空棺の烏 八咫烏シリーズ 4

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903026

感想・レビュー・書評

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  • 個性的な登場人物の心理描写が、素晴らしいです。シリーズの世界に愛着を感じてきました。自作も読みます。

  • 雪哉、天才か。勁草院の話だけで終わればある意味平和だったけど、終盤の展開でこの先が心配よ!

  • 八咫烏の世界を統治する宗家の近衛集団「山内衆」を養成するための訓練学校「勁草院」でのお話。シリーズの中で1番面白かったな。学園ものですから、成績争い・妬み・教官の贔屓・男の友情がてんこ盛り。新しい仲間も増え、再び人食い猿登場で次巻が待ち遠しい。

  • ・雪哉の勁草院での修行の日々の話。雪哉はなぜ今さら修行する必要もない勁草院に入ったのか?
    ・雪哉、茂丸、明留、千早それぞれを中心に描く。おそらくこの四人は後に奈月彦の力になるのだろう。
    ・奈月彦が真の金烏なのかどうかわからなくなって動揺する神官たち。
    ・今回の探偵役というか暴露役は路近。
    ・猿も登場。

    ▼八咫烏についての簡単なメモ(一巻から累積…データ消滅により欠損あり)

    【明留/あける】西家の次男坊。子どもの頃から奈月彦の側近になりたいと考えていた。勁草院で雪哉の同期となる。宮烏らしく身分を重視する考え方を持つ。「空棺の烏」で最も成長した人物と言える。このシリーズはアニメ化争奪戦がおこなわれてるんじゃないかと思われるけど、キャラに当てたい声優さんも考えてみた。明留は櫻井孝宏さんあたりがいいかな?
    【あせび】東家(とうけ)二の姫。奈月彦の嫁候補の一人。一の姫双葉に代わり登殿する。仮名を持っていなかったので大紫の御前が「あせび」と名付けたがあまりいい意味ではないらしい。宮中のことをほとんど知らない箱入り娘で天然系。権力闘争には興味なし。長琴(なごん)の演奏が得意。イメージカラーは桜のピンク。声優当てるなら花澤香菜さんでしょう。
    【市柳/いちりゅう】勁草院で修行中。雪哉とかかわりあったっけ? なんかひどい目にあったらしい。
    【羽林天軍】中央鎮護のための軍隊。
    【景樹/えいじゅ】黄烏(博陸候)だった人物。先代の真の金烏だった那律彦が消息不明になったとき一緒についていき景樹のみ戻ってきた。裏切って見捨ててきたとも考えられないではないがどんな人物だったのかは不明。のちに黄烏にまで登り詰めた。南家出身でここから南家の繁栄が続く。
    【大紫の御前】現在の王さまの正室。自分の子である長束が奈月彦に追い落とされ「前日嗣の御子」となったのでおもろないらしいし、心は今だ南家の人って感じ。声優当てるなら三石琴乃さんあたりがおもろそうな気がする。
    【珂杖/かじょう】勁草院の学生たちに預けられる竹刀。学生証みたいなものでもあってこれを紛失したら退学となる。
    【華信】勁草院の実技を担当する厳しい教官。
    【一巳/かずみ】白珠のとこで庭師をしていた。登場は少ないけど声優当てるなら中村悠一さん。まあ「劣等生」つながりで白珠に合わせてみました。実際にアニメ化するならもっと相応しい役があるでしょう。
    【金烏】すべてをクリアしてくれる存在。金烏が誕生したときは世が乱れるとも言われているが、世が乱れそうになったときそれを正すために金烏が登場するという認識のほうが正しそうだ。真の金烏が不在の間政治を執り行うのが金烏代、神事を執り行うのが白烏。現在、奈月彦が真の金烏と言われている。
    【禁門】宮中にあり真の金烏が誕生したら開き死んだら閉じられる門。その向こうには神域があるとされているが異界ということになるのだろうか。
    【空棺/くうかん】詳しくはネタバレの危険もあるので書かないが金烏の存在にかかわるものとだけ。
    【勁草院】「空棺の烏」の主舞台。いわば王の近衛兵を育てる学校。とても厳しく卒業も大変。初年度の学生を「とうじ」、二年目を「草牙」、三年目の最上級生を「貞木」と呼ぶ。三年間で「風試」「霜試」「嵐試」の三つの試験に合格せねばならない。「六芸四術二学」を学ぶ。礼楽、弓射、御法、書画、算法が五科目で六芸。兵術、剣術、体術、器術が四術。医薬、明法が二学。
    【黄烏】博陸候とも呼ぶ。朝廷における最高の称号。常にいるわけではなく宗主の統治に不安があるときなどに政治を行う。常に、歴史に名を残すほどの大官。
    【小猿】友好的かもしれない猿。
    【猿】八咫烏の敵とされている。洞窟から出てきて烏を殺し食らう。そうでない猿もいるとのことだが? 人界と八咫烏の世界の間にいるような感じもある。いったいどういう位置づけの存在であるのか不明。
    【白珠/しらたま】北家三の姫。日嗣の御子の嫁候補の一人。冬殿に住まう。光沢のある長い黒髪に信じられないほど白い肌。恐ろしいまでに選ばれることに執着している。おっとりしているあせびにあきれた。イメージカラーは白。声優当てるなら早見沙織さん。このキャラは多数決取ったらこの声優さんになりそう。
    【神祇大副/じんぎたいふ】ここ数年体調を崩している白烏の代理になっている。
    【翠寛】山内衆で今最も用兵に優れている細くて神経質そうな男。勁草院での最初の「兵術」の演習で雪哉を圧倒した。
