新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫) (文春文庫 し 1-78)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105785

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  • まずは正岡子規の死。この人は日露戦争の前で亡くなるのだ。なんでこの人に焦点を当てたの?という疑問は第3巻を読み終えても答えはない。

    それはともかく、いよいよ日露戦争開戦。まずは東郷平八郎率いる日本海軍の連合艦隊がロシアの極東艦隊と対決。秋山真之は参謀として作戦の立案を担当。この海戦描写がメチャクチャおもしろい。さすが、司馬遼太郎の戦争群集劇。

    海戦を繰り広げる軍艦がまるで人間のように考え、行動し、死んでいく。序盤の海戦でこれだけテンションを上げてしまうと、その後の対バルチック艦隊戦でこれ以上の盛り上がりを期待できるんだろうか。と、要らない心配をしてしまう。

    そんな明快で豪快な海戦に比べて、地上戦は地味で日本陸軍の拙さが目立つ。特に弾薬不足は顕著。それを補うため、兵士個人の精神、忠誠に頼ることにした陸軍を著者は思いっきり批判する。

    やっぱり、司馬遼太郎は自身が属していた日本陸軍が大嫌いのようだ。これぞ、良くも悪くも「司馬史観」ってやつだ。

  • いよいよ日露戦争が開戦。
    明治後期の軍人たちが活躍している様子が描かれていた。
    個人的には山本権兵衛が好き。

  • 読むのにちょっと時間がかかったのですが
    日清戦争後から日露戦争に向かうまでいかに
    日本が処していったのかが描かれた巻。
    冒頭で主人公の一人である正岡子規が死んでしまい
    軍事的な話の合間に挟まれる閑話休題のような
    子規にまつわる話がなくなったのは少し寂しい気がします。

    しかし日露戦争といえば日本がロシアに勝った戦争であり
    最初から華々しい感じだったのかと思いきや
    なかなか日本の思ったように戦争が進まず
    モヤモヤした感じで終わりました。
    日本史では日本はロシアに勝ちましたというだけで
    終わりますが現実はそんな単純なわけないですよね。
    それでも司馬遼太郎の描き方なのかこの時代の日本の
    次から次へと出てくる人材の豊富さにワクワクしました。

    この巻の中で特に印象に残ったのは広瀬武夫とマカロフの死のシーンでした。
    そして東郷平八郎と秋山好古の器の大きさ。
    名将とはかくあるべきなのかと思い知らされました。

  • 第3巻、読破。

  • 日露戦争開始。広瀬戦死。

  • 2017/04/21

  • 2017.03.21読了。

  • 日露戦争開戦

  • 日露戦争に突入。
    両国の国民性や軍人たちを個性豊かに描き、且つまるでドキュメンタリーのように戦いの様子が臨場感と緊張感をもって綴られている。
    この作品に巡り会ったおかげで遠い過去に起こった日露戦争という出来事が、その背景から経過、結果まで完全に記憶に留まることになりました。学生時代の歴史の勉強が年表と人名の暗記ではなく、こんな内容だったならよかったのに。

  •  好古の訪欧から日露開戦へと物語は進む。そして、海軍の旅順海戦、陸軍の鴨緑江会戦・遼東上陸迄。
     そして、静かに子規逝く。

     一方、戦場になる清国、また韓国の思惑や視座が、これまでのところ、本作で描かれることは皆無。
     著者が本作全般で宣うように、露に比して日本が弱いのは史的客観的には事実だろう。が、日本の国土が戦場でない中、それだけじゃ足りないんじゃないか、という感しか残らない。

     とはいえ、著者の(昭和)陸軍への恨み骨髄節が徐々に露わに。陸軍の某将を称して「勇猛の裏にあるものは単に軽率でしかない」には、余りの辛辣さと的確さに爆笑。


     8巻中の3巻目。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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