アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う (英国パラソル奇譚)
- 早川書房 (2011年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150205409
作品紹介・あらすじ
異界族と共存する19世紀の英国。人狼団の長マコン卿は、妊娠が発覚した妻アレクシアを放逐した。人狼に繁殖能力はないからだ。不貞行為の濡れ衣をかけられたアレクシアは、男装の発明家ルフォーと旅に出た。だがイタリアを目指す一行を吸血鬼が襲う!一方、ロンドンではアケルダマ卿が姿を消し、マコン卿の副官ライオールが謎を追って奮闘していた-歴史情緒とユーモアで贅沢に飾られた懐古冒険スチームパンク第三弾。
感想・レビュー・書評
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フルーテ!ついに活躍ですね!ウッドハウスの影響大で執事が活躍しないなんてないだろうと個人的に思ってたので納得の展開です。
ライオール教授の母性本能的な何かがすごくドキドキでした。本来ならアルファの役割とのことでしたが、アルファは交代するから団の母親的恒久的支柱は実はベータなんじゃないかなーなどといろいろ妄想が楽しい巻でした。
マダム・ルフォーとフルーテはもちろん、アイビィとタンステル、アケルダマ卿とビフィなど、レギュラーキャラたちが立ち位置を変えつつ様々な活躍をしていくのが楽しいシリーズだなと再認識です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前回、ソウルレスのアレクシアと人狼のマコン卿との間には子供が出来ないはずと不貞を疑われて実家に帰ったアレクシア。
反りの合わない実家でなんて、じっとしていられるはずもなく、安住の仮寓を探します。ところが、彼女の子供がマコン卿との子だと信じてくれた?!吸血鬼たちから命を狙われ…ロンドンを離れることに。
行き先は、彼女が妊娠可能だという資料を持っていそうなテンプル騎士団の本拠。つまりイタリア。
暗殺者を躱し、フランスからイタリアへの大旅行の末、彼女は望む証拠と、夫からの謝罪を手に入れることは出来るのでしょうか。
身重だと言うのにアレクシア、大変な大旅行。お腹の赤ちゃんは大丈夫かしらと、他人事ながら活劇にハラハラしますが…まあそこはそれ。
彼女を研究しようと命を狙うテンプル騎士団に囚われても、彼女の振る舞いはちゃんと貴婦人。大冒険に、ちょっとクラシックな戦い方になかなか賑やかではありますが、殺伐としていないので、安心して笑って読むことが出来ます。
マコン卿との愛の顛末は…いえ、世界一かわいい痴話喧嘩は、ご自身で結末をどうぞ。
バラすの野暮なんですもの。
やっぱりね。両思いは正義です。はい。
次ではアレクシア、ママになってるかしら。どこかふんわり優しい、ロマンス小説のようでパンクSFな面が盛りだくさんの本シリーズ、そこらの少女小説やスチパンコミックに飽きた諸氏・諸嬢に、ぜひご覧頂きたいです。
ちょっと憂鬱で不機嫌な日曜。
退屈なんか吹き飛ばしてくれますよ。 -
アレクシア女史の英国パラソル奇譚3作目。
人狼団のトップであるマコン卿と結婚したアレクシア。
ラブラブだったのですが~前作の終わり、アレクシアの妊娠がわかり、人狼に子が出来るはずはないとショックを受けたマコン卿は、アレクシアをなじってしまう。
実家に戻ったアレクシアを襲う非難の嵐に、さすがのアレクシアもうんざり。
頼みのアケルダマ卿も突然行方不明に。何かが起こっている?!
異界族である人狼と反異界族ソウルレスとの結婚は、どうなるのか?
前例はあるのか?
アレクシアは「とんまな夫(笑)の疑いを晴らす」ため、友人達に協力を求めます。
駆け落ちした親友アイヴィも、意外に役に立つのでした。
アレクシアの父はイタリア人で、ソウルレス。
ソウルレスについて知るには、イタリアへ行くしかない。
アレクシアの実家の執事だったフルーテは、もともと父の従者でした。
フランス人の発明家マダム・ルフォーとフルーテを伴い、イタリアへ向けて出発します。
ロンドンでは、マコン卿が苦悩のあまりホルマリンを飲んで泥酔。
副官のライオール教授が執務を代行し、苦労していました。
正気に返ったマコン卿は、後悔しますが‥?