    【すみ】最初の章に登場した子どもの頃の日嗣の御子と思われる人物の友人。「澄尾」という日嗣の御子の側近かと思われたが読み進めてみるとどうも違う人物の感じ。
    【澄尾】奈月彦専属の護衛。
    【西家】現在の王さまの側室の出身家。職人の西。
    【清賢】勁草院で座学系を担当する教官。隻腕。礼楽では近衛の任は解かれているが生徒に力の使い方を教える。
    【千早】雪哉と勁草院で同期の中ではとても強い。
    【転身】人から烏に、烏から人に変身すること。変身ではなく転身。日が暮れると転身能力がなくなるのでそのとき人なら翌朝まで人、烏なら翌朝まで烏でいるしかなくなってしまう。ただし真の金烏だけは夜でも転身可能。また、三本目の脚を切り落とされると生涯人に戻れなくなり「斬足」という死刑、山内追放の次に重い刑罰もある。
    【東家】あせびの父は南と西のどちらにもつかないつもりだったようだが自然に南についたような形になった。ただ、東家は娘を日嗣の御子の嫁にし権力を得ようとはハナからしていなさそうな余裕がある。楽人の東。
    【撫子】南家の姫。
    【長束/なづか】奈月彦の実兄。性格、能力ともに秀でており次の金烏代になる予定だったが真の金烏である奈月彦が現れたのでそれはかなわなくなった。彼を中心に宗家のお家騒動が起こりそうな雰囲気もあるが当人は弟を立てようとしている。声優当てるなら端正な声が欲しいので山寺宏一さんあたりかな?
    【奈月彦】現在の金烏。宗家の次男。「若宮」とも「日嗣の御子」とも呼ばれる。うつけの青瓢箪とか言う人もいる。飄々としつつクールなリアリストでもあるという感じで登場したがだんだん優しい人物になっていってるような気がする。声優当てるなら福山潤さんかなあ。宮野真守さんあたりも考えたのだけど。
    【那律彦】先代の金烏。現在の金烏代の四代前の宗主。禁門の向こうに行き消息不明となった。死んだとされているがどうかはわからない。猿を操っている敵だと考えることもできないではないが? さすがにそれでは救いがないか。
    【南家】現在の正室である大紫の御前の出身家。天狗との交易権を独占するなど特権をほしいままにしている。商人の南。
    【白烏】神官の長。奈月彦を金烏と認めたが後に判断を保留に変更。
    【浜木綿】南家一の姫。日嗣の御子の嫁候補の一人。夏殿に住まう。気が強そう。冷静でけっこうフランクで蓮っ葉な物言いをする。権力闘争に積極的(少なくともそう見せようとしている)。背が高くすらりとした肢体で豊満。イメージカラーは水の青。声優当てるなら沢城みゆきさん。
    【治真/はるま】勁草院で雪哉の二級下の青年。雪哉を尊敬している。
    【日嗣の御子】→奈月彦
    【藤波】内親王。奈月彦の実妹。「烏に単は似合わない」では十二歳を越えたばかり。あせびとは親しく「おねえさま」と呼ぶ。
    【鬼灯祭】花街の祭。花街に慣れているはずの明留ですら見惚れるほど幻想的で美しい。
    【北家】西家についた。最大武力を持つ。武人の北。雪哉は北家のトップ継承権第四位。
    【真赭の薄/ますほのすすき】西家一の姫。日嗣の御子の嫁候補の間秋殿に住まう。色っぽくて別格に美しいが自分の美貌を鼻にかけているところもある。赤い髪。浜木綿によると男たらしの家。独善的で高慢で強烈で他者を疲れさせてしまうタイプ。現在の日嗣の御子と藤波は西家出身の側室が生んだ子なので縁戚関係がある。プライドが高く駄々っ子的なとこはあるが悪人ではない。権力闘争ではなく恋のために嫁候補として参戦。イメージカラーは赤。声優を当てるなら悠木碧さん。とりあえず第一印象で。
    【山内衆】羽林天軍とは異なり宗家一族を護るための軍。いわば王の近衛隊。権限も大きい。勁草院で育成する。
    【結/ゆい】千早の妹。琵琶と唄をやっていて花街の鬼灯祭に駆り出された。目が見えない。
    【雪哉】全編通しての主人公とも言えそう。北家氷郷の郷長雪正の、ぼんくらとして有名な次男雪哉は心ならずも、うつけとして有名な日嗣の御子(金烏)である奈月彦の側仕えとして朝廷に入ることになってしまった。そっから彼の苦労が始まる。実は北家のトップ継承権の第四位に位置するけっこうな御曹司。勁草院に入ってから他者に何かを教えるのが信じられないほど下手だったとわかりショックを受けた。どうやら天才ゆえに自分の理解できることと他者の理解できることの差異がよくわかっていないようだ。当人以外からはけっこう胡散臭く見える。特に勁草院に入ってからはオタオタするところのまったくないふてぶてしさが目につく。声優当てるなら普通に考えたら梶裕貴さんかな? 昔なら山口勝平さんで決まりって感じやったけど。
    【路近】目茶苦茶強い八咫烏。一対一なら猿に負けることもまずないだろう。知性派でもありあらゆることを独特な視点で見通し現実的な方法を取ることができるタイプ。長束の護衛であり忠誠を誓っているがコントロールの難しい男であり長束が思うような方向性になるかどうかはわからない。敵に回すとこれほど恐ろしい相手もいないだろうし味方につけることができたら頼りになるだろう。いずれにせよ大駒なのでその存在がキーになりうる。「ろこん」とも「みちちか」とも呼ぶようだ。声優当てるなら普通は大塚明夫さんあたりかな。あるいは「キングダム」の王騎っぽい位置付けでもあるので小山力也さんとか。

