戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035297

感想・レビュー・書評

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  • 軍事戦略と経営戦略における構成要素を、3つのカテゴリ(物理、心理、知性)を有する共通軸で取り扱おうというアプローチはとても新鮮なのですが。
    いろいろつぎはぎしすぎて、とってつけた感、とか、持論がまずあってそれを成り立たせるために言葉を弄している感が後半になるほどに強くなっている感じ。

    もう少し基本的なところをしっかりと解説するという感じが欲しかった。

  • 軍事戦略論と経営戦略論との橋渡しをしつつ、次の次元の戦略論を展開しようとする意欲作。昨年出版の『戦略学』の姉妹本。

    『戦略学』よりさらに分かりやすく、じっくりと理論を展開し、軍事の実例をひもときながら進んでいく。理論的には見事に構築されていると思う。

    多分、多くの人が気になるであろうことは以下の2点。
    ・「限定合理性」の立場に立つ以上、「戦略の不条理」を完全に回避することは理論上不可能であること。
    ・実際のビジネスシーンを想定したうえでの理論展開なのか、純粋に理論を追い求めているのか。

    経営学の究極の目的を何に置くか、結局はそこの問題な気がしてきた。

  • 著者は、<span style='color:#ff0000;'>戦略は多面的な視点</span>で構成されるべし、と説く。
    ともすれば「物理的」な視点だけで戦略の巧拙は議論されるが、<span style='color:#ff0000;'>「物理」以外にも「心理」「知性」のアスペクトからも検討が加えられるべき</span>であると。
    著名な戦略家では、
    クラウゼヴィッツ:物理的世界のみ考察
    < リデル・ハート:物理+心理を考察
    < ロンメル、ハンニバル、ナポレオン:物理+心理+知性を駆使したが、その運用がstaticであったため最終的に失敗。
    < 孫子:<b><span style='color:#ff0000;'>各面に多元的にアプローチ、かつ流動的に運用して状況変化にも最適適応する完全なキュービック・グランド・ストラテジー(CGS)</span></b>。

    ■過去の名将の戦略を批評しているが、CGSを現代の経営にどう反映すべきか、の例示が抽象的でわかりにくい。多面的に考察し、状況変化への対応を怠るな、というのが結論だというのなら、あまりにも当然・・。
    ■知性的アプローチが最上位にあり最も重要と説くが、
    取引コストを例としてあげているだけ。ナポレオンやロンメルの知性的アプローチについての例示は、??という印象。

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2016年 『組織の経済学入門〔改訂版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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