まひるの月を追いかけて (文春文庫 お 42-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4453
感想 : 399
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167729011

感想・レビュー・書評

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  • 兄に興味の無かった妹が、旅の最中に心が変化していくのが面白いです。 女性というのは自分がある関係性の中に蔑ろにされると好きでも無い人でも好きな感情に引っ張られるのかな?

  • 最後にわかる一人の女の正体。倫理的に軽蔑する。最悪。

    佐野史郎氏が解説を書いていますが、まさかこの人選にヒントがあるとは。

  • 失踪した兄を、兄の恋人と探す旅。
    なのに、2転3転する関係!
    ライターの兄が取材で出かけたまま失踪。
    異母兄なので接点はほとんど無かったにも関わらず探す旅に出ることに。
    奈良のガイドブック的な要素もあり、旅してる気分になります。
    小学校の遠足で行った明日香、友達と出かけたならまち。
    情景がすぐに思い浮かぶのは良いです。

  • 本作、失踪した兄研吾を探しに、妹の静が兄の元カノと旅をするというところから始まります。その意味ではミステリーがベースとなっています。

    ・・・
    小刻みに事実が明らかになり、その不穏さに読んでいてじわじわ・ゾクゾクしてきます。

    兄の元カノが実は元カノではない、とか、実はその元カノは死んでいた、とか、兄と元カノともう一人の三角関係?であったとか。加えて、そもそも兄といっても異母兄だったりとか、複雑な家庭環境であることから、異母兄弟で恋愛かも!?という仄めかしも。

    かような事実が兄を探す旅の最中に徐々に明らかになります。落ち着いた筆致のなかで、誇張もなく淡々とツイストが繰り出されます。冷静な展開に、これは実はモダンホラーなのかと勘違いするほどでした。

    ・・・
    さて、主人公静が兄探しをする相手は、結局は高校生時代からの兄の友人である妙子であることが分かりました。で、その場所たるや、奈良なのです。

    橿原神宮や藤原京跡など、由緒ある史跡にかつての歴史上の人々に思いを馳せながら歩く二人の様子は味があるものです。奈良をご存じの方はきっと楽しめることと思います。知らないでも雰囲気がありますが、知っていたらもっと楽しかっただろうなあと、読後に羨ましく思う。

    いや、たしかに奈良は私も一度行ったことがありました。子どもたちが小さいころに数年程大阪に住んでおり、休日に奈良公園に出かけたのでした。鹿せんべいか何かを買い与え、子どもたちが手づからやると鹿に手をベロンと舐められたか何かで、子どもたちは驚きのあまりギャン泣き笑 ということで史跡のイメージがない笑

    史跡をゆっくり歩くという旅もしてみたいですねえ。

    ・・・
    ということでまたもや恩田作品でした。

    ふつふつと不穏な空気が漂うミステリーでした。ちなみに最後は驚きの結末でした。ややメロドラマチックな結末!?

    恩田さんのファン以外にも、奈良好きの方、史跡好きのかたは旅のお供に読まれてみてはいかがでしょうか。

  • 消息不明になった異母兄を探すため、その恋人と一緒に奈良へと向かう静。
    奈良が舞台で楽しみだったけれど、女性二人旅はだらだらとお互いを探り合うばかりで、せっかくの奈良の風景も情緒もどんよりと感じました。
    優佳利と妙子と研吾、それぞれ苦悩を抱えた微妙な三角関係とそれに巻き込まれた静のとばっちり感。
    話も分かりにくく少し薄気味悪かったです。
    研吾ってそんなに魅力的?源氏の君的な?
    奈良の魅力もあまり伝わってきませんでした。残念。

  • 行方不明の兄を探すため兄の恋人と奈良に向かう話。嘘に嘘を重ねる展開に何が本当か発言全てを疑ってしまう。そして予想通りに全く進まない展開に先がどうなるか気になる。奈良の町を歩きながら過去を遡る旅に同行した気持ちになる、実際に奈良を歩いてみたい。

  • 奈良の町を歩きたくなる。
    私も、歴史が好き。人の手で、作り上げたものが今も見られる事に感動する。
    その時代を感じられる場所がとにかく好き。

  • うーん…最後まで展開が読めずに読みきったけど。どうも納得できない。

    • Tekazuwowさん
      まったくですわ。最後の最後にきて、ナニソレ!でございました。。
      まったくですわ。最後の最後にきて、ナニソレ!でございました。。
      2023/06/24
  • 奈良、一種の独特な土地柄、ミステリーの恩田ワールドに磨きがかかっているような…

    10年前くらいですか、奈良に行った事がありまして、その情景に登場人物達を投影させながら読んで、何となく実写に近いようなかたち。

    文中後半にある手紙が出現するんですよ、メール、携帯電話で気持ちや思いを伝えるのが当たり前の世に生きる私には何かショックというか、感慨深いものを感じました。

  • 驚きの事実が次々と明かされ、最後まで目を離せない小説である。奈良に行きたい。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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