- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314010474
作品紹介・あらすじ
経済学って、こんなに人間的で、面白い学問だったのか。最新の行動経済学は、経済の主体であるところの人間の行動、その判断と選択に心理学の視点から光を当てる。そこに見えてきたのは、合理性とは似つかない「人間的で、あまりに人間的な」一面。クイズ形式で楽しく読み進むうちに、「目からうろこ」、ビジネスでのヒントに溢れ、お金をめぐるあなたの常識を覆す。
感想・レビュー・書評
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原題を直訳すると「感情経済学」みたいな感じかな。
今で言う「行動経済学」についての分かりやすい学術本。最近行動経済学の本流行ってるけど、先駆け的存在かもしれない。
終盤には脳神経科学と経済学を融合させた神経経済学の紹介も少し。
人間は自分で思ってるほど合理的ではない。
錯覚し、自分の能力を過信し、責任転嫁し、時には自分の損得よりも他人に親切にすることや復讐心を満たすことを優先させてしまう生き物だから。
コンピュータはアルゴリズムで動く。正確な代わりに、計算処理に時間がかかる。人間の脳はヒューリスティクスで動く。処理が短時間で済む代わりに、正確性に欠ける。
なぜひとは経済的に合理的でない行動を取るのか、そのことにスポットを当てた名作。 -
言われてみれば納得することが多い
心の家計簿は誰にでもある
スーパーで買い物するとき、家電を買うとき、金額によって差額に対しての感情は変わる
保有してるものの価値を高く感じるバイアスがある
ところどころで話の繋がりが難しく、読むのに時間がかかった
持 -
2024/05/20読破
一言 行動経済学のまとめと、考え方の一助
感想
行動経済学の本でよくある質問や、その回答とそれに至る根拠が分かりやすく書いてあり、おもろしかったです。途中、読むには難解で挫折する点もありましたが、読み物としては非常に面白かったです。
下記は印象に残った点
p314
私たちの脳は、愚かで、おまけに暑くなりやすく、その上いくらか怠け者 -
人の認知バイアスに関する本に、参考文献として本書が紹介されていたので、気になって読みました。
株とかサッカーの例えが個人的に親近感のないことだったので、解釈するのが難しかったです。けど、読み手に何度か問題を提示してくれたり、難しい現象名と身近な例え話が結びつけられたりしていたので、「ガチガチの経済学書」っぽくなくて読みやすいなと感じました。
私はあまり物事を深く考えずに行動してしまうタイプなので、もっと合理的に行動できるように感情をコントロールしなければなと思いました。 -
ホモ・エコノミクス(超合理的、超自制的、超利己的な人間のモデル)と比べると人間はなんと非合理なことか。
行動経済学や神経経済学などがどんどん発展していくと、それらを狡猾に使われて知らず知らずのうちに騙されるだろう。もうすでに、かもしれない。いずれはAIの相棒に合理的な判断をしてもらうような時代が来るかもね。
覚書
・アンカリング効果
・ヒューリスティック(直観を用いた選択)のバイアスは予測可能:代表性(典型性)、利用可能性、連言錯誤、小数の法則、平均値への回帰、後知恵、認知の錯覚などによる
・フレーミング効果
・損失回避、保有効果、省略の誤り、後悔回避
・プロスペクト理論(カーネマン、トヴェルスキー):得たものより失ったものの方がショックが大きい。
・参照点は変化する。利得も損失も金額が大きくなると感覚が麻痺する。
・心の家計簿(メンタル・アカウンティング):出費に伴う心理的痛みは異なる。あぶく銭とゴローさんの泥つきお札ってことかな?
・感情バイアス、確率はパーセンテージで示すより、頻度で示すほうが感情に響く。現実問題として想像できるかどうか。
・ピーク・エンドの法則:終わり良ければすべて良し。
ゲーム理論:囚人ゲーム、全体の利益を優先するパレート最適と個人にとって合理的な判断となるナッシュ均衡の矛盾、独裁者のゲーム、最後通牒ゲーム
・相手が不快な思いをするとき、島前部は活発に反応するが、前頭前野背外側皮質と前頭回は休んでいる。つまり苦痛に耐えるだけである。
・ヒルとサリーのテスト:四歳にならない子や自閉症の人は他人の立場に自分を置いて考えることが難しい。
・線条体:感情を見張る役割。
・社会的な約束を破った人を罰する事に快感を覚える。結果的に利他的行動を促す本能か?
・相互の信頼:オキシトシン
・島(快不快を司る)はミラー・メカニズムの一種の独立した中核
・視線のカスケード:悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。
・ソマティック・マーカー仮説
なんでこれを読ませたんだ。またもや偶然の妙を体験した。サリーとアン?
