祐介・字慰 (文春文庫 お 76-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 662
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912741

感想・レビュー・書評

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  • 怒りと嘆きに敏感な物語だった。臭いに対しても顕著で、ある人たちにとって昇華された作品だと思った。良い意味で汚い。でもそれがまた小説なのにリアリティのある人間らしさがあった。ぼくは救われなかったけど。

  • 尾崎世界観の書く詩は好きなんだがなぁ

    独特の発想力とか言葉の使い回しは面白く感じたけど、話が単調すぎた

  •  非常に面白かった。
     クリープハイプの音楽は少し聴いているし、尾崎世界観という人物についても、ほんの少しだけ知っている。小説は、作者が誰であれ物語のみを評価すべきだと思うけど、この物語に関しては、尾崎祐介が書いたということで物語がさらに生きていると思う。
     日常で感じる小さなこだわり、そこから発生する自分ではコントロールのできない怒り、今のわたしの感情を代弁してくれているようで、読んでいて力が漲った。


  • このあまりにもな救われなさに、逆に救われてしまったような気がした。

  • 祐介の最後に出てきて物語を大きく動かす人物、めぐみちゃん。の文字が欲しい小学生の僕。他人の何かを徹底してつき止めたらもう自分には戻れない。あらゆる手を使ってでもなりたいものがある子供の頃に戻りたくなった。どんどんエスカレートしてく行動と、最初はひらがな混じりの文面だったのが、他人に染まっていくので増える字面の漢字。書いてる時が気持ちよくて快感で狂気じみてるなんて、まさに字慰。握ってる鉛筆をソレに例えているのも面白い。

  • スピンオフのみ

  • クリープハイプの尾崎世界観さんの書。「祐介」が「世界観」になるまでの小説・・・

    私はクリープハイプの特別なファンというわけでもなく、単純に本屋で手に取っただけなので普通の小説として読ましていただきましたが、最初の素直な感想は「なんだこれ、エグい・・・気持ち悪い・・・」でした。様々なことにたいして、その都度まとわりつくような文章が続き正直やられました。これ以上続くのであれば正直途中で読むのをやめていたと思います。

    言い方を変えれば濃密で濃厚な作品。まあこういってはなんですがよくある売れないバンドマンの感情をぶつけていけばこうなる、というものを尾崎世界観にするとこうだ!といっているような作品、ですかね。

  • 人間の頭の中って人それぞれこんな風になっている思う。
    普通はなかなか見せることはないが、見せてくれている作品。
    と、思わせてまだまだ奥のほうに何かがありそうで、深い。

    感情を言葉にする天才。

  • 前に「祐介」は読んだことがあり、今回短編の「字慰」が追加収録されたため、再度「祐介」から読み直してみました。
    尾崎さんらしいと言っていいのか、比喩が独特で粘着質でそこに比喩がいる・いらないは関係ないといった印象です。得体が知れない感があり、それを素晴らしいと評価できるものとできないものがあり、これは自分的には後者なのかなと思います。話の内容や展開はぶっ飛んでいて面白いと思うのですが、表現の仕方の問題なのかなと思います。字慰のほうが面白かったです。一つのことに固執するこじれた感じがよかったです。
    クリープハイプは好きです。歌詞も音楽も声もすごく好きです。次回作を楽しみにしてます。

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著者プロフィール

1984年、東京都生まれ。ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル、ギターを担当。作家としても活動し、これまでに小説『祐介』、日記エッセイ『苦汁100%』『苦汁200%』(いずれも文藝春秋)、『犬も食わない』千早茜との共著(新潮社)を上梓。

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