ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書 2257)
- 中央公論新社 (2014年3月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022578
感想・レビュー・書評
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戦争によって変わったものが 彼女自身だったのか取り巻く周りの 人格式があったのか
時の流れを無視した著者の主観としか言いようがない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふつうの伝記。文句はないのだがなんで新書大賞とったのだろう
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民主主義学習の流れでアーレントに流れていこうか、どうか考え中のうちにつまみ読み。70
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2019.05.24 改めて、過去に学ぶ必要性を強く感じた。見過ごしていたり、ないがしろにしていることが多すぎる。先人の優れた論考に目を向ける必要性を強く感じた。
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生きた屍
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難民について
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世界喪失に抗って
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世界を愛するということ
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ローザの従姉妹
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哲学
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・アイヒマンおよびナチの犯罪は狂人やサディストによっておこなわれたと考える方が楽だがそれは事実ではない。「必然あるいは義務」として遂行されるとき悪は悪として感じられなくなる
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ごくごく最近になって名を見聞きするようになった「ハンナ・アーレント」。どんな人だろうとこの本を読んでみた。アーレントの人生をたどりながら著者や論稿の要旨、アーレントの思想がまとまっていて入門書としてとてもいい。
ユダヤの血が流れているとか、『全体主義の起源』(アーレント自身は「全体主義の諸要素」とすべきだったと後悔しており、確かにそうだと思う)という著書があるという程度の前知識から、ナチ批判やユダヤ人に寄った思想の人だと思っていたけど、実はアイヒマン裁判をめぐる論ではユダヤ系はじめリベラル派から大いに非難されたりもしている。でもその考え方は、そういった自分のバックボーンを差し置いてとても公正なものに思える。
著者によれば彼女は「一人前の大人が公的生活のなかで命令に『服従』するということは、組織や権威や法律を『支持』することである」(p.201)と述べているとか。
私だって日常的に、たとえば職場で仲間うちで、今さら自分が声を上げてもしかたないとか、和を乱さないためにと、その社会の総意ということになっている方向性に沿ってしまうときがある。そのとき、私はしかたないと言い訳しながら支持しているわけ。不参加・非協力を選ぶこともできるのに。アーレントはこういう極面で思考する「自分」であれと言っているように読んだ。
しかしなぜ、いま日本でアーレントが注目されているのだろう。安倍くんが跋扈したり嫌韓・嫌中が台頭しているような社会では、アーレントの思想に向き合っては耳の痛い人がたくさんいると思うんだけど……。それとも一定の人はそれではよくないと思っているのかな。 -
アーレントの半生をなぞりながら彼女の思考の軌跡も共に辿ったとても分かりやすいアーレント入門書。彼女の著書や、彼女がとても大切にしていた友人関係や夫についてもコンパクトにまとめて論述してあり分かりやすい。
これからアーレントの著作を読んでいくにあたっては必携の書かと思う。映画「ハンナ・アーレント」もこの本のおかげでとても楽しめた。おすすめ。