- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309409719
感想・レビュー・書評
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人間の第七官に響く詩が書きたい。と願う少女と、一風変わった家族との生活を描いた不思議な小説。今から80年以上昔に書かれた小説とは思えないほど、今読んでも新しい感覚のする小説で驚きでした。
岡崎翠の小説初めて読んだかど、他のもぜひ読んでみたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013.03.18
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なんというふわっと少女小説。
いとこのだめんずぶりが目を覆わんばかりで、どうしてくれようと思いましたが、読み終わってみるとみんなダメでした。若いっていいわね(棒読み)
しかしまー1931年に書かれているというのがすごい。ダメさや若さは不変ですね。 -
七つめの感覚である第七官──人間の五官と第六感を超えた感覚に響くような詩を書きたいと願う、赤いちぢれ毛の少女・町子。分裂心理や蘇(こけ)の恋愛を研究する一風変わった兄弟と従兄、そして町子が陥る恋の行方は? 読む者にいまだ新鮮な感覚を呼び起こさせる、忘れられた作家・尾崎翠再発見の契機となった傑作。
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本のまくら、本の闇鍋で選んだ本の一冊。
古くに書かれた作品なので、少しばかり読みにくさはあるけど、個人的にはとても面白かった。名前しか知らなかった尾崎翠氏に興味を持った。
ちなみに、手に取る切っ掛けとなった書き出し部分。
「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。」 -
字が大きめで、本自体も薄いから割と短い。
内容も濃くない。さらっと読める。山も谷もなし、丘があるくらいな感じ。
読んでいる間、これはいつの時代の頃の話なんだろうと思っていたが、読み終わってもそれはいまいち掴めていないし、そもそも平凡にちかい生活の記述をなぞったくらいで読み取れるほど私は近代日本に明るくないのだった。
読み終わっても、この本の主な登場人物(五人?)の姿形はうまく思い浮かべられない。なんとなく輪郭があるだけの、のっぺらぼうな想像図である。そのかわり、空気とか無形のものの存在感が印象に残っている。たぶん。
どういうものなのか知らない名詞がところどころあったので後で調べようと思って忘れた。本文中の頻出語は「蘚」と「恋愛」である。みかん食べたい。 -
一言で感想を述べるなら、「こんなラノベありそうだよなあ」。女の子が変な青年たちと暮らしているのだけど、その青年たちのセリフがまるで少女漫画のようだった(あまり読んだ経験はないけれど)。「女の子に泣かれるのが一番参ってしまうよ。」のような言葉が昭和初期のセリフだとは到底思えない。この人たちはただのイケメンです、ほんとうにありがとうございました。
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「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。」
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少女小説。苔。すてきね。
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巻末に作者の創作ノートが付いているので、再読時は参考にしようと思います。
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「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。」で始まるこの小説は、紀伊国屋のほんのまくらフェアで出会った。昭和初期の女性作家さん、このフェアでなかったら絶対に手に取ることはなかっただろうなあ。
最初から最後まで、ストーリーがあるようなないような、不思議な雰囲気で進む。うーんよくわからないなあ、と思いつつ、出てくる言葉がなんだか素敵で、まあこんなのもありかな、と納得してしまった。
女の子が泣いていたら、チョコレエト玉を買ってみるのです。