まひるの月を追いかけて (文春文庫 お 42-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167729011

感想・レビュー・書評

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  • 再読。なのに途中までどんな作品だったか忘れていた。読んでいるうちに徐々にラストを思い出し、「ああ、あのラストがやってくるのかぁ・・・」と思いながら結末に辿り着いた。主役になりたくない静に、きっとこれから主役が回ってくる新しい物語の始まり。前向きで明るいラストとは言えない。新しい旅が楽しいだけの旅であるはずがないのだから。それでも旅立たなくてはならないのが人生なのだ。脇役でいたい私は静に共感。

  • 何度も裏切られた。さすが恩田陸。
    曇天の明日香村が思い出される。そして「汗」。他人との二人旅を強いられた主人公が、歩かされている間にじわじわとかく、物理的な汗。そして先が見えない旅にじわじわ焦る、精神的な汗。曇天がとてもマッチする内容だと思う。
    「まひるの月」って結局どういうことだったのだろうか。じゃあその時太陽は?そんな風に考えてみても面白いかもしれない。もう一度ちゃんと読みたい。

  • 奈良の情景描写が印象的で、旅行に行きたくなるような思いに駆られた。また、話と話の間にストーリーと関連がある童話をはさむ構成はよかった。
    しかし、全体的なストーリー性に少し物足りなさを感じた

  • 言葉にならない気持ちの表現がうまいなあーと感動しました。あー..このもやもやわかる、でもこれうまく言葉にできなかった!って描写ばっかり。そして、話の展開や運び方に、どんどんペースが引き込まれます。「連続ドラマ的」って言葉がぴったりな一冊でした。

  •  宗教、神話、歴史、古墳、寺社仏閣などの歴史的情景をふんだんに描き、かつ童話を挟む事でシンボル性を高めている。
     伏線はあったのかもしれないが、後出し的にポンポン話が二転三転したような印象が残った。
     物語や仕掛けを楽しむというよりは、象徴や対比といった比喩描写を楽しむ。(海外)文学のような精神世界、紀行文のような道をたどる、そういった部分が強い作品。

  • 頭の中で原坊が「♪な~がれる雲~を追い~かけて~」を
    歌ってイマス。

  • 思わず奈良に行きたくなるような、そんな情景描写と謎めいた展開が良かった。
    途中に童話を挟みつつ、舞台効果もあって、一体どんなオチが待っているのかと思ったら……個人的にはオチがいまひとつでした。
    思い返してみると、伏線はあったのですよね。
    切ない愛の形というのも、伝わってきたんですけど……これまでの話の流れからして、ミステリーとかファンタジー系のオチを勝手に期待していたので。

  • 久しぶりに再読。これ、ストーリーは別に好きじゃないんだけど。奈良をゆっくり歩いてみたくなる。私は生粋の<旅行嫌いで机上旅行好き>だから、そういうわけで結局ずるずる本棚に居座っていて、今回もやっぱり手放さない気がした。静の性格はまさに恩田陸!な女主人公で好きだし。まぁいいか、まだしばらく本棚で。机上旅行@春の奈良、楽しかった。

  • 不安を抱えたまま、旅に出る。。。


    母親の違う兄の彼女、1度しかあった事のないその女性に誘われて、失踪した兄を捜す旅へ。


    でも、それは仕組まれた旅。

    何かを捜す旅。。、


    旅を進めて分かった真実が増えると、嘘も増える。


    最後に辿り着いた真実は、思いがけない切ない恋愛の形だった。。。

  • 話の中にいくつかの童話を差し入れる構成がおもしろかった。

    ラストのオチは、なんだかなぁ・・。

    執着心をどのように昇華させるか、それぞれの登場人物の選んだ方法の違いが興味深い。

    振り返ってみるとおもしろい話なのかも。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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