僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 194
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312336

感想・レビュー・書評

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  • パラレルワールドのお話。わたしはこっちを先に読みました。並行世界の番号が違うと考え方も違う、いくら世界の番号が遠くてもあなたはあなただよって言ってくれる人がいるだけで救われるなあと思いました。

  • パラレルワールドのお話

    恋愛のお話かと思ったら
    パラレルワールド(平行世界)が主な内容で、その中に恋愛が組み込まれてた。

    今年25歳になって恋愛とか色々考える歳だけど
    全ての世界の君を愛す。って言ってくれるような人間と一緒に居たいなと思った。

    最後の章の、他の人の幸せを自分の幸せのように感じられるのは貴女のお陰(的なニュアンス)に思えるような余裕のある人間になっていけたらな。って思う。

    僕が愛したすべての君へ
    って題名は最後まで読んでやっと意味が分かる

  • パラレルシフト…
    こんな映画とかあったけど、実際あったら…
    大変だろうな。
    私はすべて愛せるかな?
    サイコロで例えていてわかりやすかった。
    涼の事件はすごく切なかった。
    すごく会いたかったと思うけど、0の和音が可哀想だからやめてほしいけど…どちらも同じ和音で…
    世界が1個しかなくて良かったw

  • 表紙の絵もかわいいし設定も面白かった。でも、他の可能性がはっきりわかっちゃうなんて、しんどいなぁ。

  • 面白かった!
    パラレルワールドものでここまで面白いと思ったものは初めてかも。
    というより、そもそもSFをそんなに読まないのだけども。

    並行世界に行き来出来るようになった場合、想定されるあれこれが盛り込んであって面白かった。
    朝ごはんがパンだったかご飯だったかだけの違いの並行世界がある一方で、全く異なった人生を歩んでいる並行世界もある。
    そんな中で、結婚したい相手に巡り合っていたとしたら、きっと暦と和音が直面したように、並行世界の自分も愛せるのか?という問題は全員がぶち当たる大きな壁になるよなぁ。

    それにしても、終盤、まさか並行世界の暦が殺人を犯すとは。
    初詣のときの通り魔事件、ああいう大きな事象に巻き込まれるとそれだけ色々分岐するよな。並行世界が沢山生まれる瞬間でもありそう。

    最後に出てきたご婦人と、冒頭とラストで消えてしまった女の子、あれはなんだったんだろう?
    同時刊行されたもう1冊を読めば分かるっぽいから楽しみ。
    基本、同時刊行ものって私的にあまり好みではないけど、これは良い。

  •  『君を愛したひとりの僕へ』に続き読了。
     私が勝手に設定したテーマに沿えば、本書は主人公暦が並行世界を受け止めつつも振り回される話ということになるだろう。彼は虚質科学に手が届く場所にいるが、世界を変える立場にはいない。
     「概ね」幸せな話。しかし、異なる平行世界を垣間見ることで、少なくとも過去の異なる選択がもたらし得る世界や、選択しようのない結果がもたらす不幸な世界があること、今の「幸せな世界」が儚いものであることを受け止めなければならないという苦境が出てくる。過去の選択も、未来の希望もなんの根拠にもならないと思い知ってさえ、現在の価値を信じる、「可能性ごと」引き受けるなんて生易しい話ではない。芯の強さは別冊の主人公暦と通じるものがある。
     登場人物が様々なイベントを通じ世界の平行性を受け止めていく中で、彼らの感情描写がすんなり入り心地いい。やはり私にとってアタリの小説で、いい著者に出会った。

  • めっちゃよかったのでもう一冊とあわせて読んでほしい。感想はもう一冊のほうにまとめて書いた。

  • 平行世界に存在する自分は、愛する人は、同じ人間なのだろうか?
    すべての可能性を含めてその人自身であり、他の可能性があるからこそ、今の自分がいる可能性も存在する。
    選択することの素晴らしさ。
    海外SFの「わたしの本当の子どもたち」も並行世界の人生の可能性を示しているけれど、あちらは人生の辛さ・悲しさが際立つのに対し、この作品は世界の優しさ・幸せを感じられる。

    私は「ひとりの僕へ」より先にこちらを読んだけど、こちらを再読するまでひとセットとして、順番として良かったと思う。

  • なんとなくラノベっぽいのが読みたくなって、装丁を見て購入。
    結婚式でよく聞く「病める時も健やかなる時も」というフレーズが浮かんだ。まるごと人を受け入れるということは。。うーむ、深い。。
    テーマは深いですが、展開は非常にラノベ的な感じでサクサク1時間くらいで読了。ラブコメですが、いちゃいちゃはほぼなし。ハヤカワ文庫JAさん、といったところでしょうか。

