- Amazon.co.jp ・本 (677ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102060131
感想・レビュー・書評
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ナポレオンのロシア侵攻によって引き起こされた世界史の大きな流れと、
ロシア貴族の家庭(主に三家若しくは四家)の出来事を2つの軸とした壮大な物語
こちらは以前読んだ「20の古典で読み解く世界史」で
トルストイ曰く「歴史を動かすのは英雄でもなく傑物でもなく名もなき民衆それぞれの生活なのだ」というこの一文に心惹かれ
これは死ぬまでに絶対読まなくては!と意気込んだのだ
が…
予想はしていたものの、読み始めは辛くちっとも進まない…
相変わらずの長ったらしい「ロシア名+〇〇侯爵、〇〇子爵、〇〇伯爵夫人…」
そんな彼らのサロンで繰り広げられる噂話もりだくさんの会話(はぁ…)
ブツブツ文句言いながら頑張って進めるうちに、あれよあれよとフランス軍のロシアへの侵略が始まる…
流れが出来ていたので読む辛さは半減したものの、今度は回りくどい言い回しが多く、何か嫌味を言っているんだろうけど理解できない…
さらにこちらの感受性が弱いのか、読解力が不足しているのか、あまり心に響いてこない…(涙)
文句はこれくらいにして、とにかく長いので気長に淡々と進めていこう思う(意地でも最後まで読むぞー!)
さて抑えておけばいい主要人物を主要貴族の四家とともにまとめつつ、(なんてったって登場人物500人以上ですからね!)
うーんとラフにまとめてみることに…
■ベズーホフ家
ロシア有数の富豪
伯爵がなかなかの女性好きのためあちこちに庶子が20人ほどいる
私生児:ピエール…主人公、伯爵が亡くなり莫大な財産を相続する
ピエールはねぇ、人は悪くないんだけど、眼鏡かけてちょっと太っていて…
うん、ダサい感じね
素直な感じはするけど不器用だね
社交界にも馴染めないし、悪友と悪ふざけするんだけど、どこにいても何をしても居心地が悪そう
自分がどうしたいのか、何がしたいのかまだよくわからないのかなぁ
そんなピエール 伯爵の死により、うっかり莫大な財産を相続(伯爵のお気に入りだったみたい)
そして成金貴族クラーギン親子がピエールを標的に(もちろん親子揃って財産目当て)
クラーギンの娘はかなりの美女だけどとっても性格が悪いし品もないわ!
だけど、世間知らずで優柔不断で流されやすいピエールは結婚することにしちゃうの
何か間違っている気はするものの運命にあがなえないのよ
どうなるピエール!?
■ボルコンスキー公爵家
前皇帝重臣だったが、田舎(禿山)に引きこもる
秩序正しい生活を送り、その厳しい態度のため、周囲の人々に恐れられている
長男:アンドレイ・ボルコンスキー…野心家、ナポレオンに憧れている
長女:マリヤ・ボルコンスカヤ…父を恐れながらも離れられないMっけたっぷり、禁欲的で信仰深い
ここの家は独特よ
厳格なお父様が禿山(って呼んでいる田舎)に引きこもってるんだけど
それはまぁ、毎日同じ決まったことを規律正しく繰り返す日課を娘にも強要しているの
娘はマリヤっていうんだけど、見た目がよろしくないみたい
そしていつもビクビク父の顔色を窺っていて、何が楽しくて生きてるの?っていタイプ
あ、今のところ信仰が彼女のすべてなのかなあ
そんな彼女に縁談が
そう、さっきも出てきたクラーギンよ!ここの狸親父は本当に政略結婚が大好き
こんな家だから、息子もお下品よ
この息子、なんとマリヤの家にいる同居侍女のフランス娘を誘惑するの
クソ過ぎて腹立たしいでしょ?
でもマリヤは凄いの
フランス娘と父親の気持ちを察して、結婚をきっぱりお断りするのよ
見直したわマリヤ!
