あなたと、どこかへ。 (文春文庫 編 2-36)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717827

感想・レビュー・書評

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  • 情報科教員MTのBlog (『あなたと、どこかへ。』を読了!!)
    https://willpwr.blog.jp/archives/51312960.html

  •  新しい作家を開拓したくて、ずっと気になっていた石田衣良さんの小説を探していました。
    まずは短編集から入ろうと思ってあれこれ見ていて見つけたのがこの作品。
    アンソロジーって1冊で色んな作家が楽しめるお得感満載で結構好き。
    角田さんも書いてるし早速読み始めてみることに。
    これは、日産TEANAスペシャルサイトに連載されていたものらしく、ドライブがテーマになっています。
    そのドライブというのは一人だったり、昔の恋人だったり、夫だったり、年老いた母とだったりと様々。
    同じテーマからこんなに色んな作品ができるということに関心しつつ、じわっと涙が出そうになった作品が多数…。

    印象的だったのは、吉田修一「乙女座の夫、蠍座の妻」。
    勝手気ままに生活している妻、それにいらいらしつつもうまくバランスが取れているように感じている夫。
    そんな二人にも車の中で話し合った大切なことがあって…というもの。
    吉田さんの小説は初めてですが、会話のテンポがいいなぁというのが印象的。

    続いて角田光代「自足40キロで未来へ向かう」。
    ある日突然ブレーカーが落ち、色んなことを止めた主人公。
    その理由は最後に分かることになります。
    家に引きこもった姉を心配してやってきた弟と出かけたドライブ。
    そこで主人公の心に変化があって…。
    やっぱり私は、この人の文章が好き。
    話とか会話のテンポの良さも読みやすかった作品です。
    他にも初めて読んだ甘糟りり子・川上弘美・谷村志穂さんらが印象的でした。
    あれ?石田衣良さんは??
    う〜〜ん。ぶつ切りの文章がどうも…、といった感じです。



  •  谷村志穂さんの作品、
     よかったです。

  • 読みやすい。
    ドライブに行きたくなる、、かも、。

  • <FONT COLOR=#000066><B>恋人と、妻と、兄弟と、家族と、あるいはひとりで…さあ、ドライブに出かけよう。かつであった愛を探しに、いまここにある愛を確かめに。ここではない、どこかへ。あなたと、ふたりで。8人の短編の名手が描く、8つの愛の情景。<クルマで出かける場面を用意すること>だけを約束事に8人8様の個性豊かな短編アンソロジー。</B></FONT>
    <BR><BR>
    という裏表紙の解説どおり。作家は吉田修一、角田光代、石田衣良、甘糟りり子、林望、谷村志穂、片岡義男、川上弘美。この手の企画もののアンソロジーは大抵期待外れなのだが、これはなかなか粒ぞろい。薄くて字の大きい本なので、外国人の現代日本小説紹介本として仕事に使える。収穫収穫。

  • 車で出かけるシーンがある短編集。
    石田衣良の話が「本を読む旅」というタイトルで、中に「〜暇ができたときに気晴らしに読む作家のリストに加えた。これは無数にいるようで、なかなか長くならない貴重なリストなのだ。普通に気もちよく読めるというだけで、小説は立派なものである」という一文があった。なるほど、と思う。
    中では谷村志穂と川上弘美がやっぱりすき。あまり読んだことがない人では吉田修一かな。
    (08/10/26)

  • 日産TEANAの企画、8つの短編集

    印象的な文章は、

    時速40キロで未来に向かう(角田光代)
    「何もかもが全部嫌になってしまうときがあるにしても、それでもやっぱり大人のほうがいい。行きたい場所にアクセルを踏み込むことのできる大人の方が。」

  • 8人の作家による短編集。約束事は「車ででかける画面を用意すること」。
    作家人は以下の8人。吉田修一・角田光代・石田衣良・甘糟りり子・林望・谷村志穂・片岡義男・川上弘美。作家陣は一番若くても1968年生まれの吉田修一。そのためか全体的に大人の短編集といった趣です。
    やはり角田光代はうまいなぁと思う。身につまされすぎるような女性を描くのは秀逸だと思う。そして川上弘美の描く大人はかわいらしくて素敵と思う。谷村志穂の『娘の誕生日』という話はオーソドックスと言えばオーソドックスだが、単純に感動してしまった。

  • 恋人と、妻と、兄弟と、家族と、あるいはひとりで、どこかへドライブへ出かけよう。というテーマに書かれた、8人の作家による短篇アンソロジーです。

    それぞれの話の分量もそれほど多くなく、さらりと読める内容なので、ちょっと読書したいなあという時に最適かもしれません。
    それに、ストーリーもとても爽やかなものが多い。
    物理的にただドライブする、というだけではなく、今ある日常から飛び出す旅であったり、過去に舞い戻る旅であったり、精神的に旅するというものばかり。だからこそ、読後、心が少し洗われたような不思議な心地になるのかもしれない。

    個人的には、石田衣良さんの「本を読む旅」という、まさに本を読みに旅をするだけという短篇が気に入りました。こういう旅をいつかしてみたいものです。贅沢極まりない。
    その他に、角田光代さんの「時速四十キロで未来へ向かう」という姉弟のドライブを描いた短篇、そして片岡義男さんの「遠い雷、赤い靴」という過去妻との出会いの場所へ旅をする夫を描いた短篇も素敵でした。

    しかし一番印象に残ったのは、トリを飾っている川上弘美さんの「夜のドライブ」でした。
    母親と娘が旅をする短篇なのですが、最初から最後まである不思議な物悲しさと、柔らかい雰囲気は、川上さんらしいなあと。ストーリーも、切ないような優しい母娘の日常を描いています。
    うーん。いいなあ。

  • 29/06/08

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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