第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

  • 光文社
3.49
  • (86)
  • (188)
  • (272)
  • (40)
  • (14)
本棚登録 : 1890
感想 : 242
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334961886

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第1章 「輪切り」の力
    第2章 無意識の扉の奥
    第3章 見た目の罠
    第4章 瞬時の判断力
    第5章 プロの勘と大衆の反応
    第6章 心を読む力

  • 第一感 /  マルコム・グラッドウェル / 2012.8.17(34/113)
     第一感=適応性無意識。素早く無駄なく一気に結論に達する脳の働き。直観的ひらめき。第一感を曇らせるものがある。フロイト精神分析の無意識とは違う。
     無意識から生まれた思考について説明を求めたときは、慎重に解釈する必要がある。あと知恵かもしれない。説明できないことにも、我々はおうおうにして、説明を求める。それが重大な結果を招くことがある。
     他方、物事のうわべだけを見て瞬時に判断を下していないか?瞬間的認知に欺かれる場合もある。
     人の態度には2段階ある。一段階目:意識的な態度。自分の信念。はっきりと表明した価値観。二段階目:無意識な態度。考える間もなく自動的に生じる瞬時の連想。無意識という巨大コンピューターは自分が経験したこと、会った人、学んだ教訓、読んだ本、見た映画等で得たあらゆるデータを黙々と処理して意見を形作る。
     無意識な連想。例)黒人=乱暴、背が高い=リーダーシップあり。
     余計な情報はただ無用なだけではなく、有害。問題をややこしくする。
     情報が増えるほど、判断の正確さに対する自信は実際と比べて不釣り合いなほど高くなっていく。
     正しく判断するには、熟考と直感的思考のバランスが必要。
     すぐれた判断には、情報の節約が欠かせない。
     なぜ好きなのか、嫌いなのかもっともらしい理由を思いつき、本当の好みをその理由に合わせてしまう傾向がある。
     時間が足りないと、先入観に引きずられる。

  •  いちばんマズイのはタイトル。この本は、「第1感が正しい」なんて言ってない。いや、「考えれば考えるほど正しくなる」とも言ってないのだが。

     この本が言っていることは、大きく分けると2つだ。
    1「情報が多ければ多いほど、判断が正しくなるとは限らない」
    2「無意識が、判断・行動に及ぼす影響は、あなたが考えているより遙かに大きい」

     え、矛盾してる? まぁそう言わずに。これを説明するために、著者が用意した豊富な事例がおもしろいんだから。この手の本は、何を主張するかが大事かではなく、事例が説得力を持っているかでおもしろさが決まる。で、この本は、まぁまぁそこんところ、成功していると思う。

     たとえば、テストの前にネガティブな言葉を仕込んでおくと、それだけで成績に変化があらわれるという「プライミング実験」の話は象徴的。
     一流のテニス選手が「手首のスナップを効かせて打つんだ」と説明しているにもかかわらず、じっさいにビデオ分析すると、手首が返るのはあきらかに「打ったあと」だったりするのも、意識と行動の乖離を示している。人は「悲しい」と思ってから悲しい表情をつくるわけではなく、まず「悲しい表情」が先に表れてから「感情」の変化がおこるというのも同様だ。
     いくら差別意識がないと言っている学生でも、「黒人とよいイメージの単語」を結びつけていくテストより、「黒人と悪いイメージの単語」を結びつけていくテストのほうが、はるかに短時間でできる。主観と、無意識には、断絶がある。
     とくにおもしろかったのは、米軍の演習で「あらゆる情報を収集して結論を出すチーム」vs「実戦経験豊富な鬼軍曹的指揮官」が対決した顛末。勝ったのはもちろん……。

     要するに、「合理的な思考」も「瞬間の判断」も、どっちもあてにならん。どちらの落とし穴にも熟知しておくべきだ、というのが結論。まぁ、そんなタイトルつけたところで売れないのかもしれないが。
     タイトルに比べ、内容はまっとう。『なぜ選ぶたびに後悔するのか~「選択の自由」の落とし穴』(バリー・シュワルツ/ランダムハウス講談社)のほうが「人間の認知がいかにあてにならないか」という事例は豊富だが、「瞬時の判断」という要素を入れるならこちら、という感じ。

  • 「人間の能力の広がりとその限界を、豊富な実例で教えてくれる一冊。仕事での直感が磨かれると共に、落とし穴も回避できるようになります」と、帯に勝間和代さんも書かれてるように(今までこの方の本読んだ事ないけど)、

    実例をすごい書いてくれてて、忘れないように何度も復習してくれてる。

    内容としては、
    ①判断の質は、時間と努力に比例しない(時間かけても第1感とほぼ同じ)
    ②第1感を信じていいとき、悪いとき
    ③第1感は養えて、操れる
    って内容を書きたかったみたいだけど、そんなきれいにはリンクせず…

    情報や経験、情熱によって、ある程度ふるいにかけて(自然に)第1感は高めていけるってことなので、結局はいかに上質な情報を入れたり、経験をしたりできるかってこと。

    タイトルとも結びつかない例もいくつかあった気がするけど、まめ知識としても。

  • 無意識が意識にまさる力について。瞬間的な認知でも、無意識のフィルターがかかっている。歪むこともある
    (←そういう意味で和訳本のサブタイトルは、ずれている。偽物の彫刻を見破るという章で適する。)

    物事や会話の断片(輪切り)で人間関係の今後が予想できる実験結果に納得。

  • 直感でだいたいあってるっていうのを「適応性無意識」っていうらしい。これは完全ではなくって先入観や時間がないなどのプレッシャー下では間違うこともママあるらしい。
    結局のところ熟練した結果の暗黙知?での直感なら最初の2秒で正しいと言えそう。

  • 人は、なにかを経験する際に、言葉などで思考する以上のものを感じとり取捨選択し、自動的に判断している。その判断は、じっくり考えた結果と比べて大差ないことも多い。むしろ早さでは優れている。思考が、その判断を邪魔していることさえある。ただ、無意識の内に、欲や周囲の状況、今までの経験、興奮状態などによって影響され、一概に正しいとは言えない。何かに精通した人は、認識を超えた情報と認識下の意識の繋がりが太く、判断の精度も高い。つまり『第1感』は、意識と無意識のフィードバックで訓練することができる、好きなものなら特に。

  • No.590

  • 他に比してのめり込む感じが無かったのは何故か。
    ともあれ、第1感や瞬時の判断について書いてある。
    似たような本を読んでしまったのか、ちょっと残念。

全242件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

「2014年 『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルコム・グラッドウェルの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジーン ゼラズニ...
小川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×