そしてこちらの長男はエリートタイプのアンドレイ
彼はねぇ、知識も度胸もある野心家で、頭の回転が速い冷血漢といった感じかしら
時々性格の悪さが露出しちゃうの
妊娠している妻がいるんだけど、冷たくあしらってる
そしてナポレオンに憧れてる
これ不思議よね
敵国なのにね
でもアンドレイは戦争で負傷してしまうの
意識が朦朧とする中、なんとあのナポレオンに会うんだけど…
ここで大空を仰ぎながら大切なものを履き違えていることに気づくのよ
ナポレオンの陳腐さに目が覚めるの
どんな青年になっていくのか楽しみだわ
■ロストフ伯爵家
モスクワに屋敷を持つお人好しな貴族
裕福な生活を続けていたものの、贅沢な生活により、徐々に家庭の財政状況を傾かせる
長男:ニコライ・ロストフ…親しみやすい顔立ちの美男子、士官候補生
末娘:ナターシャ・ロストワ:天真爛漫な娘
もてなしを大事にし過ぎるのか、見栄っ張りなのか、羽振りがいいのか…
とにかくここはそんなお家柄よ
子どもたちも素直な良い子たちが多い印象ね
まずは長男のニコライね
彼はねぇ、いかにも坊ちゃまタイプ
まだ世間も酸いも甘いも知らない青二才くん
戦闘中の負傷も、見たこと聞いたこともちょっと盛っちゃう若気の至りに溢れた子ね
皇帝に会えた時に、異常にときめいてまるで恋する少女のよう
一応彼女がいるんだけど、今は女どころじゃない…って心のどっかで思ってる
あと末娘のナターシャね
この子光るのよ
特に見せ場があったわけじゃないけど、生き生きしてる、キラキラしてる
これからきっと中心人物に躍り出るわよ
覚えておかなきゃ
■クラーギン公爵家
地位と名誉のためなら何でもする成金貴族
次男:アナトール・クラーギン…社交会でさまざまな浮き名を流し、放蕩を繰り返している
娘:エレン・クラーギナ…美貌と堕落した内面を持ち合わせ、社交会のトップに君臨する
さっきから登場してるわね
地位と名誉を履き違えている成金タイプでねぇ、政略結婚を仕掛けまくるわけよ
まだ子供たちもそれを当たり前に思ってて計算高いったらありゃしないの
いかにも!とわかりやすいお家よ
さっき紹介したとおり、次男のアナトールは厳格なおうちのマリヤ
エレンは莫大な財産を相続したピエール
やーね
ここのお家
とざっとこんな感じ
この辺りを押さえておけばなんとなくストーリーについていける
ロシアの貴族たちが戦争に巻き込まれどうなっていくのか…
この段階で彼らは本当にゴシップ好きで見栄と権力とお金が大好きな強欲どもだ
コネをつくる根回しに翻弄し、財産を守り一族の保身を第一に考え、他人のことは使えるコマかどうかで判断
そんなことにうんざりする若者は戦争に行くことがなんだかカッコいいと勘違いしている
どうしようもない貴族どもだ
彼らがロシアの侵攻により何に気づき、どう変わるのか
恐らく2巻以降から盛り上がっていくのだろう(と大いに期待)
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ハイジさん
アテナイエさん
おはようございます♪
ひゃあ、すごいわ。すごいです、ハイジさんのレビュー。
主要人物のまとめなんて、とても面白...ハイジさん
アテナイエさん
おはようございます♪
ひゃあ、すごいわ。すごいです、ハイジさんのレビュー。
主要人物のまとめなんて、とても面白いです。おもわず笑ってしまいました。でも笑える物語じゃないですよねf(^_^)
死ぬまでに私も読んでみたいなと思いながらも、まだ手に取ることなく来てます。
ハイジさんとアテナイエさんの背中は遥か遠く。
いつかは追いつけるようになりたいです。
でもまずはハイジさんのレビューの続きが読めることを楽しみにしてます(←他人まかせ)。2022/10/07 -
アテナイエさん
再びありがとうございます
どうしてもひとこと私もコメントしたくて!
