ソロモンの犬

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163262208

感想・レビュー・書評

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  • 動物の行動をどう分析するのか、というのが鍵になってくるので、ちょっと「さよならバースディ」を思い出した。終盤は例のアレによる既視感を一瞬感じたものの、あれよあれよと再びのどんでん返し。緻密に張り巡らされた伏線の回収の仕方も含め、良いラストだったと思います。

  • 主人公がとても好青年。まったく裏表がなくて読んでて気持ちよかった。
    ミステリとしてもまあ面白かったし騙されるところはみごと騙された…んだけど、とある人物について全然違う方向に深読みしていて、最後の最後まで疑ってたもんだから、あ、あれ?ってなった。ええーいこれだから叙述トリックを頭から疑ってかかると損するのだ…。

  • 久しぶりの道尾作品。最初はあまり展開がよくわかりませんでしたが、後半の盛り上がりはさすが。犬の特性も表題通り、ストーリーに絡んできてなかなか面白かったです。

  • 今回の「騙しポイント」はどこだ!!と物語を行きつ戻りつしながら慎重に読み進めていたのに、やっぱり騙された。騙されたというか考えてもみなかった展開に一瞬唖然という感じ。京也の持つ二つの秘密は読みながら解ったんだけどなあ。道尾作品に多い陰鬱な感じはなく、大学生4人でつるむ様子や、好きな女子に告白できずに悶々とする秋内が微笑ましかった。間宮や阿久津社長もナイスキャラ。犬の行動や本能には知らないものも多く、それがカギになっているところがとても興味深かった。オービーが喋れてれば全てがすぐに明らかになったのにね。

  • うーん、正直トリックはなんだ…感が強く、オチも微妙だったが…。とにかくどんでん返しというのだろうか、二転、三転とするのは読んでいて楽しかった。が、トリックとオチが微妙だったので、☆3つ。

  • この作家お得意の、動物の名前がはいったタイトルと、
    障害がどこかにある人間が出てくる作品。
    夢オチの部分はちょっとずるいと思ったが、やはりいろいろどんでん返しがあるところ、オモシロイ。

  • どんでん返しってほどではないけど、そうくるか、というようなオチ。
    主人公が割と明るい性格だったからか、暗い話でもそんなに暗く感じず読めた。
    間宮先生、いい味出してます(笑)

  • いやー、面白かった!
    ワクワクして続きがどうなるのか気になってたまらなかった!
    爽やかさと気持ち悪さが同居する、あの独特の空気がたまらない。
     
    でも考えてみると、事件としてはかなり地味なんですよね。
    少年が大型犬を縄でつないで散歩していると、犬が突然暴走し、
    それに巻き込まれた少年が車にひかれてしまう……というもので、
    まあ、どんなにぶい読者でも
    「誰かがなにかのきっかけを与えたんだろうなあ」
    くらいのことは推理できる。
    (そんなもん推理とは呼ばねーよって? ごめんなさいゆるして)
    で、実際真相もね、そんなに意外なもんでもない。
    トリック・謎解きだけみるとそうなんですよねー。
     
    結局、語りの技術。これが無茶苦茶うまい!
    まず幕開けから、
    不気味な喫茶店に主要4人が集まって殺人について話し出す、
    黒い雲、ふりしきる雨、薄気味悪い店内、
    なにか不吉な事件を報じるTV、
    主人公がつぶやく「バベルの塔」という言葉……
    ここだけで暗黒幻想小説の世界ができあがっている。
    さあてなにが起きたのか?と思うと
    今度は一転して明るい青春小説がはじまる。

    青春小説のパートになっても緊張感が漂うのは
    主人公が奥手で鈍感な男子大学生で、
    憧れの女の子が何を考えてるのか分らず
    悶々としちゃうからです。
    それにエキセントリックな友人とその彼女も加わり、
    微妙な四角関係が形成される。
    (しかも読み終ってみるともっと複雑な関係だったことに気づかされる)

    また、所々で暗黒幻想小説に戻したり「もし、あのとき知っていたら…」式の文章を挿入したりして緊張感を持続させる、その技術が上手い。
    そして、終盤になると世界が根底からひっくり返り
    (これこそミステリを読む快感!)
    今までののんきな語りが懐かしくなってしまう。
    さらに最後で……と、サービス満点な小説。
    推理小説であり青春小説でもあり幻想小説でもある。

    最近あまりミステリを読んでいませんでしたが、
    松本清張の傑作『時間の習俗』を読み
    (こちらについてもあとで書きます)
    この本を読み、ああやっぱりミステリっていいなあ、
    ホームグラウンドに帰ってきた気分だなあ、と感じました。

  • ミステリー系だから、最後が気になるから全部読みました。
    だが、これといって良いところはない

  • 交通事故で亡くなった少年、自殺した母親の話しと大学生の友情物語を組み合わせ、最後にはあっと驚くドンデン返しを用意してあり面白い作品です。
    途中で流した涙…もったいない。思わず読み返しました。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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