- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534334
感想・レビュー・書評
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騎士団長殺し
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穏やかな気持ち
ひっそりと雨が降っているような気持ち
になりました。
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↓文中にもあり。
✒︎彼らのことを思うとき、私は貯水池の広い水面に降りしきる雨を眺めているときのような、どこまでもひっそりとした気持ちになることができる。わたしの心の中でその雨が降り止むことはない。✒︎
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感情の表現や物事の表現が、とても細やかで、その世界へ入り込んでいけるのですが、単行本だから家で寝る前にしか読まなかったので、長い長い時間をかけて読みました。
私はいつも5冊くらいの本を同時進行で読むんですが、これは本当に長かった。
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その長い間、ずっと騎士団長が私の頭の中にいました。主人公ではなく騎士団長でした。
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騎士団長が
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イデアが?
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メタファーが?
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なぜ?
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日常に近くて、
でも遠い
不思議な感覚と世界。
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いつまでも鈴の音が聞こえている気がします。
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*****favorite sentence*****
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✒︎私たちは自分たちが手にしているものではなく、またこれから手にしようとしているものでもなく、むしろ失ってきたもの、今は手にしていないものによって前に動かされているのだ。✒︎
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✒︎恐怖や猜疑心は、暗闇の中にいくつもの架空の目を作り出す。✒︎
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✒︎おれがきついと感じるのは、父親が有名な絵描きとしてではなく、ひとりの生身の人間として、息子であるおれに対して、最後まで心を開いてくれなかったことだ。✒︎
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信じていることを
信じているみちを
信じていこう、
それがイデアでもメタファーでも。
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夢と現実の狭間のような空間は変わらず。
僕が私になって、若さが失われたように感じて悲しい。
騎士団長は愛嬌ある、頼もしいキャラクターだ。
後半胸の膨らみに対する異常な好奇心に少し萎えた。まりえのような女の子は、30代後半の私に、そんなことは語らないと思う。
その描写必要だったのかな?
ストーリー性は強く、物語として楽しめた。
2019.12.14 -
第2部も、ゆーったり、でも、しーーっかり、
1文、1節、読み返しながら、思い返しながら、
じーーーーーっくり、時間かけて、読了。
いつもは3冊くらい並行して読んでるけど、村上春樹の本はじっくり読みたいので、1部2部、1か月づつかけて。文章が好きなんだろうな。"例え"の表現がすごく好き。すごいなぁー。
内容より、表現が好きなんだろな。
内容より。
騎士団長、いいな。 -
最後まで「わたし」の名前が分からないままだった笑。
村上ワールドに浸れる作品だったかなと。
静かに進む空気感とパラレルな世界観、そして、毎度現れる小さい者たち。
個人的には「読者に投げる」よりも「伏線回収」してくれる方が好みだし。リアルだったのに、いきなりファンタジーって、あまり好み路線ではないんだけど、村上春樹は好きなんだよなぁー。
文章から出てる雰囲気に、目をつぶって浸っていたい。 -
抽象的な物事がなにを指しているかわからないままだけど、すごく好みだった
村上春樹の作品の中でかなり好きかも
秋川笙子とまりえの美しい二人を、「クリスマスと新年がいつも連れ立ってやってくるみたい」と形容したのが心に残った。 -
イデアとメタファーの解説本、と書いたらちょっと意地悪かな。私的には、この2つはもう少しひっそりとしていてほしかったなぁ。とにかく、村上ワールド全開で、ストーリーは深く突っ込まずに、雨田具彦氏の家の雰囲気と騎士団長を楽しんだ。騎士団長の「〜あらない」はツボだった。真似して遊んでます。最後、元妻と元に戻ったのはちょっとした衝撃。これまでの作品では去った女性は戻ってこなかったので。でもほっこりした。
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謎解きのようなものがされるのではないか、という期待だけで最後まで読んだのだが、きっと村上春樹はそういう読み方をする作家ではないんだな。
「あらない」が耳に(音として聞いたわけでもないのに何故か耳に)残る。