空港にて (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.17
  • (84)
  • (219)
  • (678)
  • (118)
  • (37)
本棚登録 : 2428
レビュー : 290
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167190064

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 偶然が次の偶然につながってドミノ倒しのように展開していく。気づいたらスタート地点には想像できないようなkぴょに。よかったね、とでも声をかけたくなる話。あとがきで筆者は「希望」を描いたとのこと。裏返せば、これまでは「文学」で扱われたような絶望や不安などはもはや当たり前であると言う。村上龍にとって、その「希望」は昭和の日本からの脱出にあるように思える。そこに共感する。

  • 2012/04/30

  • ひたすらの状況描写が快感。フェードしてそのままドロリとした心理描写に流れ込む、そんな9編の短編。この人の作品読むと文体が憑っちゃうから困るね。

  • いろいろな場所を舞台に、個々人の小さな、ささやかな希望を「時間を圧縮する技法」を用いてえがいた短編集。

    どの話もはっきりいって他人からすればどうでもいいような問題を題材にしている。日本の現状だとか、社会問題について語るのではなく、あくまで個人的な問題を取り上げていて、一言でいえば「よく見ているな」と思った。

    普通、見過ごしてしまいそうなほど日常的で、個人的なものをここまで濃密に書くというのはかなり難しい。前々から村上龍は洞察力がずば抜けていてさらにそれを言葉にするのが上手いと感じていたが、この本ではそれが最高に活かされている。

    各話はどうにも霧がかった、不透明な状態から始まり、やがて主人公たちはささやかな「希望」を抱き、終わる。決して雲がなくなって青空が見える、といったものではないが、雨が弱まり雲が少し明るくなりつつあるような感じで終わるので、終始穏やかな気持ちで読むことができた。

  • 著者が傑作と自画自賛する「空港にて」を含む短篇集。


    どうも私は苦手です。読みづらいし、あまり感情移入もできなかった。

    回りくどい表現も苦手かな・・・

  • どこかに行きたい。行きたくなる。

  • 好きな短編集です。
    やはり表題作が印象深い。

  • 新聞で村上龍さんの連載を読んでいて興味を持ったので読んでみた。
    でも、全体的にすっきりしない結末にモヤモヤ。
    読み終わって、「だからなに?」みたいな。
    短編だから仕方ないのかなぁ。
    人物の描写はすごく好きな感じなんだけどな。

  • 村上春樹を読んでる人には思われたくないけれど
    村上龍を読んでる人には思われてもいい人です。

    短編がいくつか入ってる文庫本なので
    読もうと思えばぺらぺらーっとすぐ読むことができます。
    でも最初の2,3個を読んでみるとそんなに簡単に読みきれないってことに気付きます。
    好き嫌いが多そうだけど、村上龍の本をわざわざ手に取ってるようなんだから
    或る程度は抵抗なく読めるだろうけど





    読み終わってもな~んかすっきりしません。
    著者は留学への希望を表してるとか言ってるけど、
    1回読んだだけでは希望なのか現状への不満なのか、はたまたどっちもなのか良くわかんなくなります。
    まぁそれは読む人の捕らえ方次第なんで読んでみて考えてくださいって感じ。
    1つ確かなのは読んですがすがしい気分に慣れる人は珍しいってこと。
    まぁ村上龍だし。

    1970年代のどこかの時点で、何かがこの社会から消えたんだ。
    それは、国民全体が共有できる哀しみだと言う人もいるが、
    それが何なのかはそれほど大きな問題じゃない。
    大切なのは、このワインと同じくらい価値のあるものをこの社会が示していないし、示そうとしていないことだ。

    …(*ノ∀ノ)イヤン

  • 2008年05月13日 13:36

    著者が自ら最高傑作と称した「空港にて」を含む短編集。

    取り上げられているのは雑多の中の個。
    設定される場所も、ありきたり。
    スポットを当てられる人もありきたり。
    何が起きるわけでもなく、時間の経過と当人の思考と周囲の観察があるだけ。
    それをひとつの作品に仕上げるところが作家ですね。

    勝手な想像だけど、この短編は期間かけて書いたんじゃないかな。それぞれに配分される希望と惰性の割合がすごくばらばらに感じた。
    「コンビニにて」と「クリスマス」がいい例だと思う。
    個人的には「居酒屋にて」が好き。

全290件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上龍の作品

ツイートする