僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)

著者 :
  • 早川書房
3.83
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感想 : 192
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312336

感想・レビュー・書評

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  • 我已经明白了*君を愛したひとりの僕へ*。钥匙是並行世界的佐藤栞。

  • 請求記号:913.6||O 86
    資料ID:C0038335

  • ここ10年の日本のSF文学は、正直食わず嫌いというか、あまり良い印象がなかった。海外SF文学好き固有の堅苦しい重厚さに浸ってしまった人間に固有とは思うが、所謂ラノベっぽい感じが好きではないのだ。

    しかし、本作(と兄弟作)を読んで考えが少し変わった。それも日本のSFの一つの形であるし、日本の様々なメディアに露出しているラノベ産業と全く重なる要素のないエンタメというのは、ほぼあり得ないと考えることにした。

    本作「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」は、並行世界を科学的に立証し、行き来することを可能にした世界(現代〜近未来のイメージ)が舞台で、どちらを先に読んでも特に問題は無い。後に読んだ方は、先に読んだ方の補完や伏線を回収する役目を果たしてくれ、作者曰くハッピーエンドが好きなら「君を〜」から、切ない終わり方が好きなら「僕が〜」から読むのが良い。

    両作品とも、一人の女性を愛した僕(俺)を描いた作品であり、それぞれから遠い並行世界が舞台となっている。並行世界に関する分野の虚質科学では、自分の世界を基準とし、異なる要素が微小な世界を近い並行世界、大幅に異なる世界を遠い並行世界としている。
    本作は、例え近くの並行世界の人間でも、それは自分なのか?それは愛する人なのか??という点に重きを置いており、恋愛小説としての要素が大きい。「勉強しなくてもテストでは良い成績を〜」「望まぬ出世をしたせいで小金持ちに〜」みたいな自分語りの手法にはイラっと来るが、サクサク読める。個人的には本作から読み始めるのがオススメ。

  • 同時発売された「君を愛したひとりの僕へ」よりこちらの作品を先の読みました。
    結果的にこちらの作品から読んだ方が読みやすいかもしれません。
    この作品には、何個かのか壁があります。
    パラレルワールドの理解とその平行移動、その原理と学問としての理解、独特の物語の進行です。
    こちらの作品から読んだ方が読みやすいのは、比較的現代の流れに沿っているからかもしれません。
    しかし、最後まで読んだ後は、作者の意図かもしれましせんが、もう一つの作品を読みたくなります。
    各場所にちりばめてある「ふせん」が最後まで回収されないからかもしれません。
    それらがどこで回収されるのか楽しみながら次の作品を読めたらいいです。

  • 平行世界を描いた2冊同時刊行のうちの1冊。もう1冊を先に読んで、あまり読み心地が良くなかったのだが、こちらはすんなりと読めた。平行世界の自分は自分なのか?というテーマが中心のようだ。もう1冊に関する部分だけがちょっと浮いているような気もする。
    2017/6/21

  • 『君を愛したひとりの僕へ』とあわせて読んだ時に、両方のタイトルの意味にじんっと来る。

    自分とは何か、という永遠の命題が、SFと恋愛の衣をまとってやって来る。
    一気読み必至。

  • 平衡世界、いわゆるパラレルワールドがあり、
    その存在が認知され、科学的に証明された世界の話。
    また、そのパラレルワールドに移動できる術も研究された世界。

    設定は面白い。展開もサクサク進み、読みやすいかな。
    高校の同級生和音との恋愛関係が主体の話。

    とりあえず、もう一つの話も読んでみます。

  • 気になってたから買ったんだ。2冊同時刊行。
    平行世界が当たり前になった世界の話。ちょっとした物忘れや失せ物の原因が平行世界への移動、パラレルシフトと言われる世界。
    パラレルシフトは意識だけなのにもののパラレルシフトとはこれいかに。とか。遥か昔に行われた臨床実験とか。とにかく勉強のできる少年時代とか。いまいち腑に落ちない点もまぁいくつかあるけれど。
    今読み終えてとても暖かな気持ちになれたのは間違いない事実だ。
    可能性のすべてを愛するということ。
    「君を愛したひとりの僕へ」も楽しみだ。切ない気持ちになるようだけど、はたして。

  • 記録

  • 例え平衡世界が存在しても、日常は変わらないというのが印象的だった。
    次元が違っても、近くの次元であれば誤差はほとんどない代わりに、自分が愛している人が次元が違っても同一人物か否かという問いは興味深かった。
    最近図書館にあったはずの本が見当たらなくて、確認したら所蔵すらなかったという珍事はこのせいだったのか。
    もしも~だったらというちょっとした違いで自分たちの運命が180°変わってしまうのも衝撃的。
    個人的には勉強しなくても進学校に首席で合格できるほどの学力が羨ましい。

  • テンポもよく、ほっこりと暖かさを感じるお話。
    SF要素はあるけど、読みづらさはなかった。
    対の一冊はどんな感じだろう。。

  • ※同時刊行の「君を愛したひとりの僕へ」は未読です。
    小説などのフィクションの中でよく目にする並行世界。
    本書は、そんな並行世界という概念が一般化した、もしくは一般化しようとしている世界でのお話。
    「並行世界での自分は"自分"であるのか?」
    本書のこの疑問に対する答えが自分はとっても気に入りました。
    少し重たいテーマではあるけれど、軽快な文章でとっても読みやすくおもしろかったです。

  • 2つの物語は同列のものではない。
    『君を(以下略)』を先に読むのがおすすめ。
    『君を(以下略)』はSF要素がメインで恋愛要素はサブという印象なのに対し、『僕が(以外略)』は恋愛要素により多くの比重があり、僅かながらホワイダニット的なミステリ要素も加わる。ミステリ部分は文章量も少なくシンプルで割と簡単に看破出来るおまけのようなものだ。
    二冊の関連性が分かりやすく面白かったが、直接的な描写以外ではなかなか登場人物の年齢がわからず、歳を取っても殆ど変わっていなかったように感じ少し違和感があった。

  • ■ 1693.
    <読破期間>
    2016/11/24

  • 設定は好き。きちんと練りこんであるし、矛盾も感じなかった。でも最後に出会う婦人は、ほんとうにあのことを言いたいがために登場したのなら、少し惜しい。もっと深い意味や伏線の回収を期待してしまった。可能性ごと人間を愛するのはきっととてつもなく難しいのだろうな。

  • いろんな人生があって
    いろんな自分がいて
    たくさんの人と出会って
    たくさんの選択をして
    たった一人の人と出会う。

  • ついヒロインの名前をわおんと読んでしまう...

    もう一冊の方を読まないと何とも言えないのですが読み終えてタイトルを改めて見てしみじみとしてしまいました。運の良い方の世界線(おじいちゃんは誤解したまま亡くしてるけど)だからこその発想かもしれませんが。

    今日ちょうどレオタードの女のあるあたりの再開発の話を聞いたので、聖地巡礼するならお早めにどうぞ。

  • 恋愛小説にしては全体的にあっさりしすぎていて、感情描写とかがもっとある方が好みだった。

  • 2016年11月12日読了。
    2022年05月18読了。

  • 入れ替わりではこっちの方がおもろい。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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