新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫) (文春文庫 し 1-81)
- 文藝春秋 (1999年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105815
作品紹介・あらすじ
作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。だが兵力の消耗は日々深刻であった。北で警鐘が鳴る。満州の野でかろうじて持ちこたえ冬ごもりしている日本軍に対し、凍てつく大地を轟かせ、ロシアの攻勢が始まった。左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躪され、壊滅の危機が迫った。
感想・レビュー・書評
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日露戦争の陸軍のジリジリとした展開からいよいよ佳境に入ってきました。
攻防が手に汗にぎる感じが伝わります。
次巻に期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上層部が固定観念に凝り固まっている場合、その下の人間(改革、改変を上申する人)は苦労したり不幸になったりすると思う。今ならば転職するなど出来るけれど、戦時下ではそれも難しく運命を受け入れなければいけなかったのかもしれない。
正岡子規が亡くなってからは戦艦や戦術、人物像や弾薬の説明が多くて読み進めるのが中々難しい。
それでもこの「坂の上の雲」はいつか読まなくてはならないと思っていたので、今月中に読了したい。
別の日に書いた感想
明石元二郎の登場する「大諜報」の項は面白くてあっという間に読んでしまった。
また、バルチック艦隊の項も詳細が書かれていて面白かった。
気になった人物
黒木為楨 津野田是重 -
▼旅順を、あっという間に落としてしまう児玉さん。ここンところの描き方は天晴。ヤクザ映画の終盤のような、カタルシス。▼当然、戦闘ではなくそこに至る人間模様が滋味深い。確実に「坂の上の雲」で司馬さんが書きたかったことベストテンに入るくだりであろう。▼それにしても、たかが紙に文字がいっぱいあるだけなのに、そこに未知の山河で右往左往する幾万の軍勢が、その足元の凍てつく寒さまで感じられる。割と突き放した「半ルポルタージュ風」なのに。取材の情熱と、話題の並べ方。それに加えて、「感情的にならぬよう」と自分に叫びながら溢れ出ちゃう書き手の思い入れ。▼そうか、敢えて言えば「戦争と平和」トルストイ。アレも読み終えた途端に再読を夕日に誓ったものスゴイ小説だった。
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黒溝台付近の会戦から、バルチック艦隊のマダガスカルでの長期碇泊、奉天会戦への流れ、壮大です。
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なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、
権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。
この巻で面白かったのは諜報員の明石源次郎。
諜報員なのに偽名を使わず時に体当たりでスパイ活動をする何とも型破りな人物。その活動の根底にあったのが作者の語るように、国のために死んだとしてもスパイだと名前が残らないことに対する抵抗だったのかは分かりませんが、もしそうならなんだかとても人間臭い人物だな、と思いました。
ロシアの革命の機運や欧米の動きも書かれていて、それもまた興味深く面白かったです。読めば読むほど日本が日露戦争で負けなかったのは、当時のロシアの国内混乱や革命気運のおかげだったのだな、としみじみと感じます。
司馬遼太郎が作中で日露戦争後、日本がロシアの敗因を分析していれば、神風の信仰もなくその後の無理な太平洋戦争に突き進むこともなかっただろう、と書いているのですが、
それが非常に的を得ているな、と感じました。大国ロシアに対して奇跡的に負けなかったのもきっと、奇跡なんかではなく様々な要因が積み重なった必然で、それを見誤ると大変なことになるのは、国家でも個人でもきっとあまり変わりはないのでしょうね。 -
ハワイ旅行における旅のお供として読んだ本。
いよいよ、日露戦争における終盤戦、奉天会戦へ。
そこにはただ純粋に戦力のみで勝つという話だけで無く、政治や戦術など、様々なものが絡み合って終盤へと紡いでいく。
一つ一つの話をもっても人の模様や歴史背景が丁寧に、そして臨場感もって描かれており、スッと引き込まれていく。 -
ウィリアム・フェントンさんの名前が出てきた。
初めて君が代作った人。 -
とても面白かった。
ロシアという国がなんとなく分かった気がする。
当時の日本の雰囲気もよく想像できた。 -
展開が進まず、じりじりとした雰囲気が伝わってくるようでした。巻の終盤で、漸く物語が動き出します。次巻が楽しみです。
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大諜報の章では、日露戦争が起こった時代の革命機運高まるロシア情勢を知る事が出来ます。