ライオールの冷静さが光ります。
マダム・ルフォーのつてをたどって、ソウルレスの歴史を探る3人。
吸血鬼に狙われているらしく、からくも危機を脱してはイタリアへ向かうアレクシア達ですが。
着いた所でも、囚われの身に。
イタリアでは、吸血鬼も人狼も公然と認められてはいない国情の違いもありました。
テンプル騎士団で、ソウルレスは悪魔の申し子と呼ばれていたのです。
異界族を退治するための切り札でもあるのですが。
スチームパンクの雰囲気たっぷりの発明品を利用した大冒険が、スピーディに派手に繰り広げられ、ハリウッド映画になりそう。
マコン卿はだめだめですが~何とか最後には再会。やや単純な熱血漢タイプってことですかね。
あまり感情を表さないアレクシアの心境がちらちらと語られて、ほろっとします。
面白かったです! -
戦う!フルーテ!(笑)
日本の漫画で執事といえば戦闘能力があって当たり前なのだが(…)この控えめな老執事もそうだったようだ。
前回、不貞の疑惑をかけられ、身重の体でウールジー城を追い出されたアレクシアは、親友のアケルダマ卿のもとに身を寄せようとするが、当のアケルダマ卿が姿を消し、自分も吸血鬼に狙われている状態を悟る。フルーテとマダム・ルフォーと共に、アレクシアのヨーロッパ縦断逃亡劇がはじまる。
一方、ウールジー団では、腑抜けたマコン卿のかわりにβのライオール教授の受難がはじまる……。
アレクシアとは折り合いが悪いが、チャニング少佐が好き。青い目の白狼で人型の時は長身で金色の長髪なんて絵にしてしまえば最強の外見である…。
そもそもは本書の粗筋を見てアレクシア女史の奇譚を手に取ったのだった。日本のオタクが好きそうな要素がぎゅぎゅっと詰まったシリーズだが、なぜ私はこの存在を知らなかったのだろう…。 -
前作が気になるとこで終わったので、やっと読めて満足です!
今回は、アレクシアとマコン卿よりも、脇役というか、ライオール教授が大活躍でしたね。
むしろ、マコン卿のいいところはなかったに等しいですが(笑) -
この巻でのライオールとルフォーの会話が好きすぎて。
これまでの二人のほのめかしもたまらない。
ソフロニア嬢では、二人のからみは出てくるのか、と楽しみです。-
2014/03/13
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フルーテとライオール教授大活躍。そしてアイヴィも。
マコン卿はあまりいいところがなかったなぁ。
新たな登場人物はみんな変な人かひどい人ばかりな気がする。
でも変な技術者は見てて楽しいです。
話はこの巻で急展開。
アケルダマ卿が「宰相」に任命されたので、次巻がすごく楽しみです。
そして今回はライオール教授とビフィを見ていてすごくドキドキしたのですが、きっとこの先何もないに違いない。-
2013/03/12
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冒頭は、とにかくアレクシアが不憫でたまらなかった。一見、強気に翳りはなかったけれど、ぽつりとこぼした愚痴の中に見え隠れする不安に、やはり彼女も普通の女の子なんだな、と切なくなった。
そして、マコン卿駄目すぎ。。。それを読んでもやるせない気分になったり。
しかし、仕事の出来るリーダー格の男が、こんなに絵に描いたような引きずり方をする(こういう時の反応は日本もアメリカも同じなんですな)いうのは、アレクシア女性冥利に尽きるだろうと思ったりもする、他人事ながら。
ライオールさんお疲れ様です。
色々な謎が明らかになりつつある。
続きが楽しみ。 -
アレクシア女史シリーズの3作目。
1作目のレビューはこちら。
『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』 (英国パラソル奇譚)についてのkumabettiさんのレビュー - ブクログ
http://booklog.jp/users/kumabetti/archives/1/4150205329
@booklogjpさんから
2作目のレビューはこちら。
アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)についてのkumabettiさんのレビュー - ブクログ
http://booklog.jp/users/kumabetti/archives/1/4150205345
@booklogjpさんから
日本のラノベではちょっと難しい、まさかの主人公ヒロインが、妊娠状態という設定。
いろいろあって、「父親は誰だ!?」的な話になってはいるんですが、納得していないのは当の父親だけで、周りの誰もが疑問を持っていないという、これまた奇妙な状態。
そんな中、まさかのアイヴィがいきなり株急上昇したり、ランドルフ卿がかっこよすぎたり、そしてビフィがまさかの……!
と、いつの間にやらお気に入りのキャラクターができていたりする、ちゃんとキャラクター小説として、そして、見事に楽しい物語にどんどんなっていくこの作品。
原題が『BLAMELESS』(潔白って意味でいいのかな?)なのに、日本語タイトルの、『アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う』とか、見事としかいいようがないくらいの超翻訳ッぷり。
海外版ですが、マンガ版も出ているらしいです。
Gail Carriger『Soulless: The Manga, Vol. 1』(The Parasol Protectorate (Manga))
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… これは読みたい。
日本語版発売予定あるのかな?
英語版だけど買っちゃおうかしら?