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普段の生活で考えて行動していることが書いてあって、確かにこんな感じで考えながら、様々な選択をしていることが認識することができました。また、企業などの販売するところでは、人の感情やその時の状況を考えながら戦略を立てていることがわかりました。自分自身、その戦略にはまっていることがたくさんあったので、うまく利用されているんだなと思いました。
同じ選択肢ではあるが、言葉の使い方によって選択するものが違うことに驚きましたが、よく考えてみると本当にそう選択してしまうのがすごく不思議に感じました。得すると損するや生きると死ぬでこんなにも違うことが知りました。これをフレーミング効果というそうです。
過去に成功した経験があるので、同じ状況になったときに自意識過剰になってしまうことには気を付けなければならないと改めて思いました。絶対というのはないことはわかっているが、なかなか過去ではそうであったから大丈夫であろうと考えるのはよくない。
人間は大きな数字に反応してしまいます。同じ意味の選択肢ではあるが、数字が大きい方の選択肢を選んでしまう。
人間の脳というのは、不思議なものである。二つの選択肢があり、よくよく考えてみると一つの選択肢の方がいいのにも関わらず、直観でもう一方の選択肢を選んでしまうことがあります。これをヒューリスティックスという。
後半は脳に関する部分が主であったので、そこは受け流していても大丈夫だと思います。 -
本書が説くところの行動経済学は経済の主体であるところの人間の行動、その判断と選択に心理学の視点から光を当てるという物で、日頃お金の絡んだことを判断する際、以下に感情に支配されているかがよくわかります。
これは以前から気になっていた本だったので読んでみることにいたしました。内容はというと、日常の買い物から、レストランでの食事、株式投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじまで、感情が経済というもの、もしくはお金に絡んだ行為にどれだけ影響を及ぼしているかということを判断と選択に心理学の視点から光を当てたもので、非常に参考になりました。
ここで浮き彫りになったのは、人間の中の
「人間的で、あまりに人間的な」
といいたくなるほどの一面であり、その泥臭さや生々しさは読んでいて「なるほどそうだよなぁ」と何度かうなずいたり、しながら最後までぺ-ジをめくってしまいました。
本書の特徴として、
1.クイズ形式で説く、最新の行動経済学と神経経済学のエッセンス
2.お金と経済に関わるのポイントを「コラム」と「教訓」で紹介
3.話題が豊富(日常の買い物、レストランでの食事、バーゲンセールでの行動、投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじの買い方、など)
4.さまざまな局面でのあなたのくせと、相手のだましのテクニックがわかる
5.考えるヒント、儲かるヒントがいっぱい
であり、「教訓」の部分だけを読んだとしても、全体像がつかめるようなつくりになっております。ただ、残念なところは、役のほうがあまりできのいいものではなく、これがなければもっといいものになっていただろうなぁというものでした。それはともかく、日ごろ、われわれが「合理的」と思って下している経済的判断が、いかに当てにならないかということを教えてくれただけでも、この本を読む価値はあるかと思っております。 -
・予言の自己成就性
個人が自己の予測や願望に沿うような行動をとった場合、社会現象としてその通りの結果が出現すること。
・コンコルドの誤謬
過去の投資が、将来の事業の成否を無視して、将来の投資を左右してしまうこと。
・フレーミング効果
同一の選択肢であっても、洗濯者の心的構成(フレーミング)が異なると、意思決定が異なってくる。
・大数の法則、小数の法則
試行回数が大きければ大きいほど、平均からそれる確率が減ること。逆に試行回数が少ないときは、平均からそれる確率が十分にある。
・代表性
典型的と思われるものを、判断の基準や答えとして転用すること。愛国者で軍部から勲章を与えられ、菜食主義者で、タバコを嫌い、たまにビールを一本飲み、性生活はきわめて慎ましい政治家は信頼できると判断してしまうが、彼はヒトラーである。
・帰属のエラー
自分が所属する集団に対しては正しい評価ができない。
・バーナム効果
だれにも当てはまることがありそうな曖昧で一般的な性格に関する記述を、自分だけに当てはまるものとして受けとめること。占いによく使われる。
・集団思考
多数に反対する意見は間違えだと思い込んでしまう現象。イエスマンを生む原因。
・ハロー効果
ある対象を評価する際に、その顕著な特徴に引きずられ、他の特徴をもポジティブないしネガティブに歪んで評価してしまうこと。有名人を起用したCMはハロー効果を狙っている。
・公表バイアス
実験や調査の結果を公表するにあたり、ポジティブな結果の方は積極的に公表するのに対し、ネガティブな結果の方はあまり公表しない傾向のこと。
・アンカリング効果
最初に印象に残った数字や物が、その後の判断に影響を及ぼすこと。
・ピーク・エンドの法則
あらゆる経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まるという法則。経験の記憶は主観によって変えられ、その出来事の時間の長さには関係がない、という特徴がある。 -
流し読みかな。