ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091963

感想・レビュー・書評

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  • ガンダム、エヴァンゲリオン(ヲン?)を丁寧な小説にしました、という感覚。

    どちらも見てはいたけどマニアではないので詳しくは語れませんが
    父親コンプレックス、重機操作(機械マニア)、我が道を行く母親、幼なじみ(フラウボウと土筆はタイプが違いすぎか。)との淡い恋、憧れの美少女はエキセントリックで高飛車、カッコいい女性上司たち(みさとさんと風歌が二重写しに・・他の乗員たちもネルブの女性たちやミライさんに似ていませんかね・・)、ラストに向かって思想が行き止まりもしくは錯乱していく点・・・、あ、シブイ大人の男が存在するってのも共通点かな。・・・まだ、ありそう。

    読んでいる間、勝手にアニメキャラをかぶせて楽しませて頂きました。

    主人公のケリのつけ方が個人的に不快。「死」、自らであれ、他によってであれ解決に死を持ってくるのが嫌いです。

    あと、人の行動理由がどうにも通俗的で軽々しいのが・・・少し残念。
    安並風歌の父がヤクザだから~、香月純江の過去とか、生きるためにキッカイを食べた佐々に対する仲間の態度、同じく、ラストの遊星に対する周囲の反応など、「現実ってそんなもんでしょ」っていうならナメ過ぎだろうと思いました。

    あら?なんかキツい感想になっていますが、香月キャラには「萌」でしたし、風歌様の啖呵には血が騒ぎましたし、最大のドラマ是沢銀路散るには涙しました。

    読み手は選ぶと思いますが、楽しい読書でした。

    余談ですが、キャラクターの名付け方がオタクっぽいなぁと。

  • 人が操縦する 2 足歩行型特別攻撃機、
    リアルで臨場感のある要撃シーンは映像的ですらあり、
    本作を読む価値を非常に高めていると思う。
    一方、登場人物の群像劇、人間ドラマとして読むと、
    アニメ?ライトノベル?(と言っても両方ともよく知らないのだが)的な傾向が顕著でやや残念。
    巻頭の登場人物名一覧を見て嫌な予感はしていたのだが。
    終盤部のクラマ、カラスとの SF 的世界観は良く理解できなかったし、
    ご都合主義的な展開に感じた。
    が、全体として巨大ロボットものを描いた小説は珍しく、
    面白く読めるイイ作品だった思う。

  • 全体的に主人公・栂遊星の成長物語だとは思うんだけど、最後まで共感できなかった主人公の想い人への想い。・・・彼女のどこがよかったのか今いちわからないままだったので、なんだか最後まで共感できず。
    全体としては面白かった。

  • 上巻に同じ。

  • はっきり言って登場人物が把握しづらかったですし,厚めの上下巻が全体的にとっちらかってますし,終盤が展開が加速しすぎて逆に尻すぼみな感じはしました.でも,でも,SFの根幹である世界設定の秀逸さは他の追随を許さず,先の読めない展開に読んでる間中ワクワク出来ました.
    未知の敵性生物,特化運用される二足歩行兵器,裏で暗躍する政治家,何故か舞台は讃岐平野・・・・・・.あらゆるギミックが絡み合い,読みたかった物がここにあります.ハヤカワJコレ,やっぱいいレーベルだわ!

  • 上巻で様々な話の種がばらまかれていたので、JPホーガン的な謎解きを期待していたのですが違っていました。ひたすらアニメ的に前へ進んでいきます。地震をまたいでしまって、なんか印象が薄くなってしまいました。

  • 前編のキッカイ要撃における二足歩行兵器と陸上兵器によるタクティカル的な展開を序章とし、後半はそもそもの事件の発端となる渡来体とわたりあうまで一挙に話が展開する。究極的忌避感から神の概念、日本の戦後処理から魂の在り方まで、実にてんこ盛りの力作で、前編でも感じたとおり、凡百の二足歩行兵器ものとは一線を画す。なぜなら最後には二足歩行する必要はなくなっているからだ。作者の思いの迸りがたぎり、何故、魂という教えられなかった概念で神をも倒せるのか、究極的な自己嫌悪で孤介型となるのか等、分からないことも多いが、そんな瑣末なことは置いておきたい。覚悟を伴わない行為は後に魂を残さないという言葉通り、最愛の人の始末を自らの手を汚して責任を取った主人公の名前が語呂合わせではあるが、語り継がれることとなったとする結末もまた良い。

  • こういうSFものは、やはり一気に読むべき。そうしないと面白さが半減するような気がする。だがしかし、記憶力の衰退とともに、一気に読むだけのパワーも減ってしまって、どうにもこうにもむづかしいもんだよ。たくさんの面白くなりそうなお話の取っ掛かりを作っておいたけど、最後に全部忘れて上下二巻になりました・・・。

  • (2011.4)

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著者プロフィール

1969年生まれ。関西大学工学部電子工学科卒業。『ルナOrphan'sTrouble』で第4回日本SF新人賞を受賞し、2003年にデビュー。その他の著書に、『ダイナミックフィギュア』『シオンシステム[完全版]』『ガーメント』『ウルトラマンデュアル』などがある。

「2021年 『クレインファクトリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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