第七官界彷徨 (河出文庫 お 19-1)

著者 : 尾崎翠

• 河出書房新社 (2009年7月3日発売)

感想・レビュー・書評

[kvkさんの感想 · 2016年5月14日]

前知識なしだったから堅苦しい表題から、何やら前衛的な精神世界系純文学で、読むのにきっと苦しんでかつ時間かかるんだろうなぁ、と思ってましたが豈図らんや。炊事係をすることになった妹と、変な兄及びいとこ4人家族の、ちょっとおかしな日常、的お話。さらーっと読めた、何かむしろほんわかした感じだった。

[mizutetsuさんの感想 · 2016年4月29日]

正直に言いますと、
もっとわけの分からんものを想像してたので、
ちょっと肩透かしでした。

だって、第七官界という言葉が意味わからんし
気になるじゃないですか。
でも、ほとんど触れない。
それはむしろ大モチーフとしてどの場面でも
それがあるんですよってのも伝わるけど、
むー、うーん、それよりも可愛らしい
少女趣味がむしろ前面に出てて、
それはそれで平和な気分にはなりました。

たとえば、家の中で肥溜めの研究をするなんてのも
ちょっと信じがたいですが、そういう場面がある。
でも、これも少女とまったく逆のスタンスにいる
人間のすることですから、少女趣味の主張になるのです。


というか、第七官界なんてのはそのへんの
SF（すこしファンシー）な空間のことやもしれません。
気の利かない男としてはおどおどのぞくが関の山、
語るのはこの辺でおしまいです。

[hemiola7さんの感想 · 2016年4月20日]

はじめての尾崎翠。
奇妙で可笑しくてへんてこりんで、
読んでるときは「へんなの」っていうことしか思わないのに、
読み終えるとくっきりと色やにおい、イメージが心に残ってる。
きっと一度読んだだけでずっと忘れないと思う。

[萵苣(chisya)さんの感想 · 2016年3月7日]

昔の少女はこういうお話に胸をときめかせていたのかな～。
ところどころのおかしみと、郷愁とせつなさ。

[martin-rueさんの感想 · 2016年2月3日]

精神が非正常の兄弟。分裂症ぎみの精神科医、コケの恋愛を研究する次男、ピアノの音で憂鬱になる三男、そして髪の毛チリチリの末の妹。あまり好みではなかった。

[coconyaさんの感想 · 2016年1月17日]

2013/07

[chain25さんの感想 · 2015年10月11日]

一見、読みやすそうだが、私には難解だった。分裂病の失恋者達の話と第七感(官)という組合せで全体的にふわふわした話。
ふわふわし過ぎて苦手

[さんの感想 · 2015年9月16日]

「第七官界彷徨」の構図その他 がおもしろい
P174言葉はつねに文学の強敵だと思います。

[pass0pass0さんの感想 · 2015年9月8日]

昭和初期に書かれた少女文学小説。相手に恋情を抱いていても絶対に直球の言葉で表現しない、焦れったくて奥ゆかしい表現が古き良き日本人らしくてとても素敵だなと思いました。

[sateさんの感想 · 2015年7月4日]

読んで良かった。泣いた。本編ではないのだけど。第七女子会彷徨からの読書だけど、ふむむ。いろいろあったけど、あとがき読んで泣いてしまう。

著者プロフィール

1896年鳥取生。女学校時代投稿を始め、故郷で代用教員の後上京。日本女子大在学中「無風帯から」、中退後「第七官界彷徨」等を発表。32年、病のため帰郷し音信を絶つ。のちに再発見されたが執筆を固辞。71年死去

「2013年 『琉璃玉の耳輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」