- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167729011
感想・レビュー・書評
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「行方不明の兄を兄の恋人と探しに行く」
確か『三月は深き紅の淵を』の中でそんな話があった
研吾が「あの人」のことを好きなのはなんだか途中で一瞬そんな雰囲気が頭を掠めた気がしたから最後はそこまで驚かなかった。むしろ突然フェアリーな話になってしまったらどうしようって思ったりしてた。
妙子、静、研吾が見た「優佳利」の姿は結局なんだったのだろう。
テンポが良くて(特に毎章の不穏な終わり方が更に加速感を強めている)もう1回読み返した方が面白い気がする。寓話の効果も深く考えたい。
所々で「大和三山は人工的なピラミッド説」、「(明日香は)死者のまち」とかいう都市伝説的話題というか読んでいて突然はっとさせられるような会話をねじ込んでくる恩田ワールドが好き。
読み返したけどなんで橘寺だったんだろう。そしてなんで妙子は甘橿の丘で静にカマかけたんだろう。
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奈良が舞台だからか、湿度を感じる空気が静かに物語に漂っている感じがした。ただ穏やかに旅が終わると思いきや、意外な展開と結末もあり楽しめました。ただ、終わり方が含みがある感じなので、読む人は選びそうな感じがした。
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以外な結末に何かすっきりとはしないまま終わってしまい、もやもや感と重たい気持ちのまま読み終えてしまった。テーマは人の愛なのかな?救われない感じ。
ただ解説が佐野史郎さんで帯に書かれているコメントが素敵で。
役者さんが読むとまた違う世界が見えるのかな。 -
関西を舞台にした小説を探していた時に出会う。
奈良は日本で最も歴史ある町であり、しっとりとした落ち着いたイメージを持っていたが、そのイメージに違わない雰囲気で土地の雰囲気が描かれていた。
近いうちに訪れたいと思う。
肝心な中身の方は、何を描きたかったのか良く分からず、恩田陸さんの作品にしては珍しく全く響いてこなかった… -
行方不明の兄、その恋人と旅行、全然先が読めんかったんやけど、なんやろ、これ、みたいな感じ。ちょっと気持ち悪い。
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全体的に平坦なストーリー。
ラストとところどころに意外性はあったが、そこまで驚かされない。
話の持っていき方と伏線の張り方でもう少し良くなりそうな気がする。 -
奈良はよく行くので情景が浮かんでくるので
比較的物語に入り込みやすかった
研吾の愛する人が誰なのか途中で想像できてしまったけど
それだけが結末ではない人間模様に引き込まれていった