- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103540502
感想・レビュー・書評
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図書館の特設コーナーにあり、気になって借りた。複数の作家によるアンソロジーだが、遅読の私はパラパラめくって気になったものだけ読了。
「ろば奴」は、障がいを持っていると思われる主人公が、それでも裕福な大家族の中に交ざって過ごす幼少期と、その後の不条理極まりない出来事、それを昇華させていく様を描いたもの。生と死、人と神、光と影、昔はもっと境目が曖昧で混沌としていたのかも。小学校の頃、一緒に過ごした耳が聴こえない子やダウン症、自閉症の子はどこに行ったのだろう、、とふと思った。たまに養護学級のクラスに通ってたけど、授業や運動会は一緒で、あの頃それに疑問を感じることは無かったな。
インパクトが大きいのは「THIEVES IN THE TEMPLE」。まさかの白い紙面に白い文字の印刷で、読みたい人だけ読みな、と言われてるような傲慢さを感じたけど、そもそも本を読むってそういうことか、と思い直し、最初の数行で興味を惹かれて(ぶっ飛んでいる)読んでしまった。読んだのは2か月位前だけど、今でも物語の緊張した空気感や質感、暗いトーンが蘇ってくる。ただとにかく読みにくいので、本や姿勢を調整して明かりの角度を変えながら読み進めないといけない。喫茶店だったので、周りの人からは紙面が真っ白に見えると思い、おかしな人に思われないかな、、とちょいちょい気になったのを思い出した。なるほど、この作品はこういった読書体験(マーケティングでいうカスタマーエクスペリエンス=CX)も付加価値として狙ってるのか、と思う。笑。
✳︎独立した作品
鳥と進化/声を聞く 柴崎友香
フキンシンちゃん 長嶋有
THIEVES IN THE TEMPLE 阿部和重
ろば奴 いしいしんじ
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岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00565189
小説にこんなことができるなんて。小説とアート、詩、漫画、演劇の境界を越え、時空をも超えて生まれた、ここでしか味わえないスペクタクルな全11篇。上條淳士、福満しげゆき、倉田タカシ、師岡とおる、近藤恵介らによる豪華アートワークと共に贈る、前代未聞のアンソロジー。満を持して誕生!(出版社HPより) -
(図書館員のつぶやき)
美術手帖のアンソロジー。好きな作家さんもそうでない作家さんもいるかも知れませんが、これだけ一堂にそろった一冊はそうそうないかもです。書きかた、フォントも絵も写真も様々、さあどこから開きますか~! -
13人の小説家の作品が収められた本だが,一風変わったものだなと思って読んでいったが,最後で美術雑誌に掲載された作品を集めた由.意外に面白かったのは阿部和重の作品.薄い印刷で読むのに苦労するがミツミネはユニークだ.たまり塩が出てくる「ろば奴」も良い.
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様々な小説家が既存のルールに囚われない書き方、装丁の仕方で書かれた小説のまとめ本。フォントや段組も自由で読みにくいものも多数。新ジャンルとか新たな取り組みなのかもしれないが、読みにくくて失敗。
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小説とアート。おもしろいコンセプトの本。個人的には岡田氏と山崎氏の話がおもしろかった。特に山崎氏のこういう感じのが、えっ?!って感じで好きなんだよなー。
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図書館で借りて、面白い作りの本だなあと感心して眺めていたら、中身を読まずにしまった。
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ただのアンソロジーではない、アート。もう本当アート、好き!
特に阿部和重さんの白い紙に白い文字、喧嘩売ってるだろ、読めねーよ。はじめ白い紙たくさん使ってるなーと思ってたくらいだからね、まさか文字が書いてあるとは。なんだこりゃ的な普通でないものばかりでかわたしは好きですね、発想が。
面白かったのは岡田利規さん、初読みだったかも、読みやすかった。あと最果タヒさんのちょっと壊れた感じも好き。長嶋有さんの漫画家さんとのコラボもシュールでブラックネタでくすくすした。遊び心しかないアートアンソロジー、嫌いじゃないなー。 -
美術手帖に不定期掲載されていた〈小説〉企画を集めたアンソロジー。なのでただ文章が載ってるだけじゃなく、いろいろな仕掛けが凝らされている。著名な作家が名を連ねています。
最果タヒは以前から気になっていたのだけれど、良かった。他の本も読んでみたい。
阿部和重は白い紙に白いインクで印刷という暴挙。読みづらいったらありゃしない。しかも内容からの必然性もイマイチ感じられず…。ただ読み飛ばされてしまうのでは。せっかく中身は面白かったのに読むのに苦労した記憶ばかり残ってしまうよ。
そしてやっぱり青木淳悟の書くものは、本当に自分の感性と合わないんだなあ。読むのが辛くて仕方なかった。
一人名前の知らない人がいて、随分古風な文体だなあ…と思っていたら、その人だけ本当に50年前の作品だった。挿絵とミスマッチだったよ。 -
「美術手帖」に掲載された、小説とアートワークのコラボレーション作品のアンソロジーらしい。
好きな作家が結構参加していたので気になって読んだ。
いしいしんじがさすが。
ばつん、暗転。
みたいな終わり方のお話がおおい。
とんがった内容。話的にはすっごい良い!という感じではないかなぁ。
装丁はおもしろい。白いインクで印刷された話があったりとか。