陰陽師 酔月ノ巻

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 519
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817200

作品紹介・あらすじ

今をときめく太政大臣・兼家の首から下が行方不明に!?道満の仲介で鬼との双六勝負に挑んだ兼家だが…。晴明と博雅が、都の怪異を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 今回がシリーズ12作目、作者が書き始めてから25年目の作品だそうです。ずいぶん時間をかけて書いてるんですね。

    印象に残ったお話2つの感想を書いておきます。

    いつも悪役?のようなイタズラして喜んでいる謎の人物である芦屋道満が珍しく人助けをするお話があり、面白かった。
    助けても要求するのは大金ではなくお酒というところが彼らしい。


    ひこぼし、織姫が地球上に降りてきて、星が行方不明になるお話。牽牛と珠(牽牛の浮気相手)が和歌の中に隠れている、なんて優雅!

    前にもお経の中に人が隠れていたり、文字になってしまうというお話があったけれども、発想が面白い。

  • 山月記、織姫と彦星、今昔物語のパロディなどなど今回も面白い

  • 一番好きなのは、新山月記かなぁ。悲しくて、美しかった。
    乙姫は、突っ込みどころ満載。良いのか、乙姫。って思った。良いんだろうな。
    夜叉婆あ、分かるんだよな。子供が心配で、死に切れない気持ち。

  • 道満が敵役だけでなく、自ら働いている。もっとも自分のために動いて晴明に後始末をしているのを楽しんでいる感じだが。 首大臣は首になった兼家の行動がおもしろい。

  • 安倍清明と源博雅の物語が詰まった短編集。 今回は二人が主人公ではなく、蘆屋道満が主人公の話が二話もあり、新鮮であった。 お気に入りは「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」と「新山月記」。 前者は蘆屋道満が主人公の話で、これまた面白い。 後者は山月記を踏まえた話で、山月記を改めて読みたくなった。

  • 19

  • するする読めるのが不思議なシリーズ。
    この本は、首と唐が多かったな、という印象。
    毎度ながら、人の欲の怖さ、哀しさ、愛しさ、奥深さをしみじみ感じられる。
    新山月記、夜叉婆あが印象的で、ひたすら切ない。
    しかし、首大臣を読むと、博雅はいろんな意味でいい漢なんだなぁ、と。

  • 「首大臣」兼家さまって困ったちゃんですよね・・・。朱雀門の鬼はこのやりとりで博雅に会いたくなって出てきたのかなと考えると可愛らしい。「道満、酒を馳走されて~」の道満がすごかった。全裸にさせた死人にこちらも全裸で抱き付いて添い寝!読みながら思わず「おいおいおい」と突っ込んでしまった(笑)「めなし」冒頭の博雅のタラシっぷりがもう最高。照れる晴明も見もの。ご馳走様です。他も良作短編。この表紙は詩を吟ずる「新山月記」の虎ですね。最初滑稽に見えたけど、読んでから見るとなんとも哀愁漂ってくる。

  • 陰陽師シリーズ。

    今回は何かと蘆屋道満の出番が多かった。道満と言えば、暗躍の人であろうに、まるっきり人助けをしている話もあり、意外な感も。その時は、随分とお酒を欲していたのかな(笑) 夢枕さんが描く道満は茶目っ気があって好き。「首大臣」のように、ちょっと悪いイタズラをするときもあるけど、お灸を据える程度だし、憎めないキャラであるのは変わりなし。

  • 今回読み終わって最初に思ったこと。
    道満が普通に人助けをしているぞ、ということ。穿った見方をしていたのかもだけど、道満ってもっと欲深でにやにやと笑って人を貶める的な存在だと思っていたんですよ。それが今回は酒は要求してるけど、割りと普通に助けてくれるなー、と。パラパラと読み返せば酒以外にもちゃっかりやってたりもらったりしてるけどね。そして何気に晴明と仲良いじゃんとか思いました(笑)
    そして、関係ないけど今回残念だったのは、晴明と博雅の「ゆこう」「ゆこう」が少なかったこと。他の人のが居ることが多かったからだけど、晴明が「ゆきましょう」みたいな返しだったのが他人行儀すぎるよ晴明!とか思いました。
    でも博雅のデレに照れる晴明もいてニヤリとしました(笑)

    今回酔月ノ巻ということで、酒関係、月関係のお話しが多かったです。酒関係ということで道満もよく出てきたのかな。
    何はともあれ面白いです。人からものに変化するのときの書き方!まるで見ているかのようにまざまざと思い浮かびます。陰陽師を書きはじめて25年とのこと。まだまだ書かなければいけない話はあるとのことなので次回作も楽しみに待ちたいと思います。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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