「ドストエフスキーのようにもう少しトルストイを愛せた...アテナイエさん
再びありがとうございます
どうしてもひとこと私もコメントしたくて!
「ドストエフスキーのようにもう少しトルストイを愛せたら…」
わかります わかります
ドストエフスキーって、なんか愛しちゃいますよね(笑)
気づいたらハマってましたもの
彼の独特の作品の個性に魅了されております
ロシア文豪ということでどうしても比較されがちで仕方ないですけど…
ではでは引き続きトルストイワールドへ行ってまいります
ナポレオンもどう描かれるか楽しみです!2022/10/07 -
地球っこさん こんにちは
コメントありがとうございます
そうですよね
一度は読んでみたいと読書家なら思う作品ですよね
正直1巻の前半は退...地球っこさん こんにちは
コメントありがとうございます
そうですよね
一度は読んでみたいと読書家なら思う作品ですよね
正直1巻の前半は退屈で退屈で…(笑)
今2巻に突入したのですが、一気にストーリーが一気に展開し始めました
なかなか人間味があって面白いです
地球っこさんは結構お好きなような気がします…
最後まで読んでみないとわかりませんが引き続きレビュー頑張りますね
2022/10/07
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ナポレオンがロシアに侵攻を始めた際、それを迎え撃ったロシア側の話。
華麗なロシアの社交界が、描かれ、そこで生きる人々と、それとは対照的に描かれる戦場の描写。
それらを通して、人間の業が浮き彫りになっていく。 -
主人公という主人公のいない、こんな長編を読むのは初めて。
登場人物の多さに苦戦しながらもなんとか一巻を読了。
財産を相続し、きれいなお嫁さんも手に入れたピエールと、自ら望んで戦争に行き、負傷して捕虜になったアンドレイの二人が今後どうなっていくのかが楽しみ。
アウステルリッツの戦いって世界史で習ったけど、その様子は想像しようもなかったので、今回読んでなんだかドキドキした。
そうか、これが「戦争」か。
では「平和」は?
次の巻には何が描かれるのだろう。 -
まだ出だしだからか、戦争部分より社交界の話の方が多かったにも関わらず、なかなか進まなくて・・・読み終われるか心配でした。今回は人間関係が少しわかったという感じで、次巻以降が気になります。
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いまいち人物把握もできていないのだが^p^華麗なる社交界と悲惨な戦争との世界観のギャップがすごい。なのに同じ次元だなんて。戦争の描写もすごくトルストイらしく人情味あふれる人物評や語りなのだが、それでも端的に描かれる事録的な描写の生々しいグロさに唖然とする。戦争は、やっぱりとても許せるものではない。ナポレオンという稀代の英雄にスポットを当てながら描く、この表現力だなあ。すごい。人物全然わかってないけどでも以降もゆっくり読んでいきたい。
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大学の時に全巻制覇しましたが、あまり記憶に残っていません。ただ、あの登場人物の多さに圧倒されました。あとがきの長いことも印象的です。歴史は有名人だけでなく、一人一人の思いと行動の積分だったかな?で動くみたいなことがメチャメッチャ伝わりました。
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2012.1.25
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冒頭から社交のはなしがだらだらとつづきます。さいしょに読んだときは、思わず飛ばしてやろうかとも…。ところがいまとなっては、こういったまどろっこしい時間の流れこそが作品の通奏なのだと諒解できます。
トルストイはあせらずに。。 -
ロシアとフランスとの戦争、ロシア貴族の恋とプライド・・・体験できないから想像しにくい世界だけど、人間の心の葛藤がすごくわかりやすく描かれていて楽しめました。