  • 今のところ、シリーズでは1番好きです。
    雪哉も同輩と一緒だと少年ぽさがあって良いですね。
    彼らのやりとりに笑わされたり、絆に泣かされたり、シリアスなシーンにドキドキしたり、1番心を揺さぶられました。特に千早の章のラスト、茂さんのひと言に私もグッときました。
    そして…次が決戦ですかね。心して続きを読みます。

  • こういうのでもいいんだよ感ある第4作。来るべき猿の侵略に備え、主人公雪哉はエリート養成学校「勁草院」に入峰。一癖ある同輩たちと雪哉はどんな学生生活を繰り広げる?
    同輩もなかなかテンプレで、優しいけれど力持ちなみんなの良心担当に、キザで高めのプライドが鼻につくけど根は聞き分けの良い貴族に、一見大人しめだけど身体能力は天才的で敵には容赦のない下人とか。そんな中でチートじみた能力をチラ見せしつつ学園で台頭する主人公とか。なろう小説っぽいとは貶している訳ではなく非常に予定調和。ミステリ要素も可能な限り抑えめにし、安心して読めるという一点において非常に良いエンターテイメントと思う。
    タイトルは物語全体を駆動させるエピソードを示しており、話は進めつつエンタメするという番外編的な様相。この後続巻はエピソード0ということで、もうすでに第一部最終巻が楽しみになっている。

  • 2018.11.18

  • お?ん?
    これどうなるの!

  • 和風ハリーポッターのような印象。すごく面白くて一気読み。
    雪哉を見て、周囲の言動、兵術にしても、周りを見て自分からどんどん学んでいくことの大切さを痛感。
    個人的には苦労しぱなしの市柳が好きです笑

  • シリーズ4作目
    若宮の側近になると覚悟を決めた雪哉、
    勁草院に入って、無事、卒業できるか?
    しかも主席で?
    あれやこれやトラブルが起きはらはらどきどき

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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