サマーレスキュー ~天空の診療所~ (河出文庫 は 13-5)
- 河出書房新社 (2012年7月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411583
感想・レビュー・書評
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ドラマは見なかったけど、最近山登りに魅せられたら者として読まずにはいられなかった。
自己責任という言葉を理解した上で山に登ったとしても、いろんな事はおこるんでしょうね。もし、トラブルに遭遇した山に診療所があったらラッキーなんでしょうね。
都会でも救急車のたらい回しがたまに新聞紙上に乗ります。山だけではなく、都会でも必要なときに必要な処置を受けられない人達がいるという事実はしっかりと受け止めておかなければ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山の事故で失われる命を少しでも減らすために設立された夏の山小屋の診療所を、その設立から現在にいたるまでの何十年にわたって追った物語だ。
本書はフィクションだが、実在のモデル・活動があるらしい。
テレビドラマ化された作品のノベライズにあたるようだが、ドラマは未見。
標高2500mの僻地では、市街地ではたいしたことのない怪我や病気が命取りになるということがよくわかった。
個々の事例や事情をもっと突っ込んで書いたら相当深い内容になりそうだけれど、テレビドラマという形がそもそもあったことにもよるのか、全体としてさらりとした印象を受ける。 -
ドラマの脚本の書き下ろしなので仕方がないか。山の診療所が出来た経緯と、そこに携わる都会から来た医者と現地の人。山を甘く見てはいけないというのもその通りだし、いくら発展した現代医療をもってしても山では何が起こるかわからない。絶対無理だけど、大学病院での過程で山や過疎地、島嶼部での医療経験を積ませればいいと思った。
医療ドラマだったので、観れば良かったかなとか思った。 -
TVドラマをベースにした書き下ろし。主にTVドラマ以前のストーりが描かれますが、特に著者らしい味わいもなく。ドラマの前に読んでたら、また印象が違ったのかもしれません。
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サラッと読めた。
ドラマは見ていませんでしたが、秦建日子さん、好きなので。
3世代それぞれのエピソードは良かったんですが、もっと膨らんだのでは?という気もします。
命の現場なのでそんな簡単なものじゃないかもしれないですが、扱うテーマが大きく普段知りえない事だけに、もっと深くても良かったかも、と思いました。 -
ドラマの小説化か。道理で短い。遭難者の死亡を少しでも減らそうと山荘に医師常勤の診療所を設けようとする山男。来た医者は大学病院変り種らしい医局員。
面白いのはこの変り種が何をどうしたか教授になって医局員を毎年送り込む。大学病院で診療マシンとなりつつある医者たちが、国境なき医師団の医師のイメージ並に逞しく、人間に戻っていくのが、実話を元にした話とはいえ真実なら素晴らしい。
ちらっと、ツアー登山の弊害に触れている。診療所が忙しい大きな要因だろうからもっと突っ込んでくれても良かった。 -
原作と思って読んだのに、ノベライズに近かった。
モデルになった山岳医療に関わる医師の解説は
読む価値があると思います。 -
ドラマの脚本をもとに書き下ろされたオリジナルストーリー。
山の診療所にかかわった主な医師のストーリーを並べた、といったらいいのか。
「小説」としては、「切って張った」印象。
それぞれのストーリーを短編小説としてみても、ちょっと読み応えがなかったな。
とはいえ、
登山をする私にとっては、
どれも、いつか自分の身に起こるかもしれない物語。
けして他人事ではないお話であるだけに、真剣に読みました。 -
ドラマの第1話より手前のエピソードがメイン。ドラマのプロローグだと思って読むべき。完全に好きな俳優に肩入れした意見になるが、ドラマの方が、治療シーンの緊張感や感情の臨場感や風景の雄大さを感じられて格段に良い。やっぱり、私は先に映像を見ると、原作に良い感想をなかなか持てないみたいだ。(もしくは、今回の場合はキャストの影響が大きいのかも?)本書の話も感動的ではある。