森は知っている

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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  • (2)
本棚登録 : 978
感想 : 169
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027541

感想・レビュー・書評

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  • 150801読了

  • 『太陽は動かない』の主人公、鷹野が17歳の時の物語だ。
    前述の作品ではふてぶてしく冷静沈着だった鷹野が、葛藤し、戸惑いながら自分の境遇と未来に向き合おうとする姿が描かれている。
    本作だけでも面白いけれど、『太陽は動かない』を未読の方がいればぜひそちらから先に読んでほしいなと思う。時系列としてはこちらが先になるのだけれど、『太陽は動かない』を読んでいると、鷹野の何気ない会話や、クライマックスの顛末がぐっと胸に迫ってくる。
    孤児を利用した産業スパイ。現実にはありえないだろう。でも、フィクションだからこその物語の面白さが詰まっている。

  • 産業スパイ鷹野のシリーズ。
    既出の「太陽は動かない」の主人公鷹野が産業スパイとなるまでの過程を描いた作品。
    鷹野の壮絶な生い立ちには辛いながらも感情移入できたものの、産業スパイを養成するまでのやり方とか、騙し騙されるスパイの世界には今一つ入り込めなかった。
    ハードボイルドとも社会派小説とも分類できない中途半端な印象が残念な作品でした。

  • 2015.7.17読了。1日を生きる 壁の向こう 君は愛されるために生きているんだ。
    それほどハラハラしたり、感情移入はできなかったが、楽しく読み進めることができた。

  • 『太陽は動かない』の主人公の、高校時代の話。
    とは言え、ずいぶん前に読んだので、内容はすっかり忘れていたけれど、読み進めるうちに荒唐無稽な組織が出てきたことは思い出した。

    ひどい虐待を受けて育った主人公の過去は、重くはあるものの、全体はさらりと読めるエンターテイメント。好きな作者ではあるけれど、少し経ったらやっぱり忘れてしまいそう。

  • スピード感があって、一気読みでした。当たり前ですけど、鷹野が若い!!青さを感じます。今後もあるのかな?ヒリヒリするような次作を期待します。

  • 平和ボケの日本でスパイはあまりリアリティがないけど、鷹野の生い立ちや生活はひきつけられた。太陽は動かないも読んでみたいです。

  • 「太陽は動かない」前日譚。
    前作では足りないと思ったものが今作にはある。
    設定の甘さはその力強さで押し切れる。これからますます著者のエンターテイメント活劇が楽しみでならない。

  • 「太陽は動かない」の続編とは知らずに読みましたが、時代設定が主人公が若いときのお話なので特に問題は無いと思われます。決して面白くないわけではないのですが、「胸に自爆用爆薬を埋め込まれた産業スパイ集団」という設定は、ちょっとなんだかなぁ・・・

  • 17歳には、まだなにも分からない。過酷な運命に翻弄されながらも、真っさらな白い地図を胸に抱き、大空へと飛翔した少年の冒険が、いま始まる-。ささやかでも確かな“希望”を明日へと繫ぐ長篇。

    組織を裏切ると体内に埋められた爆弾が爆破し殺される…同じような設定の小説を読んだことがあると思っていたら、2年余り前に読んだ「太陽は動かない」の続編、というより主人公の若き日の話だった。相変わらずスイスイ読まされ楽しめるけど、ラストがややドタバタ過ぎという感じだった。
    (B)

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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