片想い

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163198804

感想・レビュー・書評

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  • 「分身」にもどことなく(遺伝子繋がり?)似たテーマ:性同一障害やあるいはその言葉を超えた「男とは?女とは?」まで。。。読んでる途中は 男の心を持った肉体的に女、その逆、さらには同姓に恋愛、更にさらにそれでも割り切れないもっと曖昧な部分もでてきて、ややこしや〜 でも、説明としてメビウスの環の例えは分かりやすかったので助かった。なんとか自分の中で整理できました。話としてはとても深く、タイトルにもいろんな意味が込められていて、ちょっといろいろ考えます。後読感も悪くないですね。いろいろあっても強く生きていこうとする登場人物たちに励まされる思いです。

  • 図:上下2段もので時間がかかると思ったけど一気に読んでしまった。 ジェンダーの問題は深い。
    出版社/著者からの内容紹介
    旧友美月と再会した哲郎は、彼女が性同一障害で現在は男として暮らしていると告白される。美月は他にも大きな秘密を抱えていた

  • メモ 性同一性障害
    図書館より

  • 男女の差は、ある。
    でもそれは悪いことじゃなくて。
    白と黒には分けられない。

  • 初めて読んだ東野圭吾の作品
    心に突き刺さる感覚を覚えるショックの連続を提供してくれた本
    モダンなトピックだと、あの頃は感じたけど、今はよくあることなのかもしれない

  • 性同一性障害をミステリーの根底に置いた作品。
    「片想い」という題名のセンスが光る。
    性同一性障害で悩む美月。彼女は己は「男」であると悩む。
    しかし、私にはやはり彼は「女」だと思う。
    ラストが意外な結末であった。
    また、誰も触れていないが、「夫婦とはなんぞや?」という問いかけにも思えた作品である。

  • 男と女は、メビウスの裏と表の関係にあると思っています。
    ふつうの一枚の紙ならば、裏はどこまでいても裏だし、表は永久に表です。
    両者が出会うことはない。
    でもメビウスの帯ならば、表だと思って進んでいったら、いつの間にか裏に回っているということになる。
    つまり両者は繋がっているんです。この世のすべての人は、このメビウスの帯の上にいる。完全な男はいないし、完全な女もいない。
    またそれぞれの人が持つメビウスの帯は一本じゃない。ある部分は男性的だけど、別の部分は女性的というのが、普通の人間なんです。

    男を黒い石、女を白い石とするだろ。美月はグレーの石なんだ。どちらの要素も持っている。しかも五十パーセントずつだ。
    だけどどちらに含めることもできない。元々、すべての人間は完全な黒でも白でもない。黒から白に変わるグラデーションの中のどこかだ。
    彼女はそのちょうど真ん中ということになる。

    人間の脳というのは、たぶん不安定なんだと思うよ。その日の体調や周りの環境なんかで、そのグラデーションでの位置がふらふらとずれたりするんだと思う。
    俺たちだって日によっては少し女側に寄ったりするんだ。だけど九十五パーセント黒が九十パーセントに変わったところで大した影響はない。
    ところが五十パーセント黒が四十五パーセントになったら大違いだ。白のほうが十パーセントも多くなる。

  • 人の愛し方は色んな形があるんだなぁと

  • 「性同一性障害」という重い題材をミステリーを絡めたのがこの作品。ただでさえ重い題材を扱っているのに、そこに学生時代の友情やら夫婦の在り方などをも絡めたために「もうお腹一杯」という気がしなくも無いが、それなりに読めるのは東野圭吾という作家の筆力ゆえか。
    ただ、前述したようにもう少しテーマを絞って「性同一性障害」を掘り下げた方が、その前に無力感を感じる主人公とジェンダーの狭間に揺れるヒロイン?を描けたような気がしないでもない。「メビウスの輪」の例えは確かに面白かったけれど


  • 東野作品の中で一番すきかもしれないです。

    なんかもう面白いよ!面白すぎるよ!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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