  • 内容紹介の通り、並行世界を題材にした作品で、『君を愛したひとりの僕へ』という作品が同時刊行されている。
    どちらから読んでも問題はないが、『僕が愛したすべての君へ』の帯に書かれていた「あっちの世界では……一応、恋人、なんだけど」というセリフに惹かれてこちらを先に手に取った。

    この作品の世界では、並行世界の間を無意識のうちに移動してしまうことがあるという設定だ。
    今いる世界と近い世界ほど、移動しやすくなる。
    そのため、「あそこにしまったはずのものがない」、「一度探したはずの場所から探し物が出てくる」という出来事は、無意識のうちに並行世界に移動してしまったために起こる。

    テーマは、「並行世界の自分は自分なのか?」ということ。
    現実では、並行世界のことを考えても意味がないかもしれない。
    しかし、このテーマも突き詰めていくと、人付き合いを考え直すきっかけになるかもしれない。


    ただ、高校時代の和音の存在感が、年が経つにつれて薄まっているのが残念。
    一人称視点の文章のせいで、だんだん主人公自身の内面に閉じこもっていっている印象を受けた。
    あと、各章のタイトルが「幼年期」、「少年期」、「青年期」、「壮年期」というのはあまりに素っ気ない気がする。
    連作短編のかたちにはなっているのだから、もう少し気の利いたタイトルをつけるか、でなければ数字だけでもいい。

    文章は読みやすかったので、すぐに『君を愛したひとりの僕へ』を読もうと思う。

  • こちらが1冊目。
    途中は面白かった。特に2人が付き合うとことか。
    でもそっから淡々としてた。良い意味でジーンときだけどこの頃大作ばかりを読んでいたからあまり読んでいて面白いとはならなかった。
    読んでよかったけどまた読みたい!とはならない程度。

  • なかなかいいアイデアで始まるのに、並行世界の解釈が進むにつれてだんだん綻びが見え出すような。こういったジャンル物に突っ込みは野暮だが、人の数だけ、選択肢の数だけ膨大な世界が生まれちゃうんだがどう?

  • なぜこの題名になったのか、読み終えたらすっきりしました。てっきり女の子側から語られるのかと思って読み始めて違ったたこと、どっちの世界でも幸せだなと思えたことが良かったです。登場人物の名前それぞれにも、意味があるんだろうなと思えました。面白かったです。

  • 2作とも読むと面白さが倍増します。この世界にも存在するかもしれない並行世界。すべての可能性ごと愛せるってすごいことだと思います。最後に会ったご婦人の「名乗る程の者ではありません」という言葉にいちばん感動しました。

  • 読んだ今ならタイトルの意味がよく分かる。平行世界ならではの恋のやりとりは面白く、だからこそ抱える想いも複雑なのがすごく伝わる。選んだものがあるなら選ばなかったものもある。不幸があるからこそ幸せを噛みしめることができる。常に隣り合わせなのかもしれない。
    個人的には和音のアメと鞭のところが好き。
    今回切ない方から読んだが、もう一つの物語とどう関わってくるか楽しみ。

  • ラストが切なすぎて泣くかとおもた

  • 並行世界の存在が証明された世界。 
    人々は、その世界の間を揺れ動く。 世界間の変化は、普通わずかであり人は気づかない。 
    そんな世界での主人公 高崎暦の幼年期から壮年期の物語。 
    基本ボーイ・ミーツ・ガールのSFなんだけど、「多くの並行世界に存在する彼女や自分は、今ここにいる彼女と自分と同じ存在なのか?」という哲学的な提起もしています。 
    私は、幼年期の祖父と主人公のエピソードが好きです。 
    同じ並行世界を扱った、同時刊行の『君を愛したひとりの僕へ』も読みます。 

  • 序章、あるいは終章
    第一章 幼年期
    幕間
    第二章 少年期
    幕間
    第三章 青年期
    幕間
    第四章 壮年期
    幕間
    終章、あるいは序章

    著者:乙野四方字(1981-、豊後大野市、小説家)

  • こちらのほうを先に読んだ。
    "君を…"のほうがSF強めでこっちの方が
    物語に入りやすかったなと。
    並行時間に移動できるのが当たり前の世界
    自分と愛する人との幸せの定義だったり
    ほっこりする場面が多かったなぁ、、、。

  • 私はこちらが二冊目だった。
    読み終わって気付く、こちらを一冊目として読み始めた並行世界の私も同じように、読了後、並行世界の私に想いを馳せたのだろうな、と。
    読者の側にもそんなギミックを用意してる作者に感服。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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