【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299001405

感想・レビュー・書評

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  • 紙鑑定士やモデラーなど、通常のミステリーにはあまり登場しないキャラが、かなりの専門知識を持って事件を解決していくところに面白さを感じました。
    毎回手土産を持って行くところや、元恋人との関係など、とても真面目で良い主人公だと思いました。

  • タイトルの「紙鑑定士」から、オタク気質のコミュ障な主人公に違いないという偏見を持っていましたが、むしろサラリーマンらしく対人マナーを弁えていたり、業界に対して顔が広かったりと180°イメージが違う主人公で驚きました。
    経費で落とすために領収書を貰っていたり、訪問先に菓子折を持参したり、本業ではないのに引き受けた仕事に対して真摯に取り組む姿勢に好感が持てました。
    相棒役の伝説のモデラーもいわゆる世捨て人な生活を送りながらも、決して厭世的ではなく、ちゃんと人とコミュニケーションが取れる所があったりして好感が持てます。そしてふたりとも専門分野に対しては造詣が深く、二種の異なる業界のうんちくを楽しみつつ、模型から謎を読み解いていくという推理の仕方がいままでにないミステリーでとても良かったです。
    登場人物と、うんちくはこの作品のセールスポイントなのですが、ストーリーの運び方は「えらい都合よく進むな…」と思ったり。
    でもこれが処女作なのでウィークポイントにするのはいじわるというものですね。

    そしてもうひとつこの本の魅力として欠かせないのが、本の「紙」に非常にこだわっている所。
    電子書籍では絶対に味わえない体験ができます。
    この作品を読むなら絶対に「紙の本を読みなよ」です!
    著者の次作もぜひ読んでみたいです!

  • 図書館で借りたもの。
    どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所に、「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いした女性が浮気調査の依頼にやって来る。一枚のプラモデルの写真を手がかりに意外な真相にたどり着いた渡部。次に妹を捜す女性が訪ねてきて…。
    初読みの作家さん。
    第18回「このミステリーがすごい!」大賞受賞。

    設定が面白い!
    「紙」がキーワードだけあって、本自体の紙も凝ってる!(本文用紙が4種類も使われている)

    紙鑑定とは、例えば持ち込まれた本のパーツの紙を調べて、どこにどんな銘柄の紙を使っているか鑑定する。
    紙とプラモを調べて真相を追う。
    第一の依頼はあっさりしてて(序章みたいなものだからか)そこまで惹かれなかったけど、第二の依頼は一気読みだった!面白かった!

  • 紙の探偵なのに、「神のような探偵」と誤解されて、調査を依頼された渡部。そんな調査なのについついいっしょけんめになってしまう渡部さんが愛らしい。次作も読みたいです。

  • 事件がおそろしくトントン拍子に解決していくのでするする読める。土生井のキャラが良かったから、続編があるなら干された過去絡みの話が読みたいなぁ。

  • 専門用語が多く出てくるので難しいですが、推理や解き方が面白いので、ミステリー好きには良かったです。色々な種類の紙が使われていて、見た目と手触り・めくりやすさが変わるのも良いです。

  • 題名が2時間サスペンスっぽい印象があり、どんな感じか想像を掻き立てながら、読みました。
    表紙や帯など、異なる紙を使用されていて、一風変わった小説になっています。読むごとに紙も変わっていますが、色がちょっと違うくらいで、正直あまり大きな違いがわかりませんでした。なかなか紙や模型についてのウンチクは覚えきれませんが、奥深いことだけは把握しました。
    紙鑑定士ということで、紙についての知識が随所に散りばめられていますが、直接事件には関わっていませんでした。
    むしろプラモデルが大きく関わっています。
    一見、よく出来た話かと思いきや、読み終わった後じっくり考えてみると、紙関係無いじゃん!と思わずツッこんでしまいました。
    なので、「紙鑑定士」というよりは、「プロモデラー土生井の事件ファイル」の方がしっくり来る印象でした。

    マニアの域まで達すると、一つの何気ない画像や物から、よくここまで拡がるなと感心してしまいました。トントン拍子に事が進展していくので、最後まで飽きることなく楽しめました。
    ただ、都合が良すぎかなという印象もありましたが、謎解きのようなスリルがあって、面白かったです。

  • サクッと読めた。
    後半は特に展開が早かったなぁ。
    紙もそうだけど模型の情報がなかなかマニアックで面白かった。

  • 思ってたのと違いました…。
    紙から謎を紐解いて行くのかと思いきや、模型ディオラマやん……

  • 紙鑑定士という肩書きで
    ひとり事務所を開いている渡部。
    製品に合わせた紙を提案するため
    どんな紙を使っているかを
    当てるのが得意な「紙」探偵だ。
    ところが「神」探偵と間違えられて
    浮気調査を依頼されてしまう。
    仕方がないので解決してあげたら
    次の依頼者につなげられてしまうが
    こちらは本格的に行方不明捜索で…。

    変わってるぅ。
    私は触ってもわかんなかったけど
    本当に30ページくらいずつ
    紙を変えて印刷しているんですよ。
    しかも、証拠品の手紙を
    その同じ紙で印刷して付録につけたり。
    ちょっとワクワクしたわ。
    印刷会社さん大変だったろうな。

    ちなみに、内容ももちろん面白かった。
    手がかりが紙と模型だったので
    自分だけでは無理だと紹介してもらった
    模型を作る職人が変人(笑)
    だが腕はたしかで、知識も豊富。
    このふたりが互いのウンチクを
    披露しながら解決していくのだ!
    そんな理由で人殺さんといて~とは
    思いましたけどね。

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