メグレと若い女の死〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 16-3)

  • 早川書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150709532

作品紹介・あらすじ

真夜中のパリで見つかった奇妙な女性の死体。司法警察局のメグレは事件の捜査にあたるが……人間心理を追求する不朽の名作がついに新訳

感想・レビュー・書評

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  • パトリス・ルコント監督「日本のメグレ警視を観たい!」と懇願 世界的ベストセラー小説を映画化『メグレと若い女の死』3月17日公開 | 新着ニュース | BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!
    https://www.banger.jp/news/93266/

    3月17日(金)公開『メグレと若い女の死』公式サイト
    https://unpfilm.com/maigret/index.html

    【メグレ警視が新訳で甦る!】ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳『メグレと若い女の死〔新訳版〕』2/21発売!|Hayakawa Books & Magazines(β)
    https://www.hayakawabooks.com/n/nfcb3bb12e224

    メグレと若い女の死〔新訳版〕 | 種類,ハヤカワ・ミステリ文庫 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015357/

  • パリのヴァンティミユ広場で発見された若い女の死体は、その場にそぐわないサテンのイブニングドレスを着ていた。なぜ彼女は殺されたのか。メグレは被害者の人生を追いかけるが……シムノンが描く、当時のパリでの女性たちの暮らしとは→

    巨体でB級グルメ好きな現在ほぼ絶版となっているメグレ警部シリーズの新訳版。読みやすい〜!!中編サイズなんでサクッと読める。内容も、派手さはないんだけど、しみじみと体に染み渡る感じ。ああ。こういう犯罪小説、海外作品だとレアなんだよね。良き。とても良き。一人で静かに読みたいお話。

    メグレが被害者の女性の人生を追う描写がとても良い。最初はただイブニングドレスを着ただけの女が徐々に肉付けされていく感じ。ラストも良。ああ……ってなる。彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。


    個人的にはとても宮部みゆき感がある。20年ぐらい前の宮部みゆき氏の描く犯罪小説の空気感。たまらん。シムノン、これからも読みたい作家さん。

  • ローワン版のメグレで、メグレと周囲の関係者の履修が済んだあと立ったこともあり、話に入っていきやすかった。「人」に注目して真実をたどって行く手法というのは派手さはないものの私は非常に好みである。不幸にも殺されてしまった若い女。パリの街で暮らす素性が不確かなこの娘がたった一人殺され、真相だって特に何てことはない(それがまた哀れなんです)というのに、ここまで深い話が作れるのか・・・。何も入っていなかった封筒を見て、彼女は何を思ったのか。ルメートルの作品もそうだけれど、フランス人の描くミステリというのは読者の心を全力で叩きのめしにかかってくるよ、読み終わるとずしりをくる。もっと新訳版が出て欲しい。

  •  ミステリーと言えば本格ものが好きなのだが、この歳になってやっとメグレシリーズの面白さに気づいたように思う。
     パリの広場で発見された死体。彼女はサテンのイブニングドレスを着ていた。なぜ彼女は殺されなければならなかったのか。彼女の足跡を辿るメグレ。それは彼女の人生をなぞるような捜査だった。そうして彼女を“知る“ことによって、メグレは真相に到達する。

     自分に対して陰謀が行われていると考えている、現場地区担当の《不愛想な刑事》ロニョンが、いい味を出している。


     映画化がきっかけとは言え、入手が難しくなっているメグレものを新訳で出してくれたことには感謝。ただ、250頁で千円超えとは…

  • ジョルジュ・シムノンのメグレ刑事シリーズ。
    有名だけど、地味に絶版ばかりで手に入らず。新訳版でようやく初読。

    若い女が公園で死んだ。身元を示すものは何も持っておらず、情報提供を呼びかけても誰も連絡してこない。公園で死んだ女は誰なのか。メグレ警視をはじめとするパリ警視庁の捜査により、徐々に殺された女の輪郭が明らかになっていく。

    かなり短めで、中編と言っても良いくらい。
    新訳のためかなり読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。
    ミステリとしてはまあまぁ。犯人より、被害者がどういった人物だったかに重点を置いた捜査が、一人の若い女がたどった末路を明らかにしつつ、犯人の逮捕にも繋がるのは見事。
    サクッと読めてオススメです。

    某国民的アニメの刑事のイメージが強く、本当に犯人捕まえられるのか不安に思ったのは秘密笑

  • ▼若い女性がドレスを着て、撃たれて死体で夜のパリで発見される。なんてことない事件だけれど、どうもちょっと何かがおかしい。ドレスがレンタルで、この若い女性は貧しくて。苦労して地方から出てきてて。



