- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534044
作品紹介・あらすじ
猫が消えたことは、始まりに過ぎなかった。謎の女はその奇妙な暗い部屋から、僕に向かって電話をかけつづける。「私の名前を見つけてちょうだい」。加納クレタは耐えがたい痛みに満ちた人生から、無痛の薄明をくぐり抜け、新しい名前を持った自己へと向かう。名前、名前、名前。名づけられようのないものが名前を求め、名前のあるものが空白の中にこぼれ落ちていく。そして僕が不思議な井戸の底で見いだしたものは…。
感想・レビュー・書評
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[鹿大図書館学生選書ツアーコメント]
私が村上春樹さんに出会ったきっかけは大学図書館で借りたことであります。世界の村上春樹、と言われるほど世界的に人気な著者の本を読むことは日本人として誇るべきことだと考えます。多くの国で愛される村上春樹さんの本を大学図書館に置いて欲しいと思い、選書しました。
[鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN10565907詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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人気作家コーナー"," -
アストゥリアス皇太子賞文学部門 村上春樹受賞
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99424638 -
1994年5月20日 第三刷 再読
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続けて第3部も読むけど、リアルタイムではここでいったん区切りがついていたはずなので、現時点で思ってることをまとめておきたいと思う。モヤモヤが多いですが、第3部まで読んだら解決するのでしょうか。
*女性の強烈な性欲とか性的快感とか、一連のセックスがらみのあれこれは何を象徴しているつもりなのだろうか。そんで、僕とのセックスを通してクレタが生まれ変わった感じになったり、メイをして「あなたが私のために一生懸命何かと闘ってくれているんじゃないか」と言わしめたり、僕がやたらと力を持たされているかのようなのはなんでか。お母さんが小さい子を「ほら、あなたならできるよ!!」と励ますみたいなことか?これは自分が以前はなんとなく「僕」の側に立って読んでいたのが、今回クミコやクレタの側に立って読まずにいられなかったせいかもしれないんだけど、とりわけクレタの娼婦としての人生があたかも「…でしたとさ」というような寓話的語り口で回想されることには不満だし、気持ち悪く感じた。クミコやクレタが体の中に抱えるどろっとした塊とか苦しさって、顔の表面にできたあざどころじゃないでしょう?
第1部で晩御飯ゴミ箱に捨てた時にも思ったけど、クミコの堕胎の件についてこの人肝心なところがまったくわかっていないように思えるんだが、そういう「男ってわかってないなあ」ってレベルの話ではないはずだし、2部のラストで何かを探し求めようと決意してるけど、根本的にこの人だいじょうぶか?いろいろよくわからない。(いっぽうで、この人の悪い意味でのナイーブさがいまだに自分にもあることは否定できない)(第3部ですっきりさせてほしい)
*綿谷ノボル(が代表するもの)に対する憎悪や怒りがかなり凄くて、「下品な島の猿の話」とかちょっとこっちが引くほど怒ってて面白かった。「やれやれ」と言いながらアイロンかけてるだけの人、っていう勝手なイメージだけが記憶に残ってたから余計に。その思い込みについては謝りたい。
*辛島デイヴィッドさんの本に書いてあった、ルービンさんが章ごと省いたという15章、新宿伊勢丹の近くの路上で若いあんちゃんに突き飛ばされるところとか、僕の脆弱さ口ほどにもなさが端的にわかって、いい場面だと思ったけどな。でもたしかに続いてたテンションがふっと緩む章ではある。さらにルービンさんは第2部の最後の章もまるっと省いて、第3部の最初の方もいろいろ変えているらしく、興味深い。
*体の中からぬるっと何かが出てくる描写とか、上に書いた不満とはべつに、映像的にやっぱりすごいし楽しめてしまうんだよね。
*札幌で会った奇術師?を東京で追いかける場面は、オースターとかミルハウザーの幻影師のやつとか柴田元幸さんが訳しそうな世界で、スリルがあってよかった。
*細かいことだけど、最後の章で、クリーニング屋さんについて「この小さな世界では、何ひとつ変化というものはないのだ(P337)」「前衛もなく、後衛もない。進歩もなく、後退もない」とかって続くけど、クリーニング屋さんってお客さんの汚れた服預かって、汗だくになってアイロンかけて、そんな無味無臭のリズムのいい文章でさらっと表現できる仕事ではないと思うんだが、これはそこわかったうえで僕の(悪い意味での)ナイーブさをあらわすために書かれてるのか。まずはクリーニング屋でバイトするべきではないか(って、実は自分も昔人にそう勧められたことあるんだけど)
*ノモンハンのパートが生煮えだから、そこは第3部に期待したい。 -
感想は最後で。
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自分も井戸に入って、考え事してみたい。
メイとの会話、面白かった。
奥さんとの関係はどうなるのか? -
淡々と読めるが、他作品と感じが同じ気がした。
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2冊目の読書ノート 1993/9/5~2005/4/30に記載
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満州やロシアの複雑な話のところは読むのがちょっと面倒になった。
だんだん混乱してきた。
私だったらクレタ島行きたいな。逃げたい。 -
理不尽さや、性、暴力に井戸の底に張り付くほど転落させられた男の、これは恢復譚なのだろうとテーマがぼんやり見えてきた。主人公のあまりにも属性や性格のとらえどころがないことに一巻目までは戸惑っていたが、性や暴力のダメージの強さを際立たせるために、このスカスカの人物設定にせざるを得なかったように思う。何か所も回りくどく、同じような思考や幻想妄想明晰夢が頻出するため読みづらいところを含めて楽しい。さて、どうにでも持っていけるお膳立ては整っての最終巻へ!
