が返ってきました。そして「そう、何か間違って地球にいるみたいな」と返す私。
    …二人とも作品への否定ではなく、単に作風から受ける印象で。

  • 江国さんの本で一番好きな本です。
    この本は様々な人の内容で書かれた短編集です。
    文体や表現力が素晴らしく、主人公の思いが素直に伝わってきます。
    幻想的なイメージがとても良く、何度読んでも飽きないと思いますし、人とのふれあいやきずなの大切さを実感できます。

  • どのお話も、季節がいいなぁと思った。クリスマス、桜の咲く季節、夏の始まる前、夏が終わった9月。
    真夏のような、今現在何かバリバリやってます!!って感じの季節じゃなくて、
    何かが終わって始まりそうな感覚が本全体から感じ取れた。

    特に「デューク」を読んだ後は、「ワタシの人生であなたはとても必要なんやで!」って大切な人やモノに伝えたくなる。必要とされたいっ愛されたいて思う前に、それを自分から伝えるのは大事やし、その感覚をもっと味わおうと思わされた。どんなに好きなものも、ずっと一緒には居れない。伝える手段を持たなかった犬のデューク、伝わったとワタシは思う。

  • 私には物足りなかったし、いまいちだった。

  • この頃の江國香織のお話が好きだった。ふんわり不確かで、この表紙みたいに、優しい色がついてて、ひとつひとつ大事に大事に読んでました。
    こないだ読んだのは江國さんが変わったのか私が変わったのかわからないけど、けっこう残念だった。
    わたしはねぎを刻むの、上手です。

  • 「訊きたいことがあれば、訊いてくれていいのよ」
    食後のオレンジをむきながら私は言った。突然婚約破棄をしたのだ。何も訊かれない方が不自然ではないか。私は、気を使われるというのが好きじゃない。
    「訊きたいこと?」
    姉は小さな頭を不思議そうに傾ける。
    「そうねえ」
    しばらく考えている風だったが、やがて姉は私の顔を見てにっこり笑った。
    「その人、靴のサイズはいくつだった」
    「25よ」
    あのときの姉のうれしそうな顔。勝った、と言って、姉はグラスのレモネードをのみほした。
    「私の元の恋人はね、26.5センチだったもの」

    『緑色のギンガムクロス』

  • ただただ好きという肯定的な気持ちを素直にかつくどくなく表現している短編集だと思います。

  • 手元にある本はもうボロボロ。
    何度読み返したかわからない。
    有名な「デューク」はもちろん、他の短編も皆、心臓の根元をそっと握られるような、切なさと優しさに満ちている。
    特に老人の描き方に愛情が込められていて、泣かずにはいられない。
    大切な一冊。

  • 2014.1.12 読了
    仕事終わりの つめたいよるに 読みました。鬼ばばあとスイートラバーズで涙うるうるになってしまった。江國さんの書き方っておもしろいなあ。特にひらがな。漢字でかけばいいのにあえてひらがなで表記するところがよいと思う。
    鬼ばばあは小学生が養老院のおばあちゃんに会いに行く話。スイートラバーズはおじいちゃんが亡くなる話。読み終わって次の物語のタイトルを捲るときにふって涙がでてきて次に進めなくなってしまう。こう後から思い出して涙になるっていうケイケンは初めてだったからとっても新鮮な気持ちで読めたーー!
    何タイトルかは、内容を理解するまで2.3回読まなきゃわからないものもあったけどそれはわたしの想像力が、まだまだ足りないっていうことだと思うのでこれからも江國さんの本を読んで行きたいなって思った(^ν^)

  • オムニバス。
    ほっこりするような作品集。

    一番最初のはめっちゃ泣きました・・・。

  • こういう雰囲気の話は好み。短編で読みやすい。
    男性主観の話の方がしっくりくるあたり、著者の文章や話の作り方は上手いのだろうな、と思う。

  • 大原さやか朗読ラジオ 月の音色~radio for your pleasure tomorrow~ 第17回 2014年12月8日 配信 「デューク」
    ……。
    冒頭の、デュークのキスはとてもうまかったってところで引いちゃった。犬のキスって、べろべろべろーってやつでしょ?かわいいけどさ。犬は、家族にも親友にもなってくれる。でも恋人にはならないんだよ…?って引きっぱなしだった。

    人間のデューク(仮)が、犬のデュークと同じキスをしたってことは…初対面の少年とディープキス?
    愛犬が死んで、バイトを休んだってところまでは、まあわかる。正社員ならどうかと思うけど、学生バイトならわからないこともない。

    死んだ愛犬の面影を感じる初対面の少年と、一日デートして、別れ際にディープキスしてさよならしました。初対面の人と!?そしてペットロスを乗り越えました。これっていい話なのか?どこが泣き所?死んだ犬の身体が冷たくなっていくところ?もっとまじめに泣かせに来い。

    それに、プーリー種って、あれ動くモップだぞ。ジェームズ・ディーンに似ているモップって何?モップはどんなにイケメンにしたってモップだろう。ジェームズ・ディーンをどうしたらモップになるんだよ!

    小説は自分では体験できないことを体験させてくれる装置だとしても、あまりにも共感できなくて、せっかくの美しい朗読なのに残念だった。

    真冬の朝からプールへ行って、アイスを食べ歩きって、完全に風邪を引きに行ってる。

    これが、教科書に載ったの?センター試験の問題にもなったの?誰が選んだの?どうして選んだの?謎すぎる。

    「走れメロス」も、どうして教科書に載っているのか、よくわからないつっこみどころ満載の短編だけど、文体が美しい分この話よりはいいわ。それに、「走れメロス」は、読む人の経験や状況によって読み取れるイメージが変わるという名作の条件を一応満たしてはいる。

    この話からは、いかがわしさしか感じない。
    「私」が少年をデュークだと妄想したように、少年も「私」を、少年の大切だった別の存在だと妄想していたのでは?猫だったら笑えるけど、まあ、たぶん人間だろうな。この少年の女性の扱いに慣れた雰囲気、いやだわ。近づきたくない。

    「エデンの東」でも借りに行こうかな。

    二十代の内に、ツルハシブックスさんへ行ってみたいな。新潟かぁ。…新潟ね。

  • 江國氏の作品は、「きらきらひかる」と「情熱と冷静の間」を読んだことがあり、3作品目。
    5ページ程度の超短編からなる、小説集。一番好きだったのは、「冬の日、防衛庁にて」と「藤島さんの来る日」だった。「冬の日~」は不倫をしている女性が、本妻と会う話。「藤島さん~」も不倫の話だったが、ドロドロしていなくて、どこか冷めていて良い。
    不思議な話もあり、現実的な話もあり、読書自体が嫌いな人にも気軽に読めるだろう。

  • 2014.10.25

  • 大好きな、大好きな、短編集です。
    しずかな音楽を聞いているような感じがするので、夜に眠れないときや、泣きたいときに読みます。

  • 「デューク」と「桃子」読みたさに。

  • 再読。柔らかい気持ちになるお話たち。ちゃんと心が平和に凪いでいく文章。やっぱり「ねぎを刻む」は大好き。「デューク」「夜の子どもたち」「ラプンツェルたち」も、と数えていったら全部になってしまいそう。「あーなんかわからんけどもーだめやだやだ」なんて時の休憩に読みたい!

  • 小さなきらきらしたビーズみたいな。
    やさしくて、透き通ってて、懐かしくて、切なくて、どこか不思議な。
    そんな話がたくさん入った短編集でした。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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