    (以下ネタバレ)



    ▼(うろおぼえですが)確か被害者は地方からパリに働きに来て、因業で孤独な家主女性とかと戦い?つつ。同じように地方から来た若い女性友人がいて、その友人がいわゆる「玉の輿」に乗ったので、無心に?ゆすりに?言ったか何か。何か弱みを握っていて。パーティーに出るために極貧だけどレンタルドレス。

    ▼そんなような痛い辛い人間模様、でもきっと当時のパリにも今の東京にもいくらもあることだし、我々だって広くとらえれば「そういうひとびと」の一員でしかないのだけれども、というオトナな視点と語り口で、ぶつぶつぶつぶつパイプをくわえて歩きながらお酒を飲みながらのメグレさんが全てを明かしてくれる。

    ▼30年くらい前に??河出書房新書から出ていたメグレシリーズ、全部ではなく半分くらいは読んだんだけれども、「メグレ読み」というのは経年するごとに「ゆったりライフワークな読書」になっていきます。

    ▼今年2023年、映画新作が封切られたおかげか、ハヤカワ文庫から新訳が三冊も出てびっくり嬉しく。河出書房版が絶版久しいので、ハヤカワさんで地道にどんどん新訳でも復刻でも出していただけると嬉しいなあ。

    • 淳水堂さん
      koba-book2011さんこんにちは

      うちに河出書房新書のメグレシリーズ50冊くらいあります!
      まさにゆっくりライフワークで、年...
      koba-book2011さんこんにちは

      うちに河出書房新書のメグレシリーズ50冊くらいあります!
      まさにゆっくりライフワークで、年に2冊くらいで進めてます。
      ジェラール・ドパルデュー版は見ていない(見逃してしまった(;^ω^))のですが、他の映画はみております。

      メグレ警視は、コナンくんの目暮警部の元ネタだよ、ということでも良いのでもっと広まって欲しいですね。
      2023/12/17
    • koba-book2011さん
      おお!なんて貴重な…羨ましいです!ジャン・ギャバンも昔演じていて、僕はそのイメージでいつも読んでおります〜
      おお!なんて貴重な…羨ましいです!ジャン・ギャバンも昔演じていて、僕はそのイメージでいつも読んでおります〜
      2023/12/17
  • フランス物は苦手との思い込みで読んでいなかったけど、新訳はとても読みやすい。パリの広場で発見された、若い女性の遺体。安っぽいドレスを着ているが身元が分からない。彼女はどこの誰で何があって殺されたのか。メグレと部下たちは、地道に聞き込みを行い、少ない手がかりを丹念に追う。徐々に明らかになってくるのは、不幸な生い立ちから何とか逃れようともがく孤独な若い女の姿。過度にメグレが感情的になることはないが、何一つ良いことはなく無残に殺されてしまった被害者のために捜査を続ける姿勢から、強い思い入れが滲み出ている。犯人を追い詰める描写もスリリングだし、最後まで楽しめた。他の作品も読んでみようと思う。

  • 初めましてのメグレ警視。

    読んでいた2〜3日はずっと、賑わっているけれど薄暗い、パリの雑踏にいるような気分だった。
    ロニョンの侘しさ、報われなさがなんとも言えない‥でも、こう生きるしかない人もいるよねという説得力、存在感がある。

    事件は、会ったことのない被害者のこれまでの生活をなぞりながら、「この場面ではこう動くはず」という確証を得るまで、被害者像を自分の中に構築していく過程を描いている。
    どんどん派手な事件が起こるわけではない、でも無性に気になり読み進めてしまう。

    メグレ警視の他の作品も読んでみます。

  • 名作推理シリーズ初読。メグレさんは犯人や被害者の立場になって色々推理を進めていくスタイル。
    淡々と進むけど、ついつい先が気になってページが進むタイプの本だった。

  • 昨日映画も観た。新訳とはいえ、古い作品だからな。小説を読んだら今ひとつと思ったが、映画をみたら小説が良いとおもったりした。映画には映画の文法があるからな。
     シンプルは好きだが、89分の時間も良い。ただ、ロニョン警部が出て来ない。暗くてノアールなティスト、フランス映画良いなぁ。なら、《不愛想な刑事》をそっと入れて欲しかつた。雨に濡れて歩く姿を。
     最後にメグレ警視重たいし太い。すっと消える後ろ姿にロニョン警部入ってるかな。
     

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著者プロフィール

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。中学中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches” を発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。メグレ警視シリーズは絶大な人気を
誇り、長編だけでも70作以上書かれている。66年、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞。1989年死去。

「2024年 『ロニョン刑事とネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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