【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (『このミス』大賞シリーズ)

著者 : 歌田年

• 宝島社 (2020年1月10日発売)

感想・レビュー・書評

[翠月さんの感想 · 2020年10月21日]

ミステリーラブストーリー単行本。
主人公「紙鑑定士」。偶然持ち込まれた門外のジオラマを頼りに、人探し。

[misameさんの感想 · 2020年10月21日]

主人公が紙鑑定士、という設定が一番活かされているのがストーリーではなく実際の造本（笑）

紙鑑定士とプロモデラーという異色の取り合わせと繰り出される蘊蓄は面白く、専門知識に馴染みのない読者にも分かりやすく書かれている部分は大いに評価したい。ただ、話の展開はご都合主義な部分が目立つし、なによりも続編を視野に入れているのであろう書き方が物語のバランスを悪くしているようで気に食わない。デビュー作なのだからもっと一つの話の完成度を高める方へ注力して欲しいもの。

[純さんの感想 · 2020年10月11日]

お勧め度：☆6個（満点10個）2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞受賞作ではあるけど、私にはもう一つ気が乗らなかった。証拠品の手紙が付いていたりして、凝ってはいるが、本来、紙を鑑定する人が警察顔負けの事件真相に近づくストーリーは面白いと思うし、紙の種類とかいろいろな用語がでてきたり、ディオラマの用語も多数あって、それなりに興味深いが、そこまで、パッとしないのは何故だろう？むしろ、赤いランボルギーニの変装が面白かった。ラストも何か中途半端な終わり方だったので今一つだったような気がする。

[ovacaciさんの感想 · 2020年10月7日]

軽く読めた感じ。紙の説明の部分とプラモデルの説明の部分がちょっと詳しすぎてついていけない感じがあったものの面白かった。

[wasabiさんの感想 · 2020年10月5日]

フジテレビのプラモつくろうCUSTOMは大好きな番組だったし、いわばオタク系の趣味には興味があるので渡部や土生井の蘊蓄には惹かれる。本の構造もお勉強になった。「ｂ７クリーム四六判」がお気に入り。ミステリーとしては、サクサクと謎が解明していき、惑うことなく遺体を発見して犯人にたどり着く。晴子にはなんか裏があるぞ、などと疑ってみるも心配ご無用だ。駆け足のラストは、真理子の登場でやたら安心感を得て、彼女は期待通りの活躍をしてくれる。う～ん、、、これでいいのだ。

[うさぎのしっぽさんの感想 · 2020年10月1日]

紙鑑定士、という初耳の仕事が出てくる話。
なんでもそうだけどマニアックな人はすごい。

この本を買うなら単行本しかない。
というか、文庫本でああいった紙質の違いなどの
お遊びってやってくれるのだろうか。
読者的にはとても楽しめたのだけど。

正直言って話自体はそこまで傑作とは言えないかな…
と思わなくはない。
まず動機が意味不明でオカルトすぎる。
（おそらく裁判では心神喪失で争うんだろうなぁ）
最終的に美女がオタクと結ばれたり
なんやかんやで元サヤか？と思うようなところは
ご都合主義というか理想を盛り込んだな、と感じた。

なので本当は星3つなのだが、
舞台となった地名が知っているところであり
ちょっと嬉しくなったので星4つとした。

[tamumasaさんの感想 · 2020年9月27日]

題名に騙された。紙より模型。けっこうひねってあって、確かに、少々強引なところはあるが、楽しめた。

[まさひろさんの感想 · 2020年9月26日]

かなり強引で都合の良いストーリーでしたが、じわじわと盛り上がっていき、単純に楽しめました。主人公の感情や行動に共感できる部分が多かったのもプラスでした。

[あの屋さんの感想 · 2020年9月13日]

このミス大賞作品。こういうマニアックなミステリーが出てきて嬉しい。事件の深刻度具合が高すぎるので、続編が出るなら、もうちょっと素人探偵っぽい事件をサクサクと読みたいなぁとも思いました。
2020/8/11読了

[jyunko6822さんの感想 · 2020年8月30日]

紙を神と勘違いした女の子が鑑定士と探偵を間違えて依頼に来た、というコミカルな冒頭から、猛暑の中歩き回る渡部くんに同情しながら事件を一緒になって追う。

事件の内容ももちろんだけど登場人物の誰もが個性的で魅力的でおかしい。メールでしか登場しない野上さんでさえもおかしい。
また、高尾に住む仙人のような土生井さんの安楽椅子探偵ぶりは極めつけだ。
とにかく読ませる今、リアルタイムな本で、
LINEやGoogleの知識も「電脳先生」に教わる事ができる。
しかも、蘊蓄ネタばかりで知的好奇心を満足させて頂ける。マニアックな読者ならば。
そして、事件の進展は、読者の知らなかった元カノによってグイグイ進み～～
その彼女との曰くありげな前の本も読みたくなる。