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雰囲気小説。村上春樹の書いたエロ本(でも抜けない、濡れない)第2弾。
全然魅力的でない主人公がなぜこんなにもてる?
説得力がない。ご都合主義すぎ。
なぜ井戸にもぐる?
なぜよく知りもしない女とクレタ島へ行こうとする?(結局行かないが)
なぜ女子高生にもてる?
なぜ女子高生がタバコ吸うのをとがめない?アンモラルすぎてついていけない。
主人公は謎の女が妻だったと突如分かるが、そもそも最初に聞いたことのない声だったって言っているじゃん!じゃあ、聞いたことのある声だったんだよね?それとも妻の声が分からなかった?
ミステリー小説だったら大バッシングな謎解き部分もあり、腹が立ってしょうがなかった。
読みやすい文章なので、退屈な電車通勤の中で読むものとして惰性で読んでいるが、どんどんきつくなってきた。
一応第3巻も読むけど、これいろいろな伏線、ちゃんと回収するんでしょうね? -
【295】
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2巻メモ。
妻の失踪。加納クレタ、気になってるのか?
綿谷ノボル、やっぱりこんな奴。
井戸の底。
妻クミコとの出会い。水族館のクラゲ。妊娠、堕胎。
帰還。妻の手紙。隣に寝ていた加納クレタの話。クレタ島。
叔父の言葉。若い男。間宮中尉への手紙と返信。
宮脇さんの家の解体。笠原メイ。
プールの中で。
話の展開が凄くてどんどん読み進めた。あと1冊で解決するのか。 -
再読。
電話の主は最初からわかっていた。
再読だけどその点はすっぽり忘れてた。
でもわかった。 -
最終巻にまとめています。
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第1部は読み進めるのに時間がかかったけど、第2部は比較的すぐに読み終わった。けど意味はよく分からない。第3部はどうやって終わるのかが気になる。
http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188797 -
おもしろいじゃないか!ちょ〜おもしろいじゃんよ〜!
万華鏡を覗く様に、変化していく世界に目が離せなくなる。
私は村上春樹を『ノルウェーの森』で嫌いになり、『海辺のカフカ』で大好きになり、『ねじまき鳥クロニクル』で夢中になっている。
好き嫌いの激しい私をとりこにするなんて。
あっぱれ! -
突き落とされた感じ。
重い。思い。想い。…
ちょっと頭の整理が必要かな?
彼同様に…
もわもわしたまま第3章へ -
ねじまき鳥は村上作品の中でおそらく一番わくわくさせられた本
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2014年137冊目(再読)
猫に続いて妻も失踪した状況で、主人公は暗示的な井戸の底に降り、夢の中で壁を抜け、新しい世界の中で新しい自分で生きていくことの限界を感じる。
そして、逃げ続けても意味がないことを悟り、行動を起こし始める。
喪失に対する「取り返す覚悟」の力を読者にも分けてくれるような内容だった。
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2014年44冊目。(初読:2014年5月23日)
喪失したものに、人はどう立ち向かうのか。
続編の第三部は後から書き加えたらしいが、
この第二部でも十分終わることもできたと思う。
結末が分からずとも、逃げても追いかけてくるものと対峙するために必要な力のようなものは、
深いところで受けとれた気がする。
様々なとてもフィジカルな描写に触れると、
著者は本当に物語の中にいて、実際に五感で感じ取ったものを書いているのが分かる。
その域を僕自身も見てみたい。 -
まあまあ。
ノモンハンの話が面白い。 -
だんだん掴めてきた。井戸で物事を考えるっていいなあ。私もそういう本当に落ち着ける場所がほしいと思う。
感想はまとめて第三部で。 -
綿谷ノボルはわたしの対峙している世界そのもの。圧倒的に「正しく」て、強くて、反論や抵抗の余地がないように思えるものに対して、まさに孤軍奮闘といった風情の主人公を見ていると、ああ、と思う。自分を少しでもまともに保ち、自分の人生を生きるというのはほんとうにむずかしくてこわい。井戸に潜りたくもなりますほんと。