僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)

著者 :
  • 早川書房
3.83
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本棚登録 : 3282
感想 : 192
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312336

感想・レビュー・書評

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  •  小説の方がアニメよりミステリー色が強くて色々と楽しめました。何しろ「犯人」がいるのですから。意外な展開でしたが納得の説明で「そうかもな〜」って思いました。並行世界特有のジレンマという事ですかね。

  • 展開早いのは変わらへんけど、読後の感じが良かった!
    いい終わり方してる

    これ、君を愛した方後に読んでたらしんどかったな

  • 僕愛→君愛
    切ない。

  • 僕が愛したすべての君へから読みました。並行世界の話をベースにした物語は、初めてでしたが、誰しもがあのときこうしてたらの『こうしたら』の物語。
    こちらは、ラブストーリーの様なあったかくなる物語。お母さんについて言ったパターン。確かにデジャブの様な時ってそういうパラレルワールドだと思うとおもしろい。

  • 映画をすると聞いて、映画公開日までに原作を読みたいと思って『君を愛したひとりの僕へ』と合わせて購入しました!
    スラスラっと読みやすく2、3日ほどで読み終えました。特に印象に残ったとことしては、
    「可能性ごと君を愛する」
    暦が放ったこのフレーズが忘れられません!!
    並行世界のどの和音も愛すると言った暦の愛の強さを感じました。
    少し切ないでも強い愛を感じる素敵な作品でした。

  • ★どこか遠くの、並行世界のすべての僕へ。(p.252)

    【感想】
    ・読みやすくてすーっと終わりました。
    ・初めて読む著者ではどうしても類似品を探してカテゴライズしてしまうもんですが、この作品の類似品を強いてあげれば新海誠さんのアニメでしょうか。
    ・ロマンチックですがそれほど陳腐には感じませんでした。
    ・ただ、自分たちさえ幸福やったらほかはどうなってもええというエゴイスティックなところもあって後味の悪さもありますが、それはわざとそう描いているのかもしれません。
    ・パラレルワールドものにしては大人しい感じもありますがそこがいいところでもあります。SF設定の苦手な人でも受け入れやすそうな気がします。

    【内容】
    ・僕には友達がいない高崎暦くんは高校で瀧川和音さんと出会い甘酸っぱいあれこれがあって・・・あとはネタバレになるかしら。

    【一行目】在宅死、という言葉を知ったのは、つい最近のことだ。

    ▼並行世界についての簡単なメモ

    【IEPPカウンター】自分が生まれた世界をゼロとし、現在相対的にどれくらい離れた世界にいるかわかるカウンター。生まれたときにつけさせられるウェアラブル端末にインストールされる。
    【アインズヴァッハの門】その門を通るだけで誰でも殺人鬼になってしまう門。
    【アインズヴァッハの揺り籠】通称IPカプセル。他の並行世界に移動できる。
    【和音/かずね】高校の同級生。暦が辞退した生徒総代をつとめた。成績優秀なAクラスでも常に首位の成績を取る。これまで話したこともなかったのにいきなり「暦」と下の名で呼ばれ驚いたがどうやらIP端末のカウンターで85離れている世界から来たと言う。そのくらい離れているともう異世界レベルらしいが?
    【虚質科学研究所】祖父が亡くなったとき十歳の暦がいきなりジャンプした研究所。父が勤めている。並行世界の存在を実証した。
    【暦】「僕が」の主人公。地元は大分。両親は離婚したが離婚してからの方が関係は良好になった。並行世界に移行した十歳のときわりと早く理解したのでなかなか柔軟ではある。賢すぎて他者を見下しているところがあるので友人ができない。
    【暦の父】研究者。
    【暦の母】実家が資産家。
    【佐藤絃子/さとう・いとこ】虚質科学研究所所長。虚質の概念を九州大学理学部在学中に提唱した。
    【シュヴァルツシルトIP】通称SIP。ある事象が発生したとき全く同じ現象が起きているとされている世界の範囲。たとえばSIPの相対値が22プラスマイナス10となっているとき自分の世界が0なので相対値が22離れている世界で事象が発生し、それと同じ事象が起きているのはプラスマイナス10、おおむね12~32の世界で同じ事象が起こっている。
    【高崎暦/たかさき・こよみ】→暦
    【宝箱】祖父が暦にくれた鍵のない宝箱。
    【瀧川和音/たきがわ・かずね】→和音
    【パラレルシフト】人は日常的に無自覚に(比較的近い)並行世界間を移動している。その場合肉体は移動せず意識のみが移動している。近い世界では移動期間は短い。この移動のことを「パラレルシフト」と呼ぶ。ときおり歩いてる最中とかに世界が少しずれたような気がすることがあるけどそんなとき、もしかしたら?
    【並行世界の自分】他の世界の自分は自分と同一人物なのかという命題。それは自分でしょう。パラレルワールドはグラデーション的であっておそらく1とか2とかデジタル的に区切られているわけではないと思います。すべての自分はずっと繋がっている。重なっているのではなく繋がっている(と思う)。まず入れ代わることもない遠い自分もまとめて自分という存在をかたちづくっているのだ(と思う)。自分がいない世界に至るまでは。違って見えても一人の人間の手の形と足の形が違っているというようなもので。なんてことを考えてみてもパラレルワールドは所詮SF的想像に過ぎないけど、まあ思考としてはおもしろい。と、まだ半分読んだか読んでないかの時点で考えてみましたが暦君はどういう思考に落ち着くでしょう?
    【ユノ】暦が十歳の頃、母の実家で飼っていたゴールデンレトリバー。

