十五少年漂流記 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102044018

感想・レビュー・書評

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  • 15人の少年があるきっかけで無人島に漂流してしまうが、とても思考力、行動力、決断力大人顔負けで長い間の漂流生活を過ごしてしまうという、現実にはなかなか遭遇しないアドベンチャー感満載の作品。読んでいくうちに、ジャンプで掲載されている「約束のネバーランド」ととても要素が似ているなと思いました。きっとこの作品は本書が少なからず参考になっているに違いないと思いました。初めはなんとかいきていかねばならないと苦戦しながらも、落ち着いていしまうと、そこの15人のなかにはあらたな文化が形成されて中で対立や葛藤がありながらも生き抜いていくところ、「転」にはそんな彼らを脅かす見知らぬ大人たちの出現、しかし15人の少年の尽力によって大人の内数人はやがて協力しあうことに、ここら辺のところがとても似ているなと思いました。

    このような大人から見ればまだまだ小さい子供たちが自分達の思想を抱えて創造性を富みわれわれが思いもしないような展開、とてもドキドキしてよみすすめることができました。

    きっとこれを小学生や中学生が読み切ることによってこの子たちは更なる創造性を育み、今抱いている夢に向かって一心に突き進んでいけそうだなと思い、是非とも子どもたちには読んでほしいです。また、おとなが読むことによって今まで忘れかけていた夢への探求心を再び想起し、刺激的な一冊になることだろうと思います。

  • 15人の少年が短期間の船の旅をしようとする。出航前にブリアンの弟はいたずらで友綱を解いてしまい、船は漂流することになる。ある無人島にたどり着くが船は壊れ少年たちは洞穴を探しあてそこに船の積み荷を運び、通りかかる船を見つけるまで生活する。大きな子たちは小さな子達を守り、大統領を決めて小さな民主主義の世界を作り出す。それは現代の一国の縮図であった。以前は元気だったが、自分のしたことに沈み込んでいたブリアンの弟ジャックは罪滅ぼしのため、危険なことを進んでひき受けようとする。子供たちの知恵と勇気に感動する。仲たがいをしたドノバンがジャガーに襲われるところを自分の身を呈して守るブリアンにドノバンは心を開き、今度はブリアンが漂流者に襲われているところをドノバンが守りけがをする。この場面、涙が流れた。最後は漂流者の二人に助けられ無事にニュージーランドに戻ることができるるとという、感動的なストーリーだった。

  • ジュール・ヴェルヌは数々の名作を生んでいるが、個人的な所感として、子供の頃に読んだ同系統の話の中では一番没入しやすい冒険譚だった。自分が同じ程の年代になった頃にはあまり読まなくなったが、この少年達の過ごす二年間の風景は確かに心に残っているように思う。

  • 少年時代に何度も繰り返して読んだ小説です。
    今更読み返すべきかどうか悩みながらも、古本屋で見かける度に気になって居ました。
    さすがにあの頃の、なんと言えばいいんでしょうか、ワクワクとした盛り上がりは感じられませんでした。しかし、懸念していたような失望もありませんでした。
    何せ、1888年の作品です。初訳が明治29年、第2次大戦の頃には原本が判らなくなっていたというほど古い作品です。少年時代に読んだときからシチュエーションの古さはありました。それが未だに出版され続けていること自身が、古さを越える何かを持つ「名作」の証だと思います。
    もちろん忘れていた内容も多いのですが、読むにつれ思い出すシーンも存在し、あの頃の熱中度が偲ばれます。ただ、最後の悪人たちを殺すシーンは一寸意外でした。少年物として変えてあったのでしょうか?それとも読んでもショックを受けなかったのか?

  • ヴェルヌ「十五少年漂流記」新潮文庫

    原題は「二カ年の休暇」。
    二ヶ月の休暇が二年の漂流に…

    小学生の頃、この本で読書感想文を書いた記憶があります。
    しかし、内容をまったく覚えていませんでした。

    本国フランスや、英米での評判はイマイチ(?)だったようです。
    あとがきによると、その理由は、ヴェルヌの文章は退屈するからだと書かれています。

    ー少年たちの生活は社会の縮図であるー

    と書かれた一方で、

    「なぜ、僕たちは子供なんだろう。大人でなければならない時に」

    と子どもたちは絶望している。

    しかし、登場する子どもたちは、子どもとは思えないほどに、思慮深く、献身的であり、勇気を携え、忍耐と不屈な精神を持ち合わせている。

    この本から引き出される教訓について、本編の最後で作者は次のように記している(教訓を教訓として明示するあたりが面白い)。

    ーなんであれ困難に直面した時に、勤勉、勇気、思慮、熱心の四つがあれば、少年たちでも、必ずそれに打ち勝つことができるということだ。ー

    いや、少年だからこそ打ち勝てるものがあって、それは勤勉、勇気、思慮、熱心があっても大人では打ち勝てないもののような気がする。

    果たして、十五青年漂流記だったとしたら、無事に生還できただろうか…

    最後に、黒人の少年モーコーに助演男優賞を贈りたい。
    そして、選挙権を与え、万年料理番と見張り番の役を解任してあげたい。

  • スペシャルカバーで購入。

  • 子供のころ好きだった本を読み直し。未開の地を探索し、自然の中で動植物を利用しながら生活していく様子が昔憧れた冒険そのもので楽しい!そして少年たちが優秀すぎる。

  • 子どもの時に読んだかな?あらためて読んだら歴史的背景が少し分かるようになったので人種の違いなど考え方が当時はそうだったのかということを感じることができた。また解説で日本の方が世界よりこの本がメジャーになっていることが面白かった。タイトルも違っていたら日本での人気も変わっていたかも?

  • 子供の頃読んだことあるけど、約35年ぶりくらいに読み返しました。翻訳がいいのかな?イベントが次から次へと起こって、その都度勇気ある少年たちが苦難を乗り越えていく物語。クライマックスも胸高鳴るし、清々しい気になるね。自分も少年に戻れました。

  • 娘の読書感想文で課題のひとつ。子供のころに読んで面白かった記憶があり約40年ぶりに再読。昔読んだのは子供向けの簡易バージョンだったかもしれないけど、今回は完訳版で。
    おもしろかったです。ただ、翻訳本特有の表現というか、回りくどいというか、日本語としてやや不自然になるので、そこの読みにくさはあったかな。娘よ、読み切れるかな。

    15人も男の子たちが出てくるので、最初は誰が誰だかなかなかわからないけど、読み進めていくとそれぞれのキャラや個性があっておもしろい。創意工夫をして困難を乗り越えていく様はワクワクしちゃいます。少年国を打ち立てるってのがまたね!
    それにしても少年たちのサバイバル能力が半端ない。最年長っていっても14,15歳だよ?獲物を狩りしてさばいて食べるなんて今の子は絶対にできないわ。最後の悪党との闘いもすごいです。つっこみどころは満載だけどあっぱれ。
    キャラ的にはいつなんどきも冷静なゴードンがキーマン。ブリアンも素晴らしいリーダーシップだし、黒人水夫のモコもいい仕事するのよねぇ。

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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