夜間中学へようこそ (物語の王国 2-8)

著者 :
  • 岩崎書店
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本棚登録 : 280
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265057887

感想・レビュー・書評

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  • おばあちゃんが夜間中学に通うことになった。怪我をしたおばあちゃんの付き添いで中学一年生の優菜もしばらく夜間中学に通うことになり…。

    優菜の目をとおして、生徒の年齢や国籍が多様な夜間中学の様子が描かれる。こういう題材を扱って説教くさくならないところがよい。

    優菜が通う昼間の中学校との対比がもう少しあるとよかった。

    優菜のような真面目な優等生タイプにはスッと届く物語であるが、和真のような子に届くかというとどうかなという気もする。

    小学校も中学校ももう少し年齢の幅など多様性を許容するしくみになるとよいのに。日本では大学ですらそれがないのだから無理か。

  • 年配の作家が書いた児童文学だけに、恋愛も暴力、虐待もなく、今どきの児童文学のお約束のいじめ・不登校・引きこもりはあるけど、全体にあたたかく、優しく、まじめで、親も先生も100%安心して子どもに読ませることができる。
    主人公がいい子過ぎる、母親が文盲なのに息子が何十年も気づかない、送り迎えの家族が給食を食べ、授業に参加できるのか?など疑問もあるし、せっかく外国人の生徒を描くなら、イスラム教徒(給食はどうするのか?)や在日の生徒の姿も書くべきだったのではないか、教師がなぜ夜間で教えている理由など教師のバックグラウンドも書いたら厚みが増したのでは、など言いたくなる。せっかくアフガニスタン人もいるって書いてるんだし。
    あまり本が読めない子どもには、楽に読めていいかもしれないが、読んですごく惹かれる、夢中になって読む、というような本ではない。ただ、最後まで読める本ではある。
    いかにも教師が書きそうな、いい話。
    リアル中学生が自発的に手に取るようなタイトルや絵でもないし。
    こういう本こそ、ちょっと恋愛要素を入れて、挿し絵や表紙をラノベっぽくしたら良かったのに、と思わなくもない。それでも夜間中学じゃ厳しいか。

  • 当然のように公立中学の1年生になった優菜。
    いろんな理由から夜間中学に通う生徒たち。

  • 課題図書3

    読み書きができるって幸せなんだよな。

  • 読み書きができないおばあちゃんが夜間中学に通い始める。ひょんなことから、おばあちゃんと一緒に学校に通うことになった孫のゆうな。ゆうなとおばあちゃんと学校の人たちとの交流が温かい、良い作品。

  • 児童書だったけど 凄く 読みごたえがあって あっという間に 読み終えてしまいました。ラストは ホロリ…ゆうなちゃん、いい経験が できたよね♪

  • 家の事情で学校に行けなかったおばあちゃんが通い始めた夜間中学。学生達はみんな何かを抱えているけど、勉強ができる喜びで心満たされている。彼らは決して惨めじゃないし不幸じゃない。

    息子や孫の名前を漢字で書けた時、自分の名前に込められた親の思いを知った時おばあちゃんは涙を流す。そんな事が嬉しくて幸せを感じるおばあちゃんが愛おしくてたまらない。

    おばあちゃんの「戦争でじゃなくて、栄養失調で死んだ子どもの方が多かったかもしれない…」の言葉が頭から離れない。
    戦争の生々しさと戦争を知らない孫の優菜のバランスがよくて児童書としてすごくいい本だと思った。

  • 優菜(ゆうな)は春から中学一年生になった。
    同時期にゆうなのおばあちゃんも青葉中学校に入学した。
    おばあちゃんが入学したのは夜間中学だった。
    中学に通い始めたおばあちゃんは、転んで足をけがしてしまう。
    ゆうなは登校の手助けをかって出た。
    おばあちゃんに付き添って行った夜間中学は、いろいろな年齢、性別、国籍が入り混じる一風変わったところだった。
    しかしゆうなが付き添ううちに、夜間中学の楽しさを知ることになる。

    松本さん
    和真
    ミオちゃん

    カルロス
    アンドレ

    人は何のために学ぶのか
    そんなことを考えさせるお話


    参考文献
    夜間中学生タカノマサオ 武器になる文字とコトバを
    学校 松崎運之介
    学校が教えてくれたこと 山田洋次
    おとなになれなかった弟たちに・・・

  • 主人公の女の子とともに、祖母が夜間中学に通うことになる。おばあちゃんが学んでいる間、中学にいさせてもらうことになる。いろいろな国籍、年齢の人達を知り、成長していく。

  • 行きたいから行くということが何よりの力になります。
    それにしても、主人公も先生も知らな過ぎではないですか。
    戦争と、その時代の子供たちのこと、やりたくもない勉強の一つだったのかもしれないけど、予想もできないレベルなのかなあ。
    そして、先生をしている人が夜間中学を知らないのも…。
    いや、私だってそんなに知ってるわけじゃないけど、それこそ、「そう言うものが当然あるだろう」という意識ぐらいはあるんじゃないのかな。
    当事者じゃなければ意識しない?

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著者プロフィール

山本悦子(やまもとえつこ)愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『先生、しゅくだいわすれました』『先生、感想文、書けません!』『がっこうかっぱのおひっこし』(共に童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『はっぴょう会への道』(PHP研究所)『神様のパッチワーク』(ポプラ社)など多数ある。日本児童文学者協会会員。

「2023年 『がっこうかっぱの生まれた日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本悦子の作品

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