  • 君僕を読んでそのままこの本を読みました。
    君僕を読んですぐは、栞に出会わなかった暦がシフトした世界線での話だろうなと思っていました。
    ある程度話の内容はあっていましたが、色々驚くようなこともたくさんあり、最後まで一気読みしてしまいました。
    きっと僕君のあとに君僕を読んでいたら。
    また違う感想がでてきたんだろうなと思えるような作品でした。
    映画も楽しみにしています。

  • ★4.8/5.0
    僕君と君僕のうち、こちらを先に読んだ。
    こちらを先に読むと、所々?と思う部分があるが、そういった所は軽く流して読んでいった。
    正直、本当に深く考えさせられた。ネタバレになってしまうが、ゼロ世界の好きな人だけではなく、並行世界にいる好きな人も同様に愛せるのか。すごい難しいなと思った。
    し、子供が殺されて〜という場面の時に、最初は和音が殺したと思っていたけど、ゼロ世界の視点だけではなく、並行世界の自分の視点になって考えた時、それもまた自分であることには変わらないから、犯人を見つけ出すことが出来たと思うと、所詮どの世界に行っても私は私なんだと思えた。
    その存在自体を愛す、ということは難しいことだけど、そんな人に出逢えた暦と和音は幸せだと思いました。

  • 並行世界が身近になっていった世界のお話
    今まで並行世界の物語は見てきたが、
    考え方が変わるお話だった。
    先にこちらを読んだため、所々謎が残ったが、
    とても幸せな気持ちになれる一冊だった。

  • 離婚した両親のどちらについて行くかで人生が分岐し、こちらは母親について行ったパターン。

    パラレルワールドへの移動が可能で、目の前の君と隣の世界の君は同一人物なのか?
    違ったとしても全ての世界の君を愛そう

    所々で謎の描写が入るが、それは君愛の方を読めば解決する。割とハッピーエンドなので読後感は良い。
    ☆2.4

  • 2022年10月映画化
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50008394

  • 『君を愛したひとりの僕へ』での暦の共同研究者だった瀧川和音がヒロイン。確かにこちらを後に読んだ方が読後感が清々しいし、幸せな気持ちになれますね。「並行世界の自分は自分なのか?」という命題に思い悩む暦が、「可能性ごと愛する」に至る場面には、こちらも全てが腑に落ちたような爽快感がありました。『君を』の暦が本懐を遂げられたかどうかは、彼の名字が違うことから解釈すれば良いのかな。だとすれば全て報われたことになるね。良かった…。SF色が濃かった「君を」に対して、こちらはより恋愛物語色が強く出ている作品でした。

  • 主人公の暦(こよみ)がパラレルワールドで、それぞれの人生を歩む物語です。
    『僕が愛したすべての君へ』(通称:僕愛)は、『君を愛したひとりの僕へ』(通称:君愛)と2つの小説で1つの物語になっており、1つの小説につき、その世界に生きる暦(こよみ)を描いています。

    どちらを先に読むかで物語への印象が変わるという小説です。オフィシャルには、どちらから読んでも大丈夫とのことで、
    『僕愛→君愛』の順に読むと最後に切ない気持ちになれる。
『君愛→僕愛』の順に読むと、最後に幸せな気持ちになれる。
    と紹介されています。

    『僕愛→君愛』の順で読みましたが、逆をオススメします。
    バッドエンド・ハッピーエンドという物語への印象だけでなく、僕愛で君愛の伏線が回収されるので、僕愛を先に読むと伏線の答えから読んでることになります。(勿論、2つの物語を読み終えるまで、それには気づきませんが、、、)

    暦(こよみ)の生き様を通じて、人を愛することの情熱や幸せのあり方を今一度考えさせられました。

  • 並行世界間でのすべての自分にそれぞれの人生があり、幸せについて考えるきっかけになった。

    また、99%の幸せと1%の不幸のすべての可能性が私が生きているこの世界にもあり、1%の不幸を踏み台にして生きていく必要があると実感した。

  • 面白い世界線。
    この世界ならではの悩みと愛と向き合っていくストーリー
    読み終わると心がほっこりした〜


    君を愛したひとりの僕へ を読み終えて、序章、あるいは終章読んだら、感動

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745143

  • 面白かった。『すべての君へ』と『ひとりの僕へ』なら、『すべての君へ』の方が好き。恋愛の話がベースだから理解しやすいし考えやすいと思う。

    特に3章の「パラレルワールドの恋人は同一人物と見なすべきか」という問題は今でも(「パラレルワールドの自分は自分か」という観点で)検討されているし、それに対し作者が「パラレルワールドの恋人も可能性の一つであり同一人物」と(『すべての君へ』では)一つの結論を出しているのも興味深かった(さらに『ひとりの僕へ』では「パラレルワールドの栞は自分が愛した栞ではない」と、『すべての君へ』で出した結論を否定しているのも面白い)。

    4章で突然推理小説もどきになったのには笑ってしまった。

    『すべての君へ』→『ひとりの僕へ』の順で読んだので、気持ちよく世界観が把握・整理できたし、『ひとりの君へ』で色々と伏線が回収されるのもよかった。

    冒頭の「迎えに来てくれたの?」の部分だけどういうことかさっぱりわからずすっきりしない。

  • 暦の愛深い!

  • みんな違ってみんないいのゆとりは、とうとう誰も傷つけない。
    僕一人を除いては、誰も傷つかなくていい。
    ただ、どこかのだれかも、どこかでだれかと、幸せであればいい。

  • こっちを先に読んだけど、後に読めばよかった。
    ハッピーエンドストーリー。
    こっちの方が個人的には好きです。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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