- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163198804
感想・レビュー・書評
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【推薦文】
主人公は「ジェンダーの問題」を抱え、30年間生きてきた。人生の中で認められなかった出会い、仲間との付き合い、社会問題などが多く描かれた。極レアなケースだが、その状況であるからこそ思いやりと友情の重要性をもう一回認識できる。
(推薦者:知能システム科学専攻 M2)
【配架場所】
すずかけ台: 3F-一般図書 913.6/H詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
帝都大学アメフト部のクォーターバックとして鳴らした西脇哲郎は、十年ぶりに女子マネージャーだった日浦美月と再会した。日浦は男性として人生を送ろうとしていた。
殺人事件と、性同一性障害の問題が絡んだstory -
性同一性障害をからめたミステリー。
デリケートな題材だから、結末もそういう感じ。
これが最善だったんだろうなあ。 -
20130531
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タイトルとイメージが違いすぎた。
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美月の息子と旦那さんに関してはそれで終わり…?って感じ。面白い部分と腑に落ちない部分があって、そんなに好きじゃない作品。
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人は人。
そうして認めることが当たり前の社会であれば、こんなに苦しむことはなかったのかもしれない。
しかし、人には捨てられないもの、なかなか変えられないものがあるのだ。
そういう認識が社会にあることは間違っていないだろう。
自分らしく生きること。
そうしたいのに、叶わない人。
周りに適応して自分をごまかす人。
メビウスの輪(帯)という表現が至るところに出てくる。
人の性は、男性でも時に女性的に傾くこともある。
だが、しかしそれは根底に男性であるという意識があるから、いつもは男性として
違うことなく生きているのだろう。
人は時に弱気になり、強気にもなるように流動的だったりするのだ。
その人の全体が変わってしまうほどのことはないにしても。
メビウスの輪は有限だ。
一周して帰ってくればもとの虚像になっていようとも。
輪は輪の中でしか輪として存在できないことは変わらない。
人の命が消えてしまえば、男性や女性の問題から解放されることも
それに似ているのかもしれない。
久しぶりに著者の作品を読んだが相変わらず、この人の文章は精緻だ。
読んでいて、テンションがいつも同じになる。
ちょっと暗い話で気乗りがしないけれど、気づくと全部読んでいるのだ。
重松清の文章と少し似ている気がする。
妙にリアルなところが似ているのかもしれない。 -
東野圭吾作品では珍しい暖かい作品です。
単なるラブストーリーではなく、性同一障害の問題を抱え物語は展開していきます。
実際、当事者でしか理解できないことかもしれないが、この物語に出てくる本人達は、自分なりに現実を受け止め、しっかりきちんと生きている。だから、人物に入り込めるのかもしれない。 -
大学時代のアメフト部のメンバーとの定例の飲み会の後、哲郎は10年ぶりに会った元マネージャーの美月にある秘密を告白される。最初は、タイトルを想像しながら読んでいく中、ぐいぐいと引き込まれた。「性同一性障害」を題材にされてる難しいテーマに切なさを感じながら、今回も考えさせられた。表だと思って進んでいったらいつも間にか裏に繋がってるメビウスの帯。普通の人間でも完全な男はいないし、女はいない。さまざまな言葉が読了後も残ってる。