- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163817200
作品紹介・あらすじ
今をときめく太政大臣・兼家の首から下が行方不明に!?道満の仲介で鬼との双六勝負に挑んだ兼家だが…。晴明と博雅が、都の怪異を解き明かす。
感想・レビュー・書評
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今回がシリーズ12作目、作者が書き始めてから25年目の作品だそうです。ずいぶん時間をかけて書いてるんですね。
印象に残ったお話2つの感想を書いておきます。
いつも悪役?のようなイタズラして喜んでいる謎の人物である芦屋道満が珍しく人助けをするお話があり、面白かった。
助けても要求するのは大金ではなくお酒というところが彼らしい。
ひこぼし、織姫が地球上に降りてきて、星が行方不明になるお話。牽牛と珠(牽牛の浮気相手)が和歌の中に隠れている、なんて優雅!
前にもお経の中に人が隠れていたり、文字になってしまうというお話があったけれども、発想が面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山月記、織姫と彦星、今昔物語のパロディなどなど今回も面白い
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一番好きなのは、新山月記かなぁ。悲しくて、美しかった。
乙姫は、突っ込みどころ満載。良いのか、乙姫。って思った。良いんだろうな。
夜叉婆あ、分かるんだよな。子供が心配で、死に切れない気持ち。
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道満が敵役だけでなく、自ら働いている。もっとも自分のために動いて晴明に後始末をしているのを楽しんでいる感じだが。 首大臣は首になった兼家の行動がおもしろい。
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安倍清明と源博雅の物語が詰まった短編集。 今回は二人が主人公ではなく、蘆屋道満が主人公の話が二話もあり、新鮮であった。 お気に入りは「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」と「新山月記」。 前者は蘆屋道満が主人公の話で、これまた面白い。 後者は山月記を踏まえた話で、山月記を改めて読みたくなった。
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19
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するする読めるのが不思議なシリーズ。
この本は、首と唐が多かったな、という印象。
毎度ながら、人の欲の怖さ、哀しさ、愛しさ、奥深さをしみじみ感じられる。
新山月記、夜叉婆あが印象的で、ひたすら切ない。
しかし、首大臣を読むと、博雅はいろんな意味でいい漢なんだなぁ、と。 -
陰陽師シリーズ。
今回は何かと蘆屋道満の出番が多かった。道満と言えば、暗躍の人であろうに、まるっきり人助けをしている話もあり、意外な感も。その時は、随分とお酒を欲していたのかな(笑) 夢枕さんが描く道満は茶目っ気があって好き。「首大臣」のように、ちょっと悪いイタズラをするときもあるけど、お灸を据える程度だし、憎めないキャラであるのは変わりなし。