まひるの月を追いかけて (文春文庫 お 42-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167729011

感想・レビュー・書評

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  • 自分のことが好きになれない主人公静。京都を舞台にして、随所に歴史を語る箇所があり勉強になる。

  • 奈良を旅行する前に再読。
    大筋は覚えていたけど、結構忘れているところが多かった。
    “月のうさぎ”の話はすっかり忘れていたけど、読んだら涙出そうになった。
    10年前に読んで以来、奈良を訪れたいと思っていてようやく実行に移せたので楽しんできたい。

  • どんな話かまったく知らずに読み始めた「奈良巡りツアー」。10年くらい前に実際に行ったときの記憶を思い浮かべてたしかにそんな感じだったあなどと思いながら。母親に複雑な感情(コンプレックス)がある、主に女性たちの物語という意味で、ちょうど今期見ているアニメ「はねバド!」を連想した。冒頭に出てくる「どうして月はずっとついてくるのだろう」という疑問は、うちの子どもたちも保育園時代に言っていた。最初言っている意味が分からなかったけれど、ずっと同じ位置に見えている=ついてくるように感じるのだ、と気づくのに結構時間がかかったのを思い出した。

  • 舞台は奈良。閉ざされた環の中、全員が取り残される。

  • 梶原神宮前駅の描写は、きのうの世界の宇治駅の描写を思い出させて、「あれ、この本読んだっけ?」となりました。結果読んでなかったけど。夢違でも奈良の街が出てきたことを今感想を書きながら思い出しました。
    兄の彼女の名を語り主人公と一緒に旅に出ることになった妙子。主人公の静、そして腹違いの兄の研吾。
    そういえば恩田陸の作品には旅する30代の大人しい女性が多く出てくる。
    妙子の思惑、主人公の静の記憶、研吾の隠していること。
    読み進めていくと少しずつほつれていく。
    妙子と研吾とゆかりの関係は苦しいものだったのではないだろうか。研吾の愛してる人は他にいて、その代名詞としてらつかわれていた静。
    静の記憶の過去の描写も自分の体験と重なる部分もあり、入り込んでしまった。
    名前は呪縛。
    生と死。
    そんなことを思いながら一気に読んだら呆けてしまいました。

  • 長く会っていない兄を、兄の婚約者と探す、道中記。
    節々で驚きの展開が用意されている。
    が、それとなく読み手に推測させているので、無理がない。
    兄の、想い人も無理がなかったので、なんか物足りなさがあった。

  • あー何てこと。そうだったのか。最後の数ページでこの本のテーマが目の前に広がる。彼の最愛のあの人とは。直前までロードムービーな感じ。奈良の風景。邪魔にならない彼女たちの会話。大人の女性の悩みや感情や身近な物語かと思ったが、そして最後。静かな自然豊かな風景が突然荒野に変わったその一行。今思い返せば衝撃だったんだ、うん。

  • 月を見ているのか、月から見られているのはわからなくなる。
    月は一体何を表しているのか。
    静の母である気もするし、研吾の母である気もするし、二人の父である気もする。もしくは自分自身や自分自身としてのお互いであるようにも感じる。
    その月は二人にとって希望であると同時に絶望であるように思えてならない。
    他人に誠意が尽くせない分、研吾は最愛の人には最大限の誠意を尽くしている気がするし、その一端が静にも掛かっているようにも思える。
    この物語の間、静は常に3番目の登場人物だった。
    だけどラストシーンで一気に母と静の物語に反転して、研吾が3番目の登場人物になる。母と研吾の思いに気付いた結果そうなるのが秀逸。
    結局はこの話は静と静の母の話であるように思った。

  • 何度も繰り返して読んだ作品。今回は、旅行で奈良へ行ってきたので。
    失踪したという異母兄の研吾を探して、奈良を歩くロードノベル。奈良がこの作品の舞台として絶妙だ。穏やかな田園風景。雨に降られても、坂道でも、黙々と歩く。そんな舞台に奈良はぴったりだ。
    小さなどんでん返しを繰り返し、明かされないなぞをもち続けながら、黙々と歩く。派手な展開はないけど、無心に歩いているかのように無心にページをめくる。読み終わったときは、ひとつの旅を終えた充足感がある。

  • 再読4回目。
    あぁ、明日香に行きたい